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2014年2月18日掲載 |
2013年12月、香港のチャイナモバイル(中国移動香港)は、毎月のデータ通信パケットのうち、余った自分のデータ容量を他のユーザと売買できるプラットホーム「2p」(2nd exchange marketの略称)の提供を開始した(※1)。このようなサービスの提供は香港で初めてとのことである。 データ容量の売買が可能な「2cm」「2cm」(2nd exchange market)は中国移動香港が提供する「4G Pro」という料金プランに加入している人が対象である。1BGごとに売買が可能で、費用は15HKドル(約200円)から60HKドル(約800円)で売り手が決めることができる。データ容量を販売したユーザは、その分の費用は翌月の請求書から控除されることになる。また、売り手側は1BG当たり手数料15HKドルを支払う必要があるが、2014年3月末までは手数料不要である。 データ容量の売買が利用できる「4G Pro」はそれぞれデータ通信の上限が1GB、5GBの2つのプランがある。そしてそれぞれの上限を超えると1GBプランの場合は0.5GBごとに、5GBプランの場合は1GBごとに30HKドル(約400円)かかる(※2)。そのため中国移動香港が提供するデータ容量を追加して費用を払うよりも、他人のデータ容量を「2cm」で買った方が安上がりになる(売り手が30HKより安価で売りに出していた場合)。 (表1)中国移動香港が提供する「4G Pro」の料金プラン内容 ![]() (出典:中国移動香港を元に筆者作成) 日本のLTEも定額制だが、毎月7GBも利用しているのか?2例えば、日本でもNTTドコモならLTEでは「Xiパケ・ホーダイ フラット」に加入すると、毎月5,985円の定額で7GBまで利用可能である。7GB以降は当月末まで通信速度が送受信時最大128kbpsになるか、別途申込みで2GBごとに2,625円で通常速度で利用できる(※3)。これは7GBまで利用しようと、利用しまいと毎月定額で5,985円徴収される仕組みである。また「Xiパケ・ホーダイ ライト」というのもあり、これは毎月3GBまで利用可能で定額料4,935円で、仕組みは上記と同じである。 人によっては毎月7Gも利用しないで、余らせている人も多いだろう。特に日本でも多くのスポットや自宅ではWi-Fiに接続して利用する人が増加し、従来のように携帯電話事業者の回線を利用しないでネットに接続している人も多くなっている。またNTTドコモでは、7GBも利用しない人を対象に「Xiパケ・ホーダイ ライト」で毎月3GBでのプラン提供の選択肢を与えているが、3GBも利用しない人も多いはずだ。 そのようなユーザは日本だけでなく先進国を中心に多く存在しているのではないだろうか。 システムやら規制など色々と検討しなくてはならないことが多く簡単なことではないだろうが、中国移動香港のように余ったデータ容量を他人と売買できるようになったら、多くの人が毎月の使わないデータ容量を売ったり、買ったりするのではないだろうか。もっと利用者の財布にやさしいフレキシブルな料金体系が期待される。 【参考動画】 *本情報は2014年2月14日時点のものである。 ※1 中国移動(2013年)“中國移動香港推出全新企業及商業品牌“and!””(中国語)http://www.hk.chinamobile.com/tc/about_us/media_center/NewsPDF/20131219pr.html# ※2 中国移動 http://www.hk.chinamobile.com/en/services_plan/4G3G/4gpro.html ※3 NTTドコモ「Xiパケ・ホーダイ フラット」https://www.nttdocomo.co.jp/charge/packet/xi_pake_hodai_f/about/index.html#p01 |
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