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InfoCom Law Report
2014年6月10日掲載

[本文へ戻る] 米国におけるDo Not Trackへの対応状況とカリフォルニア州の取組み

【別紙2】 Kamela D. Harris. Attorney General, California Department of Justice, “Making Your Privacy Practices public” (May 21, 2014)のExecutive Summary(p.1-2)を以下訳出した。

エグゼクティブ・サマリー

有意義なプライバシーポリシーに関する声明は、消費者がどの企業に自身のパーソナル情報を預けるかを判断できるよう助けることで消費者を守る。また、プライバシーポリシーは、企業にとっても自社のブランド構築や、透明性を通じて信用や信頼を構築できる良い機会となる。しかしながら、多くのプライバシーポリシーは非常に長く、消費者に意味のある選択を提供することなしには難しすぎて読むことができない。実際、消費者は自身が訪れるウェブサイトのプライバシーポリシーを理解できていないし、多くは読んでさえいないという研究結果も示されている。

司法長官府は、カリフォルニア州法に規定されるプライバシーの不可分の権利を保護するというミッションに促進していくにあたり、企業が消費者にとって有意義なプライバシーポリシーに関する声明を提供できるよう提案する。具体的には、本ガイダンスは、膨大なデータ収集及び利用にあたっての通知、平易な用語の使用、読みやすいフォーマットでの提示といったプライバシーポリシーに関する声明を作成するよう企業に働きかけることを意図している。

2003年カリフォルニア州オンラインプライバシー保護法(CalOPPA)は、プライバシーポリシーに様々な要件を求めた米国における最初の法律で、プライバシーに関する画期的な法律である。本法はカリフォルニア州の住民を対象に、個人識別可能情報を収集する商用ウェブサイトやオンラインサービスの事業者に適用される。本法はこれら事業者に対し、何を行うかを公表すること、及び、公表したことを実行すること、を求めている。本法は2013年に改正され、消費者がウェブサイトやオンラインサービス上をどのように移動したかといったパーソナル情報を収集するオンライントラッキングに関する問題に対応できるようになった。消費者が自身のブラウザを通して追跡して欲しくないという要望を通知することができる”Do Not Track(DNT)”技術は存在する。しかしながら、多くの消費者はどのようにサイトやサービスが自身のブラウザのDNT信号に対応しているのかを知らない。2013年に改正されたCalOPPAは、ウェブサイト運営者やオンラインサービスに対し、まさにこの点を消費者に通知することを要求しており、本ガイドラインにおける提案も、これら新しい条項を説明するものである。

本文書は最近公表された”Cybersecurity in the Golden State”を含むプライバシーとセキュリティに関する新しい司法長官府提案である。

主な提案

可読性

  • 平易で簡潔な言語を用いること。技術や法律の専門用語の使用は避ける。
  • 構造化されたフォーマットなど、ポリシーが読みやすくなるようなフォーマットを用いること。

オンライントラッキング /Do Not Track

  • 消費者が、オンライントラッキングに関するポリシーを説明した部分を簡単に見つけられるようラベル化する。例えば、「Do Not Track信号に対してどのように対応するか」、「オンライントラッキング」、「カリフォルニアDo Not Track開示」。
  • ブラウザのDo Not Track信号、もしくは類似機能に対し、自社がどのように対応しているかを説明する。これは「選択プログラム(choice program)」にリンクすることよりもより透明性が高い。
  • 自身のサイトやサービス上における他事業者が、消費者の個人識別可能情報を収集している、もしくはする可能性があるかどうかを宣言する。

データ利用および共有

  • 顧客対応やオンラインサービスの基本的な処理において必要なこと以外に、どのように個人識別可能情報を用いるのかを説明する。
  • 個人識別可能情報を共有するサードパーティのプライバシーポリシーへのリンクを可能な限り提供する。

個人の選択とアクセス

  • 個人情報の収集、利用、共有に関して消費者が有する選択肢を説明する。

説明責任

  • 自社のプライバシーポリシーや実務に関する質問や問い合わせに対しどこに連絡を取ればよいのかを顧客に通知する。

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