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ハイパーアジア
2003年7月掲載

米eBay、中国の競売企業を取得

 日本では、ブロードバンドの普及が追い風となり、2002年の個人向け電子商取引市場は1兆5,000億円規模になる見通しだ。電子商取引推進協議会によれば、2006年には10兆円まで成長すると見込んでいる。新型肺炎(SARS)は、中国経済に対して打撃を与えたが、テレビ電話やインターネットでの買い物などの利用増加につながっているようだ(日刊工業新聞2003.6.19)。  

■eBay、中国の競売企業を完全子会社化

 2003年6月、ネット競売大手の米国eBayは、200万以上の登録ユーザーを持つ、中国のネット競売企業イーチネット(EachNet、本社=米デラウェア州)を完全子会社化することで合意したと発表した。eBayは、2003年3月にイーチネットの株式33%を買収しており、今回の合意で、中国市場での投資を拡大する。eBayは、イーチネットの残りの発行済み株式67%を約1億5,000万ドルの現金で買収する。買収は、2003年第3四半期に完了する予定である。

 イーチネットは、1999年設立、中国における電子商取引のリーディングカンパニーであり、eBayは、「イーチネットは、中国の電子商取引市場において、長期的な成長を見込む事業地位を確立している」として評価している。
 eBayによると、中国の電子商取引市場は、2005年までに160億ドル以上(IDC、2001年)に成長すると見ている。

■中国のネット人口

 中国インターネット情報センターは、2003年1月、2002年末のインターネット利用者が5,910万になったと発表した。2003年末には8,630万人に達すると予想しており、日本を抜き、米国に次いで世界第2位となるのが確実となった。

 国連貿易開発会議(UNCTAD)の報告によると、2002年末の世界のネット人口は6億5,500万、中国は世界の9%を占めるが、今後さらに増加する余地があると分析している。

■PHS加入者の急増

 中国では「小霊通」と呼ばれるPHSの加入者が急増している。日本とは異なり、固定電話回線を提供する中国電信(チャイナテレコム)などがサービスを運営している。1999年のサービス開始時は、携帯電話との競合を懸念する中央政府が明確な認可を行わなかったため、通信会社は地方都市のみで運営していたが、今春、情報産業省が、黙認する姿勢を表明し、北京、上海、広州といった大都市での提供が始まった。

 通話料は、最初の3分が0.22元(約3円)、その後1分毎に0.11元と、携帯電話の3〜5分の1の安さである。5月末時点で契約数は1,200万を突破し、年内に4,000万まで伸びるという予測もある。

<寄稿> 武川 恵美
編集室宛 nl@icr.co.jp
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