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2000年5月掲載 |
中国、通信事業を再編1999年3月に発表されていた中国の通信事業の再編が実施された。2000年4月22日号の日経新聞、毎日新聞に再編の記事が掲載されている。WTO加盟に関連して、日経新聞では、今回の分離で誕生した企業と外国の提携などの動きが予想されるとしているのに対して、毎日新聞では加盟後の国際競争の激化は必至としている。 ■中国、通信事業を再編
発足したのは、市内、長距離、国際電話を提供する「中国電信集団」と移動体通信を提供する「中国移動通信集団」である。両社はもともと旧郵電部の現業部門で、1998年に情報産業部の傘下になっていた。 中国政府は、1999年3月から、中国電信を、(1)固定電話(市内・長距離)、(2)移動体、(3)衛星通信、及び(4)ページングの4分野に分割する計画を進めていた。今回の2社に先立ち、ページング会社は分離されている。衛星通信会社は、今後1〜2ヶ月中に設立され、中国電信の分離が完了する。 中国電信の競争相手として、聯合通信が、携帯電話事業を行っている(一部、長距離、市内電話も提供)が、巨大な通信基盤とブランド力を持つ旧中国電信との差が大きく、実質的な競争状態にはなっていなかった。今回、携帯と固定網が分離されたことで、中国移動通信と聯合通信通信は、ほぼ同じ競争条件となる。 中国のWTO加盟と外資規制の緩和 また中国のWTO加盟に関連して、中国の電気通信分野への外資規制の出資比率や時期については、報道にバラツキが見られる。 前述の日経新聞、毎日新聞の両紙(2000.4.22)は、「中国はWTO加盟の2年後には通信分野の外資の出資比率を50%まで認めることで合意しており」としているが、Telecommunications Report(1999.4.12)によれば、「ページング・VANサービスについては最大51%、固定電話および携帯電話事業については最大49%まで、数段階に分けて徐々に規制を緩和していく」となっている。 中国の電気通信市場の外資規制緩和スケジュール
さらにInfoCom Quick Updates(以下、IQU)掲載の記事では、2000年5月22日、中国のWTO加盟に関して、EU(欧州連合)は、米国よりも有利な条件で中国が合意したとしている。EUの携帯電話事業者は、中国のWTO加盟後、即座に中国の事業者との合弁事業において、25%までの資本参加を認められ、3年後にはこれを49%まで引き上げることができる。 ただし、これらのスケジュールは、中国政府によって公式に発表されたものではなく、また今後、中国国内の反対勢力からの巻き返しもあり得ることから、依然として外資規制緩和の見通しには不透明な部分が残されているようである。 今回の通信業界の再編と、中国のWTO加盟後、外資による直接投資が認められれば、日経新聞(2000.4.22)は、「今回の分離で誕生した企業と外資の提携などの動きも予想される」としている。毎日新聞では「(WTO)加盟後の国際競争の激化は必至だ」、IQU(2000.5.28)では「WTO加盟とともに、電気通信分野の市場競争は一層の拍車がかかる模様である」としている。 中国の携帯電話市場は、2000年に7,000万台に達して、日本を抜いて世界第2位の市場になる見通しである。一連の動きを受けて、旧中国電信から分離した中国移動通信をめぐっては、外国の通信事業者やメーカーが激しい競争を繰り広げることになるだろう。 一方、聯合通信については、携帯電話事業を開始した97年以降、外国の通信事業者やメーカーが、独特な契約(「中-中-外」方式、詳細は、「Hyper Asia(1998.10)」参照)で、積極的に投資を行っていた。ただし、「中-中-外」方式は、非常に複雑な契約形態であるため、トラブルが頻発し、98年後半から中国政府が同方式を禁じる方針を出したことから、聯合通信は資金調達に苦しんでいた。今回の再編で、競争条件が揃ったとは言え、聯合通信が、外資にとって、再び魅力的な提携相手となるかどうかは疑問である。 |
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NTT西日本 企画部 武川 恵美 編集室宛 nl@icr.co.jp |
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