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2014年5月26日掲載 |
2014年5月にソフトバンクモバイルが「歩きスマホ」対策のアプリを発表した。半年以上前の2013年12月からNTTドコモでも既に同様の「歩きスマホ」対策のアプリを提供している。歩いていることを検知すると警告画面が表示されて、操作できなくなるアプリで、両社とも無料で提供している。 NTTドコモ:「あんしんモード」に「歩きスマホ防止機能」を追加NTTドコモは2013年12月3日、「歩きスマホ」による事故防止とマナー向上の取り組みとして、「あんしんモード」アプリに「歩きスマホ防止機能」を追加し、2013年12月5日から提供することを発表した(※1)。 「歩きスマホ防止機能」は、スマートフォンを見ながら歩いていると、歩行中であることを検知し、警告画面を表示する機能。警告画面が表示されている間は、スマートフォンを操作できなくなる。月額使用料は無料で「あんしんモードアプリ」をインストールし、歩きスマホ防止機能を設定すれば利用できる。歩行検知の感度は「高・標準・低」の3段階で設定でき、スマートフォンを見ながら歩行中であることを検知すると、警告画面が表示される。警告画面が消えるのは、歩行停止を検知したとき、警告画面の「閉じる」ボタンをタップしたとき(10秒間のみ)、電源ボタンを長押ししたとき(5秒間のみ)となっている。 ソフトバンクモバイル:「STOP歩きスマホ」ソフトバンクモバイルは2014年5月23日、「歩きスマホ」による事故防止とマナー向上の取り組みとして「STOP歩きスマホ」アプリを提供することを発表した(※2)。 スマートフォンの画面を見ながら歩行していると、歩行中であることを検知し「やめましょう、歩きスマホ」という警告画面が表示され、警告画面が表示されている状態では操作ができなくなる。歩行を中止すると再度操作が可能になる。Android版を無料でダウンロードできる。ソフトバンクのAndroidスマートフォンのみに対応しており。iPhone版の提供は現在検討中としている。 「歩きスマホ防止機能」 ![]() (出典:NTTドコモ) 「STOP歩きスマホ」 ![]() (出典:ソフトバンクモバイル) 「安心・安全」なスマートフォン利用を推進する通信事業者それぞれ、通信事業者は「歩きスマホ」対策アプリを制作して無料で配布している。両社ともに、「安心・安全」を前面に出している。各社が「歩きスマホ」対策アプリを提供開始した際のリリースから見ていきたい(下線筆者)。 (NTTドコモ) ドコモではこれまでも、歩きスマホ防止のために、ホームページや広告、「ケータイ安全教室」等による啓発活動を継続的に実施してまいりました。 (ソフトバンクモバイル) ソフトバンクモバイルは、これまでも、ホームページでの啓蒙活動に加え、子どもたちが安心・安全にスマートフォンを利用するための教材「考えよう、ケータイ・スマートフォン」を発行するなど、歩きスマホの危険性を周知し、防止に向けた取り組みを継続して行ってまいりました。今後も、安心・安全なインターネット社会構築への貢献に向けた活動を行っていきます。 利用者の「安心・安全」なスマートフォン利用推進に向けた通信事業者の取組みは日本の通信事業者が一番進んでいるだろう。海外ではアメリカAT&Tが「AT&T DriveMode」という運転中にスマートフォンを利用しないためのアプリを提供している(※2)。 それでもまだ減らない「歩きスマホ」ところで、通信事業者が無料で提供している「歩きスマホ」対策アプリはどのくらいの人が利用しているのだろうか。周辺でこれらの対策アプリを利用している人を知っているだろうか。 これら対策アプリのほかにも、注意喚起のポスターなどを多数見かけるし、電車やプラットフォームでは注意を呼びかけるアナウンスも行っている。鉄道会社や通信事業者によるユーザーへの呼びかけや注意喚起は重要であろう。それにもかかわらず、実際に駅やら道路では「歩きスマホ」を利用している人は減少していない。 「歩きスマホ」対策アプリは開発し、無料で配布すればいいというものではない。そもそも「スマホは歩きながらするもの」という認識がある人は最初からこのような「自らの自由を奪うアプリ」をインストールすることはないだろう。 「歩きスマホ」はまだまだ解決しなくてはならない問題がたくさんある。そしてそれらは通信事業者だけの問題ではない。本来は個人個人の意識の問題なのだ。 *本情報は2014年5月25日時点のものである。 ※1 NTTドコモ(2013年12月3日)「歩きスマホ防止の新たな取り組みについて-「あんしんモード」に「歩きスマホ防止機能」を追加-」 ※2 ソフトバンク(2014年5月23日)「歩きスマホ防止アプリケーション ※3 AT&T DriveMode |
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