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Global Perspective 2014
2014年1月23日掲載

多くの人が迷惑だと思っている「歩きスマホ」:まだ続けますか?

(株)情報通信総合研究所
グローバル研究グループ
佐藤 仁

「ながらスマホ」や「歩きスマホ」の注意喚起はここ数年くらいで電車などの公共交通機関などでたくさん見かけてきた。電気通信事業者協会は2014年1月21日に、JR東日本の山手線全駅と中央・総武線の7駅の自動改札で「やめましょう、歩きスマホ。」と書いたステッカーが貼り、注意喚起を促すことを発表した。また大阪環状線の全駅でも実施する予定である。ポスターも約2,000枚作製し2014年1月下旬以降、全国の大学や鉄道会社、自治体に掲示を依頼していく。最近では公共広告でも「ながらスマホ」の注意喚起をしたテレビCMを放送している。

5人に1人が事故か怪我を経験

2013年11月にMMD研究所はスマートフォンを持つ18歳以上の男女558人を対象に行った調査では、歩きスマホの経験がある人は57.1%に達した(※1)。「日常的に歩きスマホをしている」と回答した人(118人)のうち、5人に1人以上の22.9%が歩きスマホ中に「事故またはけがをした経験がある」と回答した。

また同調査では「迷惑だと思う」(33.2%)「時々迷惑だと思う」(45.0%)で、「歩きスマホ」を迷惑だと思っている人が78.2%にも達していることがわかった。ほとんどの人が「歩きスマホ」には迷惑しているということなのだろう。それでもスマートフォンに依拠した生活を送っているため、「わかっちゃいるけどやめられない」というところなのだろう。

今、スマートフォンが必要ですか?

自分が怪我をしたり、相手に怪我をさせてしまってからでは遅い。どうしても急ぎの要件があるのであれば、立ち止まって人通りの少ないところでスマートフォンの操作を行えばよい。むこうからスマートフォンの画面だけを見つめて、前を見てない人が歩いてくると確かに不安である。「この人、ちゃんと見えているのかな?大丈夫か?」と思い、「歩きスマホ」をしている人に注意をしながら、こちらが道を譲るのに不快感を覚える人も多いだろう。

NTTドコモは2013年12月、歩きスマホを自動検知して画面に警告を出す機能(「歩きスマホ防止機能」)をスマートフォン向けアプリ「あんしんモード」に追加した(※2)。スマートフォンの傾きや加速度、カメラを利用した動体検出で「歩きスマホ」を判定し警告を出す。無料で利用できるので、どうしても「歩きスマホ」がやめられないという人は、このようなアプリを利用してみるのもよいかもしれない。

78.2%もの人が迷惑だと思っており、5人に1人が事故か怪我を経験している「歩きスマホ」、まだ続けますか?周りの多くの人があなたの「歩きスマホ」に迷惑しているということ、歩きながらどうしてもスマートフォンの画面を見つめなくてはならないのかどうか、心に留めておこう。

【参考動画】

*本情報は2014年1月22日時点のものである。

※1 MMD総研(2013年11月19日)
http://mmd.up-date.ne.jp/news/detail.php?news_id=1248

※2 NTTドコモ(2013年12月3日)「歩きスマホ防止の新たな取り組みについて」
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2013/12/03_00.html

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