2012年2月3日掲載

2011年12月号(通巻273号)

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コラム〜ICT雑感〜

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 2011年11月14日、昨年の事業仕分けで物議を醸した次世代スーパーコンピュータ(通称スパコン)「京」は計算速度で6月に続いて2期連続で世界一になった。さらに、18日スパコン分野のノーベル賞ともいえる「ゴードン・ベル賞」の最高性能賞を受賞した。だが、今年も国会版事業仕分けで予算要求の縮減、または組み替え、見直しの方向だという。昨年、事業仕分けされた後に、小惑星イトカワから帰還した「はやぶさ」は多くの人々にも感動を与え、映画化されるほどの出来事になったことは記憶に新しい。その後継機となる小惑星探査機「はやぶさ2」計画についても延期になりそうな気配だ。これらの事業は、未来への投資と考えるべきであり、日本の科学技術は一流であることの証であり、今現在でも日本ブランドを高める効果があるはずだ。

 未来への投資といえば、教育面も気になるところである。文部科学省調査による「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」(平成23年8月)では、コンピュータ1台当たりの児童生徒数、普通教室の校内LAN整備率などのインフラ整備の面、授業中にコンピュータや電子黒板を活用して指導する教員のICT活用指導力の面において、地方の都道府県の方が高い。1台当たりの児童生徒数では全国平均が6.6人、都道府県別では鹿児島県(4.5人)、長崎県(4.7人)、山梨県(4.7人)が上位3位を占め、教員指導力については、調査18項目のうち「授業中に活用して指導できる」と答えた教員は全国平均で62.3%、都道府県別では三重県(84.8%)、愛媛県(82.5%)、高知県(77.9%)とやはり地方が上位3位を占めている。今、注目したいのは、教員のICT活用指導力を取り上げていることである。指導力には主観的なものも含まれているであろうが重要なファクターであることには違いない。

 世界で最も質 の高い生活を送れる都市ウィーン米コンサルタント会社マーサーは世界221都市の「生活の質ランキング」を発表。世界で最も質の高い生活を送れる都市としてウィーン(写真:筆者写す)が3年連続で1位になった。2位はチューリッヒ、日本では東京46位、神戸49位、横浜49位、大阪57位、名古屋60位。政治や経済、治安状況や公共交通、自然災害の有無など39のチェック項目からなる調査で評価されている。イメージにあった順当な評価かもしれない。変わったところでは、汚職・腐敗防止のために活動する国際非政府組織(NGO)、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が12月1日発表した2011年の世界汚職ランキング最下位はソマリアと並んで北朝鮮。逆に清潔とされたのはニュージーランドが6年連続で1位をキープ、日本はドイツと並び14位。これらは何となくイメージと合っているように思える。

 これから注目されそうな指標はブータンが採用している幸福度(GNH)のように生活の質に焦点を当てたものになるだろう。日本でも「幸福度指標」を作成する方針のようだ。

社会公共システム研究グループ 常務取締役 煖エ 徹

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