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2013年7月10日掲載 |
2013年7月、ナイジェリアの通信事業者Airtel Nigeriaが同国のオンラインショッピングサイト「Konga」と提携したことを明らかにした。 ナイジェリアAirtelとKongaの連携「Airtel Konga」ナイジェリアの通信事業者Airtelは、同国のオンラインショッピングサイトKongaでスマートフォンや携帯電話を購入した際に、プリペイドSIMカードで20通分の無料SMS(ショートメッセージ)、国内海外割引通話料、200MB以上のデータ通信利用時には30%割引になるなどの5つの料金サービスが受けられる「Airtel Konga」を開始した。 ナイジェリアの人口は約1億6,000万で携帯電話加入者数は約1億2,000万(普及率:約75%)である。この加入者数というのはSIMカードの販売数であり、国内の主要通信事業者4社が熾烈なキャンペーンなどで利用者の獲得競争を行っているため、1人で複数枚のSIMカードを保有していることが多いため、実際の人口に対する普及率はもう少し低い。またプリペイドの比率は各社で95%を超えており、利用者のほとんどがプリペイドユーザである。特にAirtelはGlobacomと熾烈な争いを繰り広げている。 (表1)ナイジェリアの主要通信事業者
(当局公開資料より作成) 新たなSIM販売網としてのオンラインショッピング通信事業者は自社のSIMカードを販売するために、家電量販店や町のキオスク、売店などでたくさんの広告を出して宣伝活動を行っている。今回、そのSIMカード販売の販路がついにオンラインショッピングサイトに登場することになった。それだけナイジェリアにおけるインターネットショッピング利用者が増加しているのだ。 通信事業者としては、1つでも多くの優良な小売店を抱えておくことが利用者獲得とリチャージにおいて重要である。プリペイドが主流で、様々なキャンペーンを実施していることから利用者はキャンペーン期間やサービスが終了したら違う通信事業者のSIMカードを買い替えてしまって、リチャージしてくれないということが非常に多い。例えば、AirtelがSMS(ショートメッセージ)を20通分無料で提供している場合、20通分を送付し終わったら、もうそのSIMカードは利用しないで次のSIMカードを購入してしまう。違う会社がキャンペーンをやっていたら、そちらに乗り移る可能性は非常に高い。通信事業者としては販路を少しでも多くして利用者に自社のSIMカードを継続して利用してもらうことが重要で、そのために今回のような提携といったマーケティング活動を多く実施している。 (図1)「Konga」 ![]() (出典:Konga) 台頭しつつあるナイジェリアでのオンラインショッピングナイジェリアではPCやスマートフォンの普及によってインターネットでのショッピングを行う人が増加している。2000年には20万程度だったインターネット利用者が2010年には4,000万にまで達している。それでもまだ普及率は25%だから、これからもまだまだ成長の余地がある。さらに最近ではスマートフォンと無料(または廉価)Wi-Fiスポットの普及によって、インターネットにアクセスできる人はさらに増加している。 現在、ナイジェリアのオンラインショッピングは上述の「Konga」と「Jumia」が有名で2強であるが、同国には約70の様々なオンラインショッピングサイトがあり、家電やファッションなどあらゆるものがインターネットで購入可能である。都市部では決裁、配送のインフラも整備されている。1〜5日で配送され支払は着払い(”pay on delivery”)の人気が高い。「Konga」ではラゴスへの配送で3,000NGN(1,800円)以上の買い物をした場合は配送手数料無料で配達してくれる(地方の場合は、12,000NGN以上の買い物で配送料無料)。 アフリカ最大の人口をかかえるナイジェリアでオンラインショッピングが普及し、人々の生活を変えようとしている。そして通信事業者も従来のリアルな店舗でのSIMカード販売に加えてオンラインショッピングサイトにも販路を拡大する必要がある。急速に拡大しているオンラインショッピングサイトは通信事業者にとっても重要な販路になってくる。これからも多くの通信事業者が同様にオンラインショッピングサイトに進出してくるだろう。 (表2)主要なナイジェリアのオンラインショッピングサイト
(公開情報を元に作成) (参考) 【参考動画】 *本情報は2013年7月8日時点のものである。 |
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