2005年2月号(通巻191号)
ホーム > レポート > 世界の移動・パーソナル通信T&S >
世界の移動・パーソナル通信T&S
<トレンドレポート>

スプリントとネクステルの合併にどんな意味があるか

 全米でサービスを提供する6社による熾烈な競争を展開していた米国の携帯電話業界では、昨年10月に米国のシンギュラー・ワイヤレス(当時2位)が410億ドルでAT&Tワイヤレス(3位)を買収し、トップの座に就いた。その余波が未だ収まらない2004年12月15日に、今度はスプリントとネクステルが合併することで合意した。このレポートでは、相次ぐ米国における携帯電話業界の巨大合併の狙いは何か、それは通信産業全体にどんなインパクトを与えるのかを考えてみたい。また、米国における第3世代携帯電話の動向についても紹介する。

■上位3社は4分の3の市場を占有

 かねて合併の噂があったスプリントとネクステルは、2004年12月15日にスプリントが350億ドルでネクステルを買収することで合意したことを正式に発表した。合併新会社「スプリント・ネクステル」は加入数3,540万、収入規模400億ドル、従業員55,000人(単純合計)となり、1位シンギュラー・ワイヤレス(合併後、加入数4,900万)、2位ベライゾン・ワイヤレス(加入数4,400万)に次ぐ全米第3位の携帯電話会社となって、4位T−モバイルUSAを規模的に大きく引き離す存在となる。スプリントとネクステルを含む上位3社による市場占有率はおよそ4分の3となる見込みで、寡占化が急速に進むことになる。

 形の上ではスプリントによるネクステルの買収であるが、両社はこの合併を「対等合併」と説明している。ネクステルの株主は、同社株1株当り新会社の株1.3株を受け取る。また、この範囲内で小額の現金(総額28億ドル以内)を受け取ることが出来る。正確な株式の交換比率は合併が確定した時点で決定されるが、現在の両社の株価水準ではネクステル1株で新会社の株1.28株と現金50セントを受け取ることになるという。

 合併の効果は主としてコストの削減で説明された。従業員の削減、基地局や交換装置の統合(スプリントのCDMA方式に2007年を目途に一本化する)およびネクステルが独自で第3世代携帯電話(3G)ネットワークを構築する必要がなくなるなど、その節減効果は120億ドルにのぼるという。また、スプリントは合併を期に固定通信事業のうち、長距離通信部門を新会社に統合し、地域通信部門(収入60億ドル、従業員22,000人)を分離する。また、異なる技術を使っている両社のネットワーク(スプリントはCDMA、ネクステルはiDEN)上で動作する携帯電話機の開発ではモトローラと提携する。

 スプリントとネクステルの合併には、両社の株主による承認と連邦(FCCおよび司法省)および州の規制当局の承認が必要となるが、さしたる反対は起きない見込みだという。しかし、2位のベライゾン・ワイヤレスの親会社であるベライゾン(地域電話会社)が、かねてスプリントの買収を検討していた経緯があり、場合によってはその動きが浮上するリスクがあるとウオール・ストリート・ジャーナル(注)は報じている。

(注)Sprint and Nextel to merge, creating cellphone powerhouse(The Wall Street Journal online / December 15, 2004)

 ベライゾンによるスプリント買収の動きがなくても、合併が承認(2005年下半期とみられている)されてから2007年にネットワークの統合が完了するまでの間、競争他社はスプリントとネクステルの加入者を狙って攻勢をかけてくるのは必定で、両社はこれをかわすことが課題となる。しかし、スプリントとネクステルは、合併後の彼らの規模、技術、販売力によって、上位2社と十分対抗できると楽観視しているという。

 合併後の新会社「スプリント・ネクステル」の最高経営責任者(CEO)には、スプリントのゲイリー・フォーシー会長兼CEOが就任し、ネクステルのティモシー・ドナヒューCEOは取締役を兼務する会長(executive chairman)に就任し、取締役は両社から半数ずつ出す。新会社の本社は現在のネクステル本社の所在地であるバージニア州レストンに置き、スプリントの本拠地であるカンザス州オーバーランド・パークには新会社のオペレーション・センターが設置される。

■固定・移動融合の時代に有利な地位を占める

 米国の通信業界では、新興企業からの攻勢と宿敵のケーブル・テレビ会社に対抗するため、地域ベル電話会社は業務の規模及び範囲(放送を含むブロードバンド・サービスなど)を拡大することに力を入れてきた。ベル電話会社の外で事業を営む競争者にとって、この動きは「統合するか、そうでなければ破滅するか」という厳しいメッセージである。この様な状況下で、スプリントとネクステルは合併を選択した、とビジネス・ウイーク(BW)誌は書いている(注)

(注)Why Sprint and Nextel got hitched(BusinessWeek / December 27,2004)

 スプリントとネクステルは、合併で1位の携帯電話会社となったシンギュラーと2位のベライゾン・ワイヤレスに対抗し、ワイヤレス・ブロードバンドの投資に必要な資金などを確保するためには、規模の拡大が不可欠と判断した、と前掲のビジネスウイーク誌は指摘している。「この合併はまさに次世代の通信会社を創設することなのだ。」と新会社のCEOに就任予定のスプリントのフォーシーCEOも語っている。

 この合併で、伝統的な通信と携帯電話、ウェブ・アクセス及びビデオ・サービス間の将来の融合に関して、スプリント・ネクステルが中枢的な役割を果すことができることを意味する、と前掲のビジネスウイーク誌は指摘している。地域ベル電話会社がケーブル・テレビ会社に対抗して、音声からデータ、ビデオに至るあらゆるサービスを一般顧客に販売するようになると、両陣営は夫々のバンドル・サービスを魅力的にするため、携帯電話サービスを必要とする。ベル電話会社はすでに携帯電話会社を保有しているが、ケーブル・テレビ会社は保有していない。スプリント・ネクステルはケーブル・テレビ会社の「パッケージ・サービス」向けにレディー・メィドの携帯電話サービスを提供できる絶好のポジションにある。「ケーブル・テレビ会社は明らかに携帯電話サービスを求めており、合併新会社はパートナーを惹きつけることに間違いなく成功するだろう。」と合併新会社の会長に就任を予定しているネクステルのドナヒューCEOは強調している。

■生き残りを賭けた「規模」の確保と相互補完

 長期的な視点から、スプリントとネクステルは融合サービス市場において、自力でベル電話会社やケーブル・テレビ会社と競争ができる、というビジョンを描いている。合併によって十分な周波数を手に入れ、サービス提供地域を全米に拡大し、音声、データだけでなく第3世代携帯電話(3G)ネットワーク上でビデオさえも提供できる。しかし、目下の緊急課題は生き残りである、と前掲のビジネス・ウィーク誌は指摘している。トップのシンギュラー・ワイヤレスは合併で加入数4,900万となり、2位のベライゾン・ワイヤレスも4,400万の顧客を持つ。3位のスプリントは2,000万、5位のネクステルは1,500万で大きく水を空けられ、独力で存続するのは困難で、生残るためには合併を選択するしかなかったのだという。

 スプリントは携帯電話事業のほか地域及び長距離通信事業を運営しているが、長期的には規模の面で到底ベル電話会社に対抗できない。一方、ネクステルは米国の携帯電話会社の中で利益率が最高であるが、それに寄与するユニークなニッチ・サービスであるプッシュ・ツー・トーク(PTT:専用ボタンを押すだけで相手と通話や会議が出来る)は、競争他社の合併が進む中で同社を独立企業として存続させるには限定的過ぎる。結局、両社は合併し3,500万の顧客ベースによって、上位2社に何とか対抗できるビジネス・モデルを打ち出すことができた。スプリントは地域通信事業を分離し一般顧客部門に特化して、ネクステルが強いビジネス部門で補完することができれば経営基盤は強化される。両社の営業区域がほとんど重複しないのもこの合併のメリットである。

 前掲のビジネス・ウィーク誌によると、スプリントとネクステルの合併には、今後の新市場開拓においても相互補完のメリットが大きいという。例えば、スプリントの「ブースト・モバイル」のブランドで若者に人気の高いモバイル・ミュージック、ビデオおよびゲームなどの新無線データ・アプリケーションの立ち上げに関する革新的なノウハウが、ネクステルには必要だ。

 企業向け通信サービスの提供についてのネクステルの活動を支援することによって、スプリントはビジネス市場を拡大することが可能になる。スプリントの長距離ネットワークは、ネクステルの無線サービスの提供と相まって、新会社は顧客企業に対し、より完全なサービスを提供することができるようになる。

■ブロードバンドの導入で行き詰まったネクステル

 さらに、合併によってネクステルが抱えていた技術的問題も解決出来る。ネクステルのiDENではブロードバンド対応の技術が開発されていない。そのため、同社は2つの技術を評価したという(注)。一つは、フラリオン社が開発した「Flash-OFDM」である。この技術は、時々第4世代(4G)の技術として言及されることがあるが、ネクステルは小規模のフラリオン・ネットワークをノース・カロライナに設置してテストしていた。その結果、この技術はパソコンやラップトップではワイヤレス・ブロードバンドが十分に作動するものの、現時点では携帯電話サービスのサポートが十分でない、というのがその評価だった。

(注)Sprint and Nextel / And then there were four(The Economist / December 18th 2004)

 一方ネクステルは、3Gの技術であるCDMAバージョンのEV−DOも評価していた。EV−DOは既にベライゾン・ワイヤレスが商用でサービスを展開中である。スプリントも一時は躊躇していたが最近導入を明言した。ネクステルにとってEV−DOのメリットは、端末が既に存在していることであり、PTTサービスの機能を持たせることも可能なことである。ネクステルの顧客は、利用価値の高いPTTサービスを諦めることなく,低速のiDENから高速のEV−DOに移行が可能になる。ネクステルがスプリントのEV−DOに相乗りすることで、20〜30億ドルの投資の節減効果があるという。

■ネクステルが保有する潤沢な周波数は大きな魅力

 スプリントにとってネクステルの魅力はその保有する無線周波数である、と前掲のビジネス・ウィーク誌は指摘している。スプリントが現在保有する周波数では、今後成長が期待される音楽のダウンロードやビデオ・ゲーム、またその他のデータ・ヘビー・サービスを伝送するのに不足することは明らかだ。合併新会社の保有する周波数の容量は、シンギュラーやベライゾン・ワイヤレスに匹敵するという。ネクステルは最近、旧来からの周波数と高速ブロードバンド通信に適した周波数及び建物内の透過性の高い周波数とを交換する協定を連邦通信委員会(FCC)と締結した。この周波数の獲得によって、合併新会社は周波数の不足を解消できるとともに、企業構内と外出先での通信を同一端末で利用できる、新たな企業向けサービスに途が拓ける。

 一般顧客向け市場では、スプリント・ネクステルはケーブル・テレビ会社向け卸売りサービスでチャンスに恵まれそうだ。スプリントは従来からバージン・モバイルUSA、クエスト・コミュニケーションズやAT&TなどのMVNOに携帯電話サービスを卸売りで提供している実績がある。ケーブル・テレビ会社はブロードバンドで先行し、米国の96%の世帯にデジタル回線の提供が可能であり、現在ユーザーの6割を獲得している。通信と娯楽の融合サービスを提供するレースでは、通信会社に大きく差をつけている。しかし、最近ベル電話会社は超高速の光ファイバー・ネットワークを構築して巻き返しに出ている。ケーブル・テレビ会社は、携帯電話ネットワークを持っていないことが弱みとなる恐れがあることに気がついた。そこで、大手のコムキャスト、タイム・ワーナー・ケーブル、コックスやブライトハウス・ケーブルなどが、彼らのワイヤレス・オプションを評価するコンソーシアムを発足させた。彼らは、携帯電話会社の買収よりは、パートナーからワイヤレス・サービスを購入する方を選択するだろうとみられており、そうなればスプリント・ネクステルには大きなチャンスとなる。

 前掲のビジネス・ウィーク誌によれば、その保有するブロードバンド向け周波数によって、スプリント・ネクステルは、長期的にはベル電話会社及びケーブル・テレビ会社に対し、全面的に競争できる会社となるかもしれないという。合併新会社は、全米トップ・マーケットの85%(人口比)を、未開発の無線ブロードバンド向け周波数でカバーする最初の会社となる可能性がある。数年以内に、新会社はブロードバンドのパワーハウスを目指して、データ、IP電話及びビデオを融合したサービスを提供できるWiMAXバージョンのバリエーションの一つを全米で展開し、ケーブル・テレビ会社やベル電話会社に対抗する勢力となるかもしれない。

 このビジョンを実現するためには、多額の投資と新技術の急速な導入が必要となる。合併によってスプリントとネクステルは、さしむき、「時間」と恐らく大手の競争相手と対抗するのに十分な「規模」を買ったのだ。しかし、ベル電話会社が支配するテレコムの世界では、スプリントやネクステルのような下位の競争者は、依然として負け犬である。単独でも合併でも、厳しい競争に直面することに変わりはない、とビジネス・ウィーク誌は書いている。

■本格化する米国の3G導入

 米国の携帯電話業界も大型合併が一段落したことを受けて、3Gの本格的な展開に取り組む機運が高まってきたようだ。ウオール・ストリート・ジャーナルは、米国の3Gサービスはいくつかの大都市にようやく足場を築き始めた段階で、広く3Gサービスが利用できるようになるのは2006年以降になるだろうと書いている(注)

(注)3G is finally available in U.S.‐and spreading(The Wall Street Journal/17 January 2005)

 先頭を走るのは携帯電話事業第2位のベライゾン・ワイヤレスで、ニューヨーク、ロサンジェルス、ダラス、シカゴ及びアトランタなどの大都市を含む32都市で、同社の3GネットワークEV−DOによるサービス(BroadbandAccess)を開始している。3Gが利用可能な人口は7,500万人で、人口カバー率はおよそ4分の1である。今年末には3Gのカバー率を倍にする計画だ。現在(2005年1月)利用できる同社の3Gサービスは、ラップトップPCにデータ・カードを挿入して利用するデータ伝送に限られており、米国内利用無制限の料金は月額80ドルで契約数は約7万である。

 EV−DOの伝送速度は、条件の良い時で平均300〜500kbpsであり、DSLを利用したときの速度に相当する。EV−DO機能を内蔵している端末は、ベライゾン・ワイヤレスのより普及した携帯電話サービスである“1x”のネットワークでも利用可能であるが、スピードは落ちダイヤル・アップ接続の速度とほぼ同じになる。EV−DOを利用する場合の欠陥の一つは、欧州方式の3G技術UMTSとコンパチブルでないことだ。ベライゾン・ワイヤレスはユーザーが外国に滞在する場合、アクセスを提供するためのソフトウエアと海外利用専用のデータ・カードを導入する計画である。このサービスにはローミング料金が加算される。同社はまた、1枚でEV−DOとUMTSの両方が利用できるデータ・カード(GSMともコンパチブル)の提供を検討している。

 同社は最近「BroadbandAccess」に接続できる携帯電話/PDAの兼用機、Audiovox XV6600を発売した。マイクロソフトの「Pocket PC 2003 Phone Edition」に準拠しており、QWERTYキーボードを搭載している。2年契約の場合、価格は549.99ドルで、通常の料金プランに毎月45ドルを追加すれば、米国内利用無制限の高速データアクセスが可能となる。

 第3位の携帯電話会社であるスプリントは、今年EV−DOの展開を開始する。同社は現在、「ビジョン」と名づけられた低速のデータ・サービスを560万の顧客に提供している。しかし同社は、EV−DOサービスを今年の中ごろには人口1億2,900万人の地域を対象に利用できるよう計画しており 2006年にはスプリントのサービス提供地域ならどこでも(関連会社が提供するスプリントの20%のカバレッジ・エリアは除く)EV−DOサービスが利用できるようになる。同社はデータ・カードによるラップトップPC向け米国内利用無制限のウェブ・アクセスを、ベライゾン同様月額80ドルで提供するとみられている。

  一方、ベライゾン・ワイヤレスは、米国で最初の3Gによる一般顧客向けワイヤレス・マルチメディア・サービス「Vキャスト」を2005年2月1日から開始すると発表した。Vキャストは高品質のビデオ、3次元ゲームや音楽を、EV−DO網を経由して直接3G携帯電話機に伝送するサービスである(注1)。ベライゾンが初めて販売する3G携帯電話機はLG、サムスン電子及びUTスターコム製の3機種である(注2)

(注1)「Vキャスト」はベライゾン・ワイヤレスの通常のコーリング・プランに月額15ドルの追加で契約できる。「Vキャスト」の顧客は、有力なコンテント・プロバイダーが毎日アップデートして提供する300以上の広範なジャンルのビデオに無制限にアクセスできる。また、同社のモバイル・ウェブ2.0によるニュースと情報サービスを無制限にブラウジングし視ることができる。追加料金を支払えば、3次元ゲーム、音楽ビデオ及びその他のプレミアム・チャンネルを含むプレミアム・コンテントを選択して利用できる。(Verizon Wirelessのニュース・リリース / 2005年1月7日)

(注2)例えばLG製の3G端末 VX8000の主要な機能と価格は以下の通り。1.9GHzと800MHzのデュアル・バンドに対応、英語とスペイン語のユーザー・インターフェイス、画素数1.3メガのカメラ(フラッシュ、セルフタイマー付き)、Openwave Wap 2.0のウェブ・ブラウザー、15秒間のビデオ・メッセージの発着信、マルチメディア・メッセ−ジング・サービス(MMS)対応、「V CAST」対応、パーソナル・オーガナイザー、3人までの電話会議。重量110g、バッテリー容量は通話時280分待ち受け時185時間。価格は2年間契約の場合(70ドルのリベートを除き)199.99ドル。なお、SCH‐a890(サムソン)は249.99ドル、CDM8940(UTスターコム)は229.99ドル。

VX8000/SCH-890/CDM8940

 業界トップのシンギュラーは現在、サンフランシスコ、デトロイト、フェニックスおよびシアトルを含む全米6都市で3Gサービスを提供しているに過ぎない。しかし、同社は全米主要都市のほとんどを、2006年末までにカバーするよう計画している。また、同社のネットワークはUMTSベースであることから、シンギュラーが国際ローミング協定に調印すれば、顧客の端末がそのまま海外でも利用できるようになる。

 スプリントとの合併に合意したネクステルの顧客は、ネットワークの統合で先に述べたようにスプリントのEV−DO網を利用することになる。合併新会社スプリント・ネクステルはWiMAXの全国展開に強い関心を持っている。ネクステルはWiMAXに適合する周波数帯域を保有しており、標準化の終了を待って展開を開始できるよう、システムの開発に取り組んでいる。

 規模は小さいが高成長、高利益、高い顧客満足度を誇る現在第4位のT−モバイルUSAは、ユニークな戦略をとろうとしている。高速データ伝送は専らWi−Fiに依存しており、今後もそれを継続する考えだ。現在、同社のWi−Fiホットスポットは、スターバックス・コーヒー店や空港のラウンジなどに展開されており、既に5,000ヵ所を超えている。同社は、3G技術はどちらかといえばいまだ未成熟との認識を持ち続けており、少なくとも今後2年間は3Gネットワークを導入する計画は無い、という見解を最近も表明している。当面は、現行のGSM網をEDGE技術でアップグレードする取り組みを推進するという。

特別研究員 本間 雅雄
▲このページのトップへ
InfoComニューズレター
Copyright© 情報通信総合研究所. 当サイト内に掲載されたすべての内容について、無断転載、複製、複写、盗用を禁じます。
InfoComニューズレターを書籍・雑誌等でご紹介いただく場合は、あらかじめ編集室へご連絡ください。