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2014年2月24日掲載 |
2014年2月19日に独立行政法人情報処理機構(IPA)が主催する「IPAサイバーセキュリティシンポジウム2014」が開催された。そこに2012年ロンドンオリンピックにおける情報保全とサイバーセキュリティの最高責任者であるオリバー・ホーア氏が来てロンドンオリンピック時のサイバーセキュリティに関する講演を行った。ロンドンオリンピックの時のサイバーセキュリティについては以前にも同氏のコメントを元にしたレポート「ロンドン五輪を狙っていたサイバー攻撃」を2013年10月に執筆したことある。実際にロンドンオリンピックでのサイバー攻撃の事例などはそちらの方に出ているので、そちらをご参照いただきたい。 物品や機器の盗難、破損の脅威オリンピック開催時のサイバーセキュリティというと、サイバー犯罪やDoS攻撃、システム破壊などばかりが注目されてしまう。ロンドンオリンピックの際にもそのようなサイバーセキュリティの問題は多発した。しかしオリバー・ホーア氏の講演の中で印象的だったのは、オリンピック開催時または開催前などにケーブルや情報通信機器の盗難も発生していたということである。 つまり、どれだけサイバー攻撃の対策をしていたとしても物理層で接続されているケーブル、サーバー、ルーター、基地局などの機器や物品が盗まれる、壊されてしまっていた場合、そもそもサイバー攻撃を受けることもない。しかし、それ以前に一般の利用者がネットワークに接続できない、サービスを利用することができない。そのため、ロンドンオリンピックの際にはベンダーにはいつでもバックアップや補充が可能な体制にしていたとのことである。 ロンドンと東京では治安や環境が異なるから、2020年に開催を予定している東京オリンピックの際にも物品の盗品、破損が問題になるかどうかは不明である。日本で日常生活において、ケーブルやら物品が壊されたり、盗まれたりすることを懸念する人はそれほど多くないかもしれない。しかし、オリンピックには世界中から多くの人が集まるだろうから、あらゆる注意が必要と対策である。 ケーブルやサーバー、ルーター、基地局など機器や部品がないと、そもそもサイバースペースは成立しないのだ。どのような優れたサイバーセキュリティ対策を施しても、物理層部分で破壊、盗難の被害にあっていては、サイバーセキュリティ対策どころではない。 サイバースペースを構成する機器や部品を盗難や破壊から守ることの必要性を改めて認識する必要がある。そして、それらが盗難されたり、破壊されたときに即時に対応できるような体制が求められる。それはサイバー攻撃やサイバー犯罪の対策と同様に重要である。 【参考動画】 (参考) *本情報は2014年2月20日時点のものである。 |
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