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2013年8月12日掲載 |
イギリスで14歳の少女Hannah SmithさんがインターネットのSNSにおける「いじめ」が原因で自殺したとみられると、2013年8月10日に報じられた。Hannah Smithさんは、利用者同士が質問し合うSNS「Ask.fm」において、「ネットいじめ」を数カ月間受けていたそうだ。 同サイトは各国の若者を中心に約6,000万人が利用しており、匿名で投稿できるのが特徴。これまでにも、同サイトで攻撃された10代の若者が少なくともアイルランドで2人、イギリスで1人自殺したことがあるそうだ。 キャメロン首相も「ネットいじめ」について言及今回の「ネットいじめ」による自殺という痛ましい事件を踏まえて、イギリスのキャメロン首相はこうした不道徳な(‘vile’と表現している)サイトを使用しないよう呼び掛けている。キャメロン首相まで登場したことでイギリスでは多くのメディアで取り上げられており、改めて社会問題として「ネットいじめ」が話題になっている。キャメロン首相は「オンラインであれオフラインであれ、人を傷つけること、暴力を振るうことは法律を犯すことであり、オンラインにいるからといって“法律が適用されない”と思ってはいけない。そのようなサイトはボイコットしろ、そんなサイトに行くべきではない」と強く述べている(※1)。 イギリス政府の「ネットいじめ」への取組みイギリスで「ネットいじめ」による自殺をうけてキャメロン首相が言及している。イギリスでは12歳から15歳までの34%が「ネットいじめに遭った経験がある」と答えた調査もあり、イギリス政府は2007年9月に300万ポンド(約7億円)の予算を組んで「ネットいじめ」防止キャンペーンを立ち上げた。以来、いじめ防止のためのガイダンスを作成し広範囲に配布するなど、様々な取組を行っている。 イギリスでネットいじめ撲滅のために活動する団体の1つとして、1999年に設立された、いじめ撲滅運動を行う「Beatbullying」がある。同団体がイギリスにおける11〜18歳を対象にした調査結果では、ネットいじめの現状は下記のとおりである(※2)。
また「ネットいじめ」に対する取組の1つとして、政府機関、チャリティ団体、産業界を通じて以下のような呼びかけも行われている。
「ネットいじめ」は永遠の課題2013年8月11日の報道によると、日本でもいじめの対策を進めている文部科学省は、インターネットでのいじめや中傷の書き込みをいち早く見つけるため「ネットパトロール」を行う費用を各地の教育委員会に補助する方針を固めたと報じられた(※3)。子どもたちの間にインターネットの利用が広がり、掲示板やブログに中傷の書き込みをするなど学校生活では見えづらいいじめが出てきていることから、その監視を進める方針を固めた。「ネットパトロール」を行うのに必要な専門知識や人員が不足していることから、都道府県の教育委員会に対し人件費や外部機関への委託費などを補助するということ。 ソーシャルメディアの急速な普及に伴って、多くの人がネット上でいろいろな発言ができるようになり、それらを目にする機会が多くなっている。インターネットは中高生だけでなく小学生にとっても日常生活のコミュニケーションのインフラとして定着している。 「ネットいじめ」は犯罪イギリスで14歳の少女Hannah Smithさんが「ネットいじめ」が原因で自らの命を絶つという悲惨な事件が起きた。インターネットは人々の生活を大きく変えたが、インターネット上での暴力で人の命が奪われる時代になってきている。「オンライン上でも人を傷つけたら法律を犯している」とキャメロン英首相が述べている。基本的人権の侵害であろう。つまり「ネットいじめは犯罪」であることをイギリスだけでなく世界中の人に認識してもらう必要があるのだろう。 Hannah Smithさんのご冥福をお祈り申し上げます。 【参考動画】 (参考文献)
*本情報は2013年8月11日時点のものである。 ※1 (原文)‘Just because someone does something online, it doesn’t mean they’re ※2 内閣府(平成23年)「イギリス・韓国における青少年のインターネット環境整備状況等調査」 ※3 NHK(2013年8月11日) ※4 文部科学省(平成20年11月12日) |
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