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2013年12月9日掲載 |
フィンランドで元Nokiaのエンジニアが立ち上げたメーカーJollaが2013年11月27日に、同社で開発したモバイルOS「Sailfish」を搭載する4.5型スマートフォン「Jolla」を発表した。価格は399ユーロでフィンランドの通信事業者DNAを経由して、事前予約していたユーザーにまず450台を販売した。 「Jolla」は「Sailfish」OS専用アプリの他にも、Android OS向けに開発されたアプリもそのまま利用できる。「Jolla」のユーザーは「Yandex.Store」から85,000以上のアプリをダウンロードすることが可能である。また、Nokiaの地図サービスHEREも搭載している(※1)。 Jollaについては過去にもレポートで伝えてきたが、ようやく端末が市場にリリースされた。新しいOSであることからアプリも集まらないのではないかと危惧されたが、Androidアプリとの互換性を持たせるなどの工夫をしてきた。 Jollaはフィンランドを代表する老舗携帯電話メーカーNokiaで「MeeGo OS」を開発していたエンジニアらが立ち上げたスタートアップ企業である。スタートアップだけあってJollaの対応は機敏である。様々な問合せなどにも迅速、的確に回答をくれる(回答できない内容については、その旨を回答してくれる)。2013年中に端末をリリースすると宣言し、有言実行であった。 事前予約は世界136カ国から予約があったことから、市場での期待も伺える。とはいえ、現在の世界のスマートフォン市場はAndroidとiOSでシェア90%以上を占めている。またメーカーもサムスンやAppleといったグローバルメーカーの他にも新興国でも地場のメーカーが台頭してきている。 まだまだJollaの前途は多難であろう。ようやく1台目がリリースされたところである。これからも開発だけでなく世界で販売、保守など様々なことを行っていく必要がある。Jollaの社員の多くは世界を席巻したNokiaで働いていた経験を持っていることから、全世界で端末を提供、販売していくためのノウハウだけでなく、その苦労もよく知っているだろう。 Jollaが世界のスマートフォン市場でどのようなポジションとなっていくのか、引き続き注目していきたい。 Jollaをめぐる遷移 ![]() (出典:筆者作成) ![]() (出典:Jolla) (参考) 【参考動画】 *本情報は2013年11月29日時点のものである。 ※1 Jolla(2013) “Jolla smartphones to feature HERE’s maps and thousands of Android apps” |
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