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2013年3月6日掲載 |
2012年2月26日、モバイル業界団体GSMAが毎年MWC(Mobile World Congress)時にモバイル通信事業の発展に貢献した政府を受賞している。2013年はモルドバ政府が受賞した(※1)。 モルドバ政府が導入した「Mobile Signature」モルドバ政府は「行政の電子化(eGovernment)」に注力している。いわゆる電子政府である。現在でも既に様々な行政に関わる手続きがクラウドを活用して電子化されており、2020年までには公共業務の全てを電子化することを目指している。そして2012年9月から携帯電話を活用して、世界中のどこからでもモルドバの公的文書にアクセスして署名などができるサービス「Mobile Signature」を開始した。「Mobile Signature」はモルドバ政府と通信事業者が提携して構築した(※2)。専用のSIMカードの中にIDやPINコードが格納されており、ユーザは通信事業者とSIM契約をする際に「Mobile Signature」の申し込みを行うことによって利用が可能になる。 モルドバのVlad Filat首相は「Mobile Signature」導入の目的として汚職の防止、時間節約、効率化重視の3点を挙げている(※3)。時間節約と効率化重視は理解できるが、「汚職の防止」のために「Mobile Signature」を導入していることにはモルドバの現状を垣間見ることができて興味深い。 ユーザは専用のSIMカードを挿入した携帯電話から電子政府サイトにアクセスし、そこでサービスの選択が行える。ユーザは海外からもアクセスが可能であり、従来のようにモルドバ国内の役所に行って行列を作る必要がなくなった。パソコンからのアクセスも可能である。 モルドバは人口約360万の国家だが、雇用機会を求めて国外で労働者として働く人が多い。彼らも携帯電話を活用しての電子政府へのアクセスが可能である。 経済発展にも期待モルドバ政府は国全体でクラウドを導入し行政の電子化を図ろうとしている。その一環として携帯電話を活用した「Mobile Signature」が登場してきた。現在の利用者数などの詳細は公開されていない。モルドバの経済成長率は6.4%だが、1人あたりのGDPは1,968ドル(2011年:世銀)である。 モルドバ携帯電話の状況モルドバの携帯電話加入者数は約335万人、普及率約94%である。 以下がモルドバの携帯電話事業者
(参考)モルドバ政府 電子政府ポータル 【参考動画】モルドバ政府による電子政府の紹介動画*本情報は2013年3月5日時点のものである。 ※1 Republic of Moldova(2013), “Moldovan government wins “Best mGovernment” international prize” Feb 26,2013, http://www.moldova.md/en/newslst/1211/1/4069/ ※2 通信事業者のOrange Moldovaは今回のGSMAでの受賞を踏まえて、喜びのコメントを発表している。>http://www.orange.com/m_en/press/press-releases/press-releases-2013/Orange-Moldova-launches-globally-recognized-mGovernment-initiatives ※3 原文:“In the digital century the interaction between the authorities and citizens can successfully take place in the virtual space. In this way, we avoid corruption, save time and become more efficient”,”(Sep 12, 2012) http://social.moldova.org/news/the-service-mobile-signature-launched-in-moldova-232925-eng.html ※4 外務省モルドバ共和国(2013年3月5日閲覧) |
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