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2011年1月12日掲載 |
2010年1月12日にハイチでM7.0の大地震が起きてから、1年が経つ。 ハイチの携帯電話事情と、携帯電話を用いた募金についての考察を行う。 ハイチ概要 1804年、フランス革命に触発されて、世界初の黒人共和国としてフランスから独立。ヴードゥーというアフリカから奴隷で連れてこられた人々の末裔の土着の信仰もある。ただし、独立後の歴代指導者は西洋国家に認めてもらうためにもキリスト教を推奨し、ヴードゥーを否定してきた。
(基礎データ)
首都:ポルトープランス 人口:約1,000万人(約90%がアフリカ系) 面積:約27,750km²(九州より若干小さい) 言語:フランス語、クレオール語 GDP:115億ドル(一人当たりGDP:1.3ドル) ハイチ携帯電話市場簡易概略 携帯電話加入者は約355万人。携帯電話加入率は、約35%(2010年9月)
3. Haitel
携帯電話を用いた募金ハイチ大地震の後に、日本でもKDDIやソフトバンクがユーザへ募金活動を行った。デジタルコンテンツ(待受画像)を購入することによって、その費用が募金されるという仕組みだ。費用は携帯電話料金と一緒に請求される。日本では、宮崎県の口蹄疫被害の際も同様の募金がキャリア主導で実施された。 アメリカでは2010年1月17日、携帯電話関連のNPO「Mobile Giving Foundation」は携帯電話経由の募金総額が1600万ドルを突破したと報道があった。携帯電話から、所定の文字列を所定の番号にSMS(ショートメッセージ)で送信し、1口5ドルまたは10ドルを手軽に寄付することができる。募金額は携帯電話の利用料と共に請求される。 また、アメリカ赤十字も同様のSMSでの募金サービスを実施し、2日で500万ドルの募金があったと報道された。こちらも同様に携帯電話料金と共に請求される。 これらの団体はハイチ大震災以外にもいろいろと募金を募っている。SMSで携帯電話と一緒の請求となるので、日本に住んでいて日本のキャリアを利用しているユーザは残念ながら利用できない。 日本にもDFFが運営する「クリック募金」というサイトがあり、携帯版もある。ユーザはクリック(無料)することでスポンサー企業がクリック数に応じて募金する仕組みだ。 携帯電話なら小額でも簡単に募金ができて、多くの人が集まりやすい。またSMSは世界のほぼ全ての端末でも利用できるし、携帯電話料金と一緒の支払いだから利便性も高い。 ハイチでは未だに住居がなく路上生活をしている人が多い。被災に遭われた方々のご冥福と早期の復旧と生活向上を祈願する。 なお、現在でもユニセフでは下記サイトから募金を行っている。ハイチ以外にもパキスタン洪水被害やアフガニスタン復興支援の募金も行っている。(但し携帯電話での募金でなく、クレジットカード、インターネットバンクまたは郵便振り込みになる)
(ユニセフ ハイチ地震復興支援募金サイト) 【参考動画:Digicel Haiti Relief Fund の活動紹介動画】 (以下は3キャリアのテレビ広告) 【参考動画:Digicel Haitiのテレビ広告】 【参考動画:Voilaのテレビ広告】 【参考動画:Hitelのテレビ広告】 ※本レポートは携帯電話を用いた募金の現状を伝えるものであり、寄付を強要するものではありません。 |
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