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2014年6月2日掲載 |
ナイジェリアの通信事業者Airtel Nigeriaは2014年5月、Wikipedia Foundationと提携して、携帯電話からWikipediaへ無料でアクセスができる「Wikipedia zero」の提供を開始した(※1)。Airtel Nigeriaは、携帯電話を通じてWikipediaへアクセスすることによって、国民の知識へのアクセス増加とリテラシー向上を期待している。 途上国のリテラシー向上に向けた「Wikipedia zero」「Wikipedia zero」は今回のナイジェリアが初めての提供ではない。2012年に開始されたサービスで、Wikipedia Foundationが新興国・途上国を中心とした26か国の通信事業者と提携して提供している。新興国、途上国でも携帯電話は広く普及しているが、インターネットへのアクセスはお金がかかるなどの理由から躊躇することが多いが、無料でアクセスできるサイトやサービスの人気は高い。 そこでWikipediaに無料でアクセスできる「Wikipedia zero」を提供することによって、多くの情報に接することができるようになり、リテラシー向上にも寄与している。「Wikipedia zero」へのアクセスは1か月で6,000万PVを超えていることから、その人気の高さも伺える。 グローバル化時代における「情報」アクセスの重要性「ヒト、モノ、金、情報」が瞬時に世界を駆け巡るようになった「グローバル化」が進展したことによって、途上国においても携帯電話の所有は一般的となった。しかし、携帯電話を所有しているからといって、誰もがインターネットにアクセスしてあらゆる「情報」を受信できるわけではない。データ通信の費用が発生するからである。途上国ではプリペイドが主流であり、データ通信もプリペイドで支払われる。そのため、チャージしてない、使うのがもったいないといった理由で、インターネットにアクセスすることを躊躇することも多い。その点、「Wikipedia zero」では、Wikipediaのみへのアクセスは無料でできることから、多くの情報に接することが可能となる。 Wikipedia Foundationでは、途上国を中心に今後も「Wikipedia zero」の推進を行っていく予定である。携帯電話を所有だけしていても情報リテラシーの向上にはつながらない。そこからどのような情報を収集できるのかが重要である。さらにその情報にアクセスするためのハードルが低いことが途上国では求められている。 (図1)「Wikipedia zero」提供国 ![]() (出典:Wikipedia Foundation) (図2)「Wikipedia zero」月間ページビュー数 ![]() (出典Wikipedia Foundation:) 【参考動画】 *本情報は2014年5月30日時点のものである。 ※1 Biztech Africa(2014) 29 May 2014, “Airtel gives Nigerians free access to Wikipedia” |
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