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2014年3月19日掲載 |
2014年3月17日、愛知県刈谷市の全小中学校21校において、小中学校と保護者が連携して児童生徒に午後9時以降、スマートフォンや携帯電話を使わせない試みを2014年4月から始めると報じられた。いくつかの新聞やメディアでも扱っていたことから目にした人も多いだろう。 以下に産経新聞Web版と読売新聞Web版の同記事を引用しておく(※1)。 「夜9時から家でもスマホ禁止に 愛知・刈谷の全小中学校」 愛知県刈谷市にある全21校の小中学校が保護者と連携し、児童生徒に午後9時以降、スマートフォンや携帯電話を使わせない試みを4月から始める。無料通信アプリLINE(ライン)などを使ったトラブルやいじめ、生活習慣の乱れを回避するための措置という。 続いて、読売新聞Web版について見てみよう。 「小中生、21時以降スマホ禁止を申し合わせた市」 ネット犯罪やスマートフォン(スマホ)の無料通話アプリ「LINEライン」のトラブルから子どもたちを守ろうと、愛知県刈谷市の全小中学校が、午後9時以降は児童生徒に携帯電話やスマホを使わせないことを申し合わせた。 本当に効果はあるのだろうか?夜9時からスマートフォンや携帯電話の利用を禁止するとのことだが、学校と家庭との連携が必要になってくることだろう。たしかに夜中までスマートフォンを眺めているのは睡眠不足になりかねないことから、健康には良くないだろう。その点、生活習慣乱れの回避にはつながるかもしれない。 しかしSNSなどでの書き込みを無視するといったトラブルやいじめ問題の解決になるのだろうか。これは夜の9時以降にスマートフォンが利用できないのとどのような関係があるのか、正直よくわかりにくい。 そして愛知県刈谷市の6つの中学校では生徒の58.2%が携帯電話やスマートフォンを保有しているということだが、残りの42.8%は所有していない。その残りの生徒らは、夜の9時以降にスマートフォンを利用する習慣がないはずだが、彼らは生活習慣にも問題がなく、トラブルやいじめに巻き込まれていないのだろうか。 夜の9時以降にスマートフォンが使えなくなるということから、夜9時前まではスマートフォンや携帯電話にばかり気が向かってしまい、かえって勉強に集中できなくなってしまうのではないか。それで9時以降には既に疲れてしまって、勉強しないで寝てしまい、かえって非効率的ではないか。 いずれにせよ、新しい試みなので、世間や多くの自治体が関心を寄せているだろう。夜9時以降のスマートフォンを禁止することによって、小中学生の生活習慣やいじめ問題、トラブル改善にどの程度効果を上げていくのか、注目していきたい。 *本情報は2014年3月18日時点のものである。 ※1 産経新聞Web版「夜9時から家でもスマホ禁止に 愛知・刈谷の全小中学校」(2014年3月17日) http://sankei.jp.msn.com/life/news/140317/edc14031715450001-n1.htm |
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