2005年5月号(通巻194号)
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世界の移動・パーソナル通信T&S
<トレンドレポート>

iPod携帯電話の発売は何故延期されたか

 アップル・コンピューターの「すぐれもの」のデジタル音楽プレイヤー、iPodとモトローラの携帯電話技術とを組み合わせたiPodフォンが近く発売されるとみられていたが、2005年3月中旬に急遽延期が発表された。この背景に何があったのか、音楽のダウンロード市場をめぐる熾烈な主導権争いと携帯電話会社の戦略をレポートする。

■iPodフォンを巡り携帯電話会社との対立深まる

 モトローラはiPod携帯電話機を2005年3月中旬のニュー・オーリンズで開催された全米携帯電話産業協会(CTIA)の大会で発表する計画だったという。しかし、同社のZander社長は、詰め掛けた満席のアナリストや記者の前で、製品を市場に出す時期を延期したいと語った。ベライゾン・ワイヤレスやシンギュラー・ワイヤレスなどの大手携帯電話会社からの支持が得られなかったことが発表の延期につながった、これまでのところ、これらの携帯電話会社はiPod携帯電話の導入に乗り気でなかった、とビジネスウイーク(BW)誌(注)は報じている。

(注)Major hangups over the iPod phone (BusinessWeek / April 4,2005)

 この衝突の背後には、携帯電話で扱う音楽の将来に関する二つの大きく異なった見方がある。モトローラとアップルは、既に所有しているデジタルの楽曲を顧客の携帯電話機に取り込むのはタダでよいと考えている。これでモトローラの携帯電話がもっと売れるようになるかもしれないし、アップルはデジタル音楽のダウンロード市場における独占的シェアをさらに高めることが出来るかもしれない。一方、ベライゾンやシンギュラーおよびその他の携帯電話会社は、楽曲の断片であるリングトーンに対し、顧客に現在99セントから3ドルも支払って貰っているのだから、フルの楽曲を携帯電話機に取り組むことについても同様にお金を払って貰いたいと考えている。

 コンサルタント会社のA.T.カーニーによると、携帯電話会社はブームになったデジタル音楽市場をハイテク・プレイヤーに譲ることになる事態に関心が低いという。デジタル音楽市場の将来を考えると、アップルが先頭かつ中心におり、アップルは携帯電話会社が喜んで手を組む相手ではなく、むしろ拒絶されるべき競争者である、と語っている。

 問題はアップルとモトローラが、iPodフォンで携帯電話会社に何か利益をあげる余地を残しているかである。パソコンにつないだ架台にのせるだけで携帯電話機に音楽が詰め込まれる。音楽は携帯電話会社のネットワーク経由で端末に送られることはない。だからここには、共有すべき大きな利益もない。顧客はアップルのiTunesミュージック・ストアからインターネット経由で楽曲を1曲99セントで購入する。しかし、レコード会社その他に支払った後のアップルの利益は僅か4セントに過ぎない。アップルでもiTunesはブレーク・イーブン(収支トントン)のビジネスでしかない、と前掲のBW誌は書いている。

 このようなアプローチは、大手携帯電話会社にとって歓迎すべきものではない。そして、大手携帯電話会社はいかなる携帯電話機の販売も妨害することが出来る立場にある。ベライゾンやその他の携帯電話会社は、顧客に販売している携帯電話機に販売奨励金を出しているのが一般的である。携帯電話会社は、モトローラやその他のメーカーから仕入れる価格より200ドル程度低い価格で、携帯電話機を小売している。そこで、携帯電話会社は自社にとって経済的に存立可能な方法を考え出す必要に迫られている。

 米国の携帯電話会社が見習うことが出来る一つのやり方は、欧州で確立されたモデルである。欧州では、ボーダフォン、オレンジおよびmmO2などの携帯電話会社は、自社のミュージック・ストアを立ち上げ、音楽トラックを携帯電話網経由で顧客の携帯電話機にダウンロードさせている。携帯電話会社は、顧客が支払う1曲当り2.8ドルのうちのいくらかを手に入れる。携帯電話会社は顧客と加入契約を結ぶことも出来る。この場合は、月額10〜15ドルの定額料金で数千曲にアクセス出来る。(前掲BW誌による)

 米国の携帯電話会社は、自分自身をデジタル音楽における主要なプレイヤーとして位置づけ、アップルから主役の座を奪いたいと思っている。彼等の理想的シナリオは、顧客が自分の携帯電話機をデジタル・ジュークボックスとして利用し、移動中に音楽を聴くためにヘッドフォンをプラグ・インし、自宅ではステレオ・スピーカーに装着されている架台に差し込み音楽を楽しむことである。これに対して、アップルやモトローラは反対するかもしれないが、携帯電話会社は音楽をダウンロードできる携帯電話機を、彼等のルールで製造し販売するのをいとわない携帯電話機メーカー(多分サムスンやLGのような意欲的なアジアのプレイヤー)から買うことが出来る。スイート・スポットはモビリティと音楽にあると携帯電話会社は主張している。

 アップルとモトローラにも選択肢がある。シンギュラーやベライゾンのような大手がiPodフォンを売らないとしても、T−モバイルのようなより規模の小さなライバルが、携帯電話業界のリーダーの地歩獲得を目指してiPodフォンを売り歩くかもしれない。しかし、大手携帯電話会社との対立を避けたいモトローラは、携帯電話会社がデジタル音楽のダウンロードから利益をあげる方法を見出しつつあり、2005年夏には携帯電話会社の協力を得てiPodフォンの発売を開始したい意向だという。

 アップルとモトローラのもう一つのオプションは、携帯電話会社を完全にバイパスして、小売店か彼等のウェブ・サイトでiPodフォンを販売することである。この場合の問題は携帯電話会社から端末の販売奨励金を得られないことであり、顧客が全額を支払わねばならとすれば、その金額は500ドルとなると見込まれる。500ドルで携帯電話機とiPodの両方が買えるというのに、誰がiPod携帯電話機を500ドルで買うのか、と前掲のBW誌は書いている。

■独自の音楽サービスか、提携か

 携帯電話会社は最近のリングトーンの予想を超えた普及と成功に驚いている。音楽をダウンロードできる携帯電話機の開発に携帯電話会社が意欲的なのも、この成功体験が下敷きになっているからだ。「我々は音楽で大きなインパクトを与える巨大な機会に恵まれている。」とベライゾン・ワイヤレスのCEOはBW誌上で語っている(注)

(注)Wireless outfits will face the music(BusinessWeek online / April 15.2005)

 しかし、その機会は巨大ではないかもしれない、と同誌は次のように指摘している。音楽のダウンロード市場でシェア70%超を占めるアップルに尋ねてみるがよい。iPodミュージック・プレイヤーでは健全な利益をあげているが(注)、iTunesミュージック・オンライン・ストアが維持可能なレベルの利益をあげるまでには、アップルはほぼ3億曲を売らなければならなかった。それでも利益率は4〜5%に過ぎない。携帯電話会社が独自の音楽サービス網を今後数年間に構築しようとすれば、多くの時間と費用を費やすことになるだろう。結局、その多くは失敗に終わるのではないか、特に 米国においてはその可能性が高い。

(注)iPodはアップルを再活性化させるのに貢献した。2004年第4四半期の売上げは12.1億ドルで同社の売上げの3分の1を占める。また、iTunesミュージック・ストアからダウンロードされた曲は3億に達した。(Apple’s iPod faces challenge from cellphones:The Wall Street Journal / 11 April 2005)

 携帯電話会社には音楽を売りたい多くの戦略的な理由がある。1加入当りの売上げを増加させたいし、顧客に他のサービスを販売する手助けになるかもしれない。しかし結局、多くはアップルやその同類を受け入れることになるだろう。そうなれば、携帯電話会社が独自の音楽帝国の構築にトライして生じる損失を削減でき、音楽のパートナーのお陰でコアビジネスに集中できれば、もっと多くの加入者と契約できるかもしれない。SBCがヤフーとブロードバンドで提携することによって、何百万ものDSL加入者を獲得したケースに学ぶべきである、というのが前掲のBW誌の見方である。

 これらのことが既に起きているかもしれない徴候がいくつも存在するという。何ヵ月もの間、携帯電話会社は、楽曲を電波にのせて顧客に直接配信するワイヤレス・ミュージック・ストアの計画を策定していた。しかし最近、携帯電話会社の幹部の何人かは動揺している、と前掲のBW誌でナプスター(米国第2位の音楽ダウンロード・ストア)のCEOは指摘したうえで、「我々と携帯電話会社との議論では、彼らは当初独力でやると話していたが、その後それが如何に難しいかに気付いている。」と語っている。

 音楽のダウンロードは楽なビジネスではない、と前掲のBW誌は数字をあげて説明している。携帯電話会社のレコード会社に対する支払いはリングトーンでは1曲数十セントだったが、フルの楽曲では1曲65セントである。しかし、リングトーンは顧客に2ドル以上の料金で販売できたが、オンライン・ミュージック・ストアではほとんどの楽曲が99セントである。要するに、利益率は各段に低い。それに、ネットワークの容量の問題もある。ほとんどのリングトーンは30キロバイト以下であるのに対して、楽曲は3〜4メガバイトである。そのため、リングトーンで利益をあげるためにいくら努力しても現在の携帯電話網が混雑することはないが、楽曲の配信の容量を確保するためには携帯電話会社は巨額の投資を必要とするだろうという。

 アップルのスティーブ・ジョブCEOは、レコード会社はiTunesの1曲99セントの価格で納得していると確信しているという。アナリストは、このうちおよそ65セントはレコード会社に、12セントはアーチストと作曲者に、6セントはクレジット会社に支払われているとみている。多数のサーバーの設置、能力のある技術専門化の雇用、顧客サポートなどアップルがオペレーションに使える金額は1曲当り10セント強でしかない。だから、市場のドミナント・リーダーであるアップルといえども5%の営業利益をあげるのがやっとだとみられている。

 携帯電話会社は、音楽愛好家のために設計された電話機(そのうちのいくつかには高価なハード・ディスク・ドライブとステレオ・スピーカーが組み込まれる)のコストを補填するために必要な多額の投資を迫られるだろう。しかし、携帯電話会社はこれまで基本的な接続サービス以外のことで強い自信を見せたことはないという。このことが、電話会社が何年間もかけて独自のポータルを構築することを試みたにもかかわらず、今でも多くの人がヤフー、やAOL(最近ではグーグル)などを利用している理由である。

 事実、楽曲の提供などの大部分がLoudeye(衛星経由の音楽配信サービスを手がける)のようなサード・パーティ企業へのアウトソーシングであるとすれば、携帯電話会社はこれが自分達の強味ではないことを知っているからではないか。アウトソーシングはよいとしても、アウトソースする側は儲からなければならない。一方、アップルはこれにお金を支払う必要がない。さらに、アップルは現状にとどまることなく、さらに進化を遂げるだろう。すでに、iPodやiTunesに対する需要の増加が続くことを睨んで、アップルは事業の重点を需要の拡大から利益の確保に移しているとい

 ダウンロード方式のデジタル音楽が主流になるのが本当なら、携帯電話会社はこの効率化の戦いに勝利するだろうという人達もいる。結局、携帯電話会社は巨大で、事業が軌道に乗るまでの赤字に耐えられ、薄利でも生残ることができるだろうからだ。今やウオールマートがCDの販売を独占しているように、携帯電話会社もこの問題を解決するかもしれない。例えそうでも、それには何年もかかるだろうし、その時までにアップルはどれだけ他をリードしているのかということもある。アップルは2005年4月13日には、第1四半期のiPodの販売が前年同期比558%増加して430万台となったこと、及びiTunesのダウンロード数が過去の四半期で最高を記録したことを明らかにしている。

 しかし、これらのすべての経済的議論はより重要な点を見逃している、と前掲のBW誌は指摘している。大部分の消費者は彼等の音楽生活を彼等の携帯電話の周辺に集中させたくないと考えている。確かに、音楽生活の中心が携帯電話でよいという人達もいる、とくに時々歌を聴きたくなる気まぐれな人達である。しかし、携帯電話は消費者の音楽経験の基礎となるには似つかわしくないという。

 携帯電話会社は彼等の音楽サービスを、彼等が現在行っている業務の範囲内に限定することにした、つまり音楽を電波で配信することにしたので、種々のデバイスに配信するのが難しくなりそうだという。その結果、米国の大手の携帯電話会社が提供を予定している最初の音楽配信サービスは、1曲2ドル(iTunesの2倍)以上の料金とみられ、恐らくダウンロードした携帯電話機でしか聴くことが出来ないのではないかとみられている(注)

(注)iTunesミュージック・ストアでは、パソコン間のコピーは最大5回、パソコンからCDには最大7回に制限しているだけで、iPodへの転送は何回でも出来る。(混迷のデジタル著作権 日経ビジネス / 2005年2月14日)

 もう一つの問題は、数時間しかもたないバッテリー・ライフである。しかし、最初の製品は時とともに改善される。携帯電話機の記録容量が拡大され(注)、バッテリー・ライフも長くなり、インターフェースも改善されるだろう。ノキアはマイクロソフトおよびLoudeyeと提携して、顧客に2つの音楽トラックのコピーを送信する技術を携帯電話会社に提供している。1つは携帯電話機に送られるが、それを他のデバイスに移すことは出来ない。もう1つは複製防護のバージョンで、こちらはパソコンに送られる。ノキアはこの面倒な取り扱いを止めるため、顧客が複製防護バージョンの楽曲を電波で携帯電話機に直接ダウンロードし購入できるようにする。顧客は自由に(私的利用の範囲で)他のデバイスに移して楽しむことが出来る。mmO2やボーダフォンが近くこの技術を採用するだろうという。しかし現時点では、デバイスの多くはパソコン中心の音楽サービス、iTunesやNapsterに接続されている。音楽のダウンロード市場では、誰も高いお金を払って携帯電話から音楽を取り組みたいと思わないのではないか、と前掲のBW誌は指摘している。

(注)ハイエンドの iPodは最大15,000曲蓄積できる。これに対し、モトローラのiPodフォンは500曲、ソニー・エリクソンのウォークマン携帯電話機(W800)は250曲である。東芝とサムスン電子が0.85インチのハードディスク駆動装置(HDD)の量産を近く開始する。携帯電話機への組み込みを想定しており、ディスクと周辺装置を合わせた大きさは500円玉(2.5センチ)程度で、記憶容量は4ギガバイト。通常の携帯電話機ではフラッシュ・メモリーが主流で、最上位機種でも本体の容量は30メガバイト程度である。

 それでは携帯電話会社は何をすべきかなのか。前掲のBW誌の提案は以下の通りである。携帯電話会社の自前の音楽ダウンロード・ビジネスに関しては、アップル、ナプスターおよびマイクロソフトなどと提携した方がよい。コンシューマーの観点からすると、iTunesなどでダウンロードした楽曲を蓄積できる携帯電話機を持つことは素晴らしいことだ。しかし、携帯電話会社は収入が欲しいだけで、まったくこのことに関心がない。携帯電話会社がこのような狭い視野しか持っていないのは不幸なことだ。また、携帯電話会社は音楽サービスの加入ビジネスにもっと関心を持つべきである。さらに、時たま利用する音楽リスナーにもっとアピール出来るかもしれない。彼等は月額5〜10ドルで彼等の携帯電話機に音楽をストリーミングするサービスを歓迎するのではないか。このサービスはデジタル音楽ファイルのダウンロードではないので、ネットワークを混乱させる可能性も小さい。

■将来はユニバーサル・ジュークボックス?

 2005年4月20日にモトローラは第1四半期の決算(注1)を発表したが、その際iPodフォンを今後数ヵ月以内に出荷すると語った。また、ビジネスウイーク誌(注2)はこの夏までに少なくとも携帯電話会社の1社がiPodフォンの販売を始めるだろうとモトローラが語ったと書いている。携帯電話会社は、ワイヤレス・ダウンロード(現時点では携帯電話機でしか再生できない)を1曲2ドル以上としたい意向で、音楽を何時でも何処でも聴ける手段は携帯電話以外にないから、その便利さに対するプレミアム料金を少なくとも当初は課すことが出来る、と説明しているという。

(注1)Motorola]CEO:iTunes phone coming soon(The New York Times online / April 21,2005) モトローラの2004年第1四半期の売上高は前年同期比9.7%増の81.6億ドル、営業利益は26.3%増の8.7億ドルと好調だった。売上の54%を占める携帯電話端末部門は、Razrシリーズなどの成功で売上高は6%増の44億ドル、全世界への出荷台数は前年同期比13%増の2870万台、シェアは17.1%(1.4%増、世界第2位)だった。

(注2)iPod killers? New rivals take aim at the champ(BusinssWeek / April 25, 2005)

 前掲のビジネスウイーク誌(2005年4月25日)は、ダウンロードした楽曲を携帯電話機から他のデバイスへ簡単に移すことが出来る(その逆も同様に)ようになれば、携帯電話向け音楽のダウンロードは将来大きな市場になる可能性があると指摘している。現在、マイクロソフト、デジタル・メディアのスペシャリストLoudeyeおよび新興音楽企業のMelodeoは、楽曲を簡単かつ安全に他のデバイスに移すことが出来る複製防護の技術を開発中だという。

■ビジネスウイーク誌(2005年4月25日)による音楽のダウンロード市場の発展段階

リングトーン・マニア:1〜3ドルのリングトーンは今や金の鉱脈となった。2004年に58億ドルだった市場は2008年には94億ドルに成長する見込み。
壁に囲まれた庭園:2004年、欧州の携帯電話会社のオレンジやボーダフォンは1曲2.8ドルで、完全な楽曲のダウンロード販売を開始した。現在、これらの楽曲を他のデバイスに移すことは出来ない。米国の携帯電話会社は同様のサービスを、欧州より幾分安い料金で導入したい意向である。

束縛のないダウンロード:携帯電話会社は顧客に彼等の携帯電話機を介して音楽の配信を開始し、次いでその楽曲を他のデバイスにも移せるようにしたい意向。韓国のSKテレコムは同様のダウンロード・サービスを1曲50セントで販売中であり、O2ジャーマニ−も2005年末に同様サービスの開始を計画している。
音楽のストリーミング:米国の大手携帯電話会社の中で、スプリントは唯一音楽の24時間ストリーミングを提供している。月額5.95ドルの低料金で、顧客はラジオのように番組化された音楽6チャンネル(1980年代のヒット曲からカントリー・ミュージックまで)の中からを選択する。新興企業は衛星ラジオを携帯電話に配信する技術を開発中である。

ユニバーサル・ジュークボックス:2004年11月に韓国のSKテレコムは、将来の携帯電話向け音楽配信はかくあるべしといったサービスを導入した。メロンと呼ばれる月額5ドルのサービスで、70万曲を持つライブラリーから携帯電話機に無制限のダウンロードが出来る。現在利用者は30万加入である。米国のサービスと異なり、顧客は新曲をパソコンなしでも入手出来る。これにはゲームのやり方を根本的に変えてしまう可能性がある。欲しい音楽を何時でも何処でも、年額60ドルで誰もが手に入れることが出来るのだから。

iPodのライバルとなる携帯電話機
(前掲ビジネスウイーク誌による)

SAMSUNG SGH−I300
〈SAMSUNG SGH−I300 〉
450〜500ドル
SONYERICSSON W800
〈SONYERICSSON W800〉
300ドル
  • 3ギガバイトのハードディスク内蔵
  • 1000曲蓄積可能
  • ナビ・ダイヤル、iPod並みの音質
  • 米国での発売は、早くても年末
  • キーパッド・ボタンが狭すぎるかもしれない

  • 「いかす」デザイン
  • 少なくとも250曲蓄積の容量
  • バッテリーはiPodミニと同等、200万画素のカメラ
  • ワイヤレス・ダウンロードしか出来ない
  • 接続できないオンライン・ストアがある
MOTOROLA E680i
〈MOTOROLA E680i〉
400〜600ドル
NOKIA  7710
〈NOKIA 7710 〉
500〜600ドル
  • 最大600曲蓄積のメモリーカード
  • ステレオ音質のスピーカー。
  • MP3およびマイクロソフトとリアルネットワークの音楽ファイルに対応。
  • 格好の悪い形とさえないグレィのデザイン、低解像度のカメラ。
  • 広く明るいカラー・スクリーン
  • 各種音楽ファイルに対応、拡張可能なメモリーに300曲蓄積出来る。
  • キーパッドがなくスタイラスだけで操作、通話時にスクリーンに顔がくっつく。

特別研究員 本間 雅雄
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