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2013年12月10日掲載 |
マイクロソフトは2013年12月3日、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD: North American Aerospace Defense Command)と提携し、最新のWeb技術を使ったInternet Explorerの「サンタ追跡サイト」を全世界でオープンしたことを発表した(※1)。毎年恒例のサンタクロース追跡が今年も行われる。 NORADは昨年(2012年)、2007年から採用してきた米グーグルのGoogle Mapsに代えてマイクロソフトのBing Mapsを採用し、Windows Azure上にシステムを構築した(参考レポート)。クリスマスイブの12月24日には北極から世界中の子どもたちにプレゼントを届けるサンタクロースの様子を、コンピューターグラフィックスで描いた位置を表示する。サイトは日本語を含む8カ国語で提供されている。ゲームや音楽、動画なども楽しめる。Internet Explorer(IE) 11搭載のタッチ対応ディスプレイ端末であればタッチ操作で楽しむことができる。 ![]() 1955年(昭和30年)からサンタクロースを追跡NORAD は1955年からサンタクロースの追跡を行っている。米国コロラド州のシアーズ ・ローバックが「サンタへの直通電話」を開設したが、広告に掲載した電話番号はNORAD の前身である CONADの司令長官へのホットラインだった。子供たちからの電話を受けた司令官は、部下にレーダーでサンタクロースを追跡するよう指示し、次々に電話をかけてくる子供たちに、サンタクロースの現在位置を伝え続けた。NORAD は57年にわたってサンタクロースの追跡をしている。 「もはや戦後ではない」と経済白書で称された1956年の1年前(昭和30年)である。日本が高度経済成長に入る直前であった。その頃からNORADは毎年サンタクロース追跡を行っている。 インターネットの登場で大きく変わるサンタクロース追跡1955年から実施しているサンタクロース追跡だが、インターネットの登場によって追跡方法も情報発信も大きく変わった。1997年にWebサイトを立ち上げてインターネットでの情報発信を行っている。1998年からはレーダー、人工衛星、サンタ・カメラ、ジェット戦闘機の最新鋭システムを活用してサンタクロースの追跡を行っている。 インターネットの登場により全世界の人たちが追跡を確認できるようになった。パソコンの前で世界中からサンタクロースの追跡ができるようになった。 マルチメディア化したサンタクロース追跡情報通信技術の発展によって、サンタクロースの追跡も情報発信も大きく変わった。1955年から冷戦期の長い間は電話で対応していた。その時代に比べると格段の差である。電話のみではアメリカ時間のクリスマスイブにアメリカにいる人以外はアクセスできる機会も少なかった。しかし現在では英語以外に7か国の言語でサイトを用意し、世界中からアクセスしてデジタルマップやスマートフォンのアプリでリアルタイムに追跡、動画サイトで映像を見たりできるようになった。情報通信技術の進化がこのようなことを可能にしたのだ。毎年進化する情報通信技術とともにサンタクロースの追跡も進化していくのだろう。 なお、今年(2013年)版のイメージアニメには、サンタクロースが乗るトナカイを戦闘機がエスコートする場面があり、一部の米教育関係の団体から「子どもたちが親しんでいる伝統に暴力や軍国主義的な風潮(manipulative military marketing)を取り込んだ」といった批判も出ているとのことだ(※2)。それだけ世界中でサンタクロースは注目を集めているのだろう。 恐らく以下の画面だろう(動画26秒のあたり)。 ![]() (出典:Noradsanta) (参考) 【参考動画】 *本稿は2012年12月21日掲載「情報通信技術の発達とサンタクロース追跡:NORADサンタ追跡」(筆者)を加筆修正したものである。 *本情報は2013年12月9日時点のものである。 ※1 “Internet Explorer Partners with NORAD to Bring the Most Wonderful Time of the Year to the Web” (Dec 3, 2013) ※2 Los Angels Times(2013) “Military accused of poisoning kids' minds with Santa Tracker video, Dec 4, 2013, |
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