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InfoComモバイル通信T&S

2014年4月号(通巻301号)

サービス関連(通信・オペレーション、製品・端末、コンテンツ・放送、その他)

  • P2P利用が可能なメッセンジャーアプリ「Firechat」
  • Global Citizensを創るGoogleのビッグデータ
  • 米国における有線電話網のIP化実験:
    「第4のネットワーク革命」の実現を指向

■P2P利用が可能なメッセンジャーアプリ「Firechat」

WhatsAppやLINEなどメッセージや写真のやりとりができるメッセンジャーアプリは数多く存在しているが、最近海外では「Firechat」というiOS向けメッセージングアプリに注目が集まってきている。本原稿執筆時点で、Firechatが提供しているものはテキストや写真の送信のみであり、その他のメッセンジャーアプリと比較するとやや見劣りする。そうであるにもかかわらず、このアプリに注目が集まっているのは、3GやLTEといったセルラーネットワークが利用できない状況にあっても、その他ピアツーピアのWi−FiやBluetoothを利用して、付近の利用者間同士でメッセージのやりとりが可能である点にあると考えられる。本稿では、Firechatのアプリを紹介するとともに、このようないわば簡易の「メッシュネットワーク」といえるようなセルラーネットワークを介さないアプリについて考察する。

■Global Citizensを創るGoogleのビッグデータ

Googleは2014年2月20日、Google Researchのサイト上で、世界の森林の現状を監視するオンラインシステム「Global Forest Watch(GFW)」を公開すると発表した。このGFWは、Googleのほか、世界資源研究所(World Resources Institute:WRI)(注)を含む約40程度の環境団体と共同で開発されたシステムである。Googleは、Google EarthやGoogle Mapsの技術を基に、米航空宇宙局(NASA)の衛星「ランドサット」の高解像度画像をビッグデータとして活用することで、世界の森林の現状をより精緻に、おおよそリアルタイムに公開する。そこで本報告では、このGoogleならではのビッグデータを活用したGFWについて報告する。

■米国における有線電話網のIP化実験: 「第4のネットワーク革命」の実現を指向

米国ではFCC(米連邦通信委員会)が銅線(メタル回線)を使用した従来の公衆電話交換網(Public Switched Telephone Network、以下「PSTN」または「電話網」)のIP(Internet Protocol)化に関する調査に2009年末に着手して以来、従来のTDM(時分割多重)の電話網のIP網への移行が注目されてきた。しかし、電話網のIP化やアクセス回線の無線化は、規制当局の定めた規則に妨げられてほとんど進んでいない。一方、我が国でも、NTT東西が2010年11月に「PSTNのマイグレーションについて〜概括的展望〜」を公表し、2020年頃からPSTNのIP網への計画的な移行を開始し、2025年頃に完了させるスケジュールを発表した。また、総務省の「電話網移行円滑化委員会」は、2011年末に報告書「電話網からIP網への円滑な移行について」をまとめている。

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