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2014年3月6日掲載 |
2014年3月、ウクライナ情勢の問題と、そこを巡ってロシアと欧米の対立が深まっていることは日本のメディアでも多数報じられている。軍隊を展開させて南部クリミア半島を掌握したロシアのプーチン大統領に対し、オバマ大統領は経済制裁の発動を検討し「ロシアを孤立させる」と宣言するなど情勢は国際社会も注目している。 ウクライナへのサイバー攻撃そのウクライナではサイバー攻撃も問題になっている。3月4日にはウクライナ当局が地元の通信事業者Ukrtelecomの通信ネットワーク設備がサイバー攻撃を受けていることを確認したと報じられている(※1)。立て続けにサイバー攻撃を受けており、Ukrtelecomの携帯電話による通信は一部遮断されてしまったようだ(※2)。また盗聴などによる情報摂取も行われているとのことだ。ウクライナの通信インフラのほとんどが旧ソ連時代からのものであり、現在でもほぼロシアの支配下にあり、非常に脆弱であると報じられている。 他にも地元メディアなどへもサイバー攻撃が行われているようだ。そこにはサイト改ざんといったプロパガンダ目的の侵入やDoS攻撃が含まれている。このような衝突時にはサイトの乗っ取りによる、偽情報の発信などは攻撃者からすると効果的である。また多くの先進国ではサイバー攻撃対策も進んでおり、DoS攻撃程度でシステムが麻痺したり、社会が混乱することは少なくなっているが、サイバースペースが脆弱なウクライナはDoS攻撃だけでも相当なダメージを与えることができる。 リアルな衝突と並行して行われるサイバー戦争サイバースペースに依拠するようになった現代社会では、そのサイバースペースを破壊、混乱させることが相手に対して大なり小なりのダメージを与えることができる。そのため現実社会で衝突が起きると必ずサイバー戦争も並行して行われるようになった。つまり、サイバースペースの防衛は国家の防衛と直結している。 サイバー戦争は「プログラミング戦争」であり、各国のプログラミング能力がサイバー戦争での勝敗を分ける。そのためサイバー攻撃を受けたからといって、即座にサイバー攻撃で応戦ができるとは限らない。現在のロシアとウクライナのサイバー戦争では圧倒的にロシアの方が優位である。このような事態に備えて、常日頃からサイバースペースを強固にしておくことが重要であろう。 【参考動画】 *本情報は2014年3月6日時点のものである。 ※1 BBC(2014) Mar 5, 2014, “Russia and Ukraine in cyber 'stand-off'” ※2 Reuter(2014) Mar 4, 2014, “Ukraine hit by cyberattacks: head of Ukraine security service” |
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