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2014年5月26日掲載 |
ジンバブエの第3の通信事業者Telecelは2014年5月から、Facebookへのアクセスが無料で行える「0.facebook」(zero facebook)を開始した。「0.facebook」はFacebookへのアクセスが無料のサービスである。友人の投稿を読んだり、自分で書いたりすることができる。但し、テキストのみの表示で、写真や動画、リンク先へのアクセスは通信費用が発生する。2010年5月から提供が開始され、既に途上国を中心に多くの通信事業者が採用していた(※1)。Facebookとしてもユーザーの獲得になり、通信事業者としても写真や動画の閲覧、リンク先へのアクセスで通信費用発生が期待できる。 ジンバブエでは先日、第1の通信事業者Econetのデータ通信量のうち23%がメッセンジャーアプリ「WhatsApp」であると伝えられた(参考レポート:ジンバブエ:データ通信の23%が「WhatsApp」〜アフリカで変わるコミュニケーションのプラットフォーム)。なお、Facebookは2014年2月に「WhatsApp」を190億ドルで買収している。 ジンバブエの人口は約1,300万人である。携帯電話の加入者は約1,430万(普及率約110%)、携帯電話事業者は3社(Econet、NetOne、Telecel)ある。現在は約880万の加入者を保有するEconetが圧倒的に強い。 ジンバブエのようなアフリカや途上国では、従来のコミュニケーションの中心はショートメッセージ(SMS)である。そのため通信事業者としては「SMSが50通まで無料」のようなキャンペーンを多く実施していた。 現在ではスマートフォンの普及に伴い「WhatsApp」、「WeChat」などのメッセンジャーアプリや「Facebook」、「Twitter」などのソーシャルメディアをコミュニケーションのプラットフォームとして利用する人が増加している。コミュニケーションの手段が従来のショートメッセージ(SMS)から新しいメッセンジャーアプリ、ソーシャルメディアといういわゆるOTT(Over The Top)に移行しつつある。この勢いは止まらない。アフリカではFacebookとTwitterは数年前から多くの人が利用していた。つまり、利用者からするとコミュニケーションのプラットフォームはそれらOTTであり、ネットワークはどこの通信事業者でもいいのである。 通信事業者独自でのサービス、料金の差別化が難しくなってきている。そのため通信事業者としては、自社のネットワークを利用してもらうためには、これらOTTとの連携は今後も重要になって来るであろう。Telecelとしても「0.facebook」を通じて、「Facebookを利用するならTelecelを使ってね」とアピールしている。 「0.facebook」は再び注目されるか?「0.facebook」は2010年5月に提供開始されたが、最近では新たに導入しているという話は聞いてなかったが、ジンバブエのTelecelが今回導入した。 (出典:Telecel) 【参考動画】 Telecel紹介ビデオ *本情報は2014年5月25日時点のものである。 ※1 Facebook(2010) “Fast and Free Facebook Mobile Access with 0.facebook.com” |
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