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2013年12月18日掲載 |
米Googleは2013年12月、アジア地域初の2つのデータセンターが、台湾とシンガポールで始動したことを発表した。中国とインドに代表されるアジアでのインターネット人口の急増に対応するものである。同社によると、2013年7〜9月の間にアジアでは6,000万人以上が新たにモバイルインターネットを利用しはじめたとのことである。 台湾のデータセンターに対する投資計画は従来の2倍の6億ドルに拡大させる方針も示された。台北から3時間ほど離れた彰化県臨海工業地区に建設されたデータセンターはアジアでも最大規模の15ヘクタールの広さで、従業員60人が働いている。風力タービンを利用した環境にやさしくエネルギー効率が良い。Googleでは台湾でのデータセンター設置について、費用面でのメリットのほかプライバシー保護や人材、通信インフラの点でも意味があると指摘した。 また、シンガポールのデータセンターも2011年から1.2億ドルの費用を投じて建設が進められ2013年12月から運用が開始された。ジュゴン西部にあり2.45ヘクタールで台湾に比べると小規模である。 (図1)台湾の彰化県臨海工業地区に建設されたデータセンター ![]() (出典:Google) (図2)シンガポールのジュゴン西部地区に建設されたデータセンター ![]() (出典:Google) 一方で、香港に新たなデータセンターを設置する計画については土地取得が困難なことなどを理由に断念したことを明らかにした(※1)。 現在、Googleは世界で12ヶ所のデータセンターがある。北米に6カ所、南米1カ所、欧州3カ所、アジア2カ所である。 (表1)Googleのデータセンター ![]() (出典:Googleの公開情報を元に筆者作成) 今回、Googleはアジアで2つのデータセンターを設置した。そこでGoogleが提供している検索の他にYouTube(動画)やGmail(メール)などが処理されることになる。同社も指摘しているようにアジアでは3カ月で6,000万人もの新たな利用者がインターネットに接続するようになっている。アジアでは2007年にインターネット利用者が4億1,800万だったが、2012年には10億を超えている。増加率は143%である(※2)。それでもまだインドと中国2ヶ国の人口の半分にも達していない。各国でスマートフォンも普及していることから、これからもアジア地域におけるインターネット利用者は更なる増加が見込まれるし、他地域よりも成長の度合いも高い。台湾、シンガポールに続くデータセンターはどこに設置されるのであろうか。そしてアジアの次にはアフリカという大きな市場もある。 また人々のあらゆる社会生活、経済活動がインターネットに依拠している現代社会において、データセンターはGoogleだけでなくインターネットサービスを提供している多くの企業やユーザーにとっても基盤となる重要な施設である。さらにデータセンターが設置されることによって、その地域での雇用拡大やインフラ整備といった経済発展にもつながる。 インターネット社会を支える基盤であるデータセンターを誘致できることは、今まで以上に重要なことになってくる。 *本情報は2013年12月12日時点のものである。 【参考動画】 ※1 “Google Scraps Plan to Build Hong Kong Data Center”(Dec 10, 2013) ※2 “World Internet population has doubled in the last 5 years” (Apr 19,2012) |
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