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ハイパーアジア
2004年2月掲載

中国はすべての通信市場で世界1位を狙う

■固定電話の加入数が急増

 世界1位を誇る中国の固定電話加入者は2003年の1年間に4,900万増えて、2億6,300万加入となった。電話の普及率(人口100人当たりの電話回線数)は20.5%となり、電話の通じている行政村は全体の89.2%に達した。情報産業省は2004年にも4,000万の回線増を計画している。

図表:中国の固定・携帯電話の加入数

図表:中国の固定・携帯電話の加入数

■固定電話を超えた携帯電話加入数

 2003年の携帯電話の新規加入数は、ドイツの総加入数に匹敵する6,300万台に達した。前年比増加率は31%と2002年の42%より下がったが、増加数は2002年の6,078万台を上回った。2003年末の加入数は世界第1位の2億6,900万台、普及率は20.8%に達している。

 携帯電話の加入数は2003年9月末では固定電話のそれよりも約49万台少なかったが、10月末で逆転し、約80万台上回った。携帯電話の加入数は北京や上海など東部の10省・市に集まっている。

 所得水準の高い東部では早くから携帯電話が普及し始めたために、すでに2002年末時点で携帯が固定を上回っていた。ただ、増加率は鈍ってきており、2003年年初から10月末までの増加率は20.4%と全国平均24.8%を下回る。一方、内陸の西部では伸び率が高まっている。2003年に入り、携帯電話で30%増、固定電話も20%増といずれも全国平均を上回る。

■インターネット加入者は世界第2位へ

 中国インターネット情報センター(CNNIC)によると、中国のインターネット加入者は2003年末に、前年より34.%増え、7,950万に達し、世界第2位となった。普及率は世界平均の半分に近い6.2%。このため、中国では今後も利用者が伸びつづける可能性はあり、ネット関連ビジネスは成長産業の1つとして期待される。

 利用者の中心は35歳以下の未婚の若者男性が中心だが、35歳以上の既婚女性も増えている。ブロードバンドに接続した人は1,740万と、1年間で2倍以上に増加している。

 インターネット人口に比例して、インターネット広告も急増している。中国の民間調査会社iリサーチによると、同国における企業ネット広告支出額は、2002年は4億9,000万元だったが、2003年の通年では10億8,000万元に達する見通しだ。2002年のオンライン広告の支出額では、インテル、IBM、サムスン電子、聯想(レジェンド)など情報技術関連の広告主が全体の3割を占めている。中国のネット利用者のうち、2,667人が過去1年以内にオンラインショッピングを利用している。特に電子図書販売の人気が高まっているという。

<寄稿> 武川 恵美
編集室宛 nl@icr.co.jp
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