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2011年1月24日掲載

スターバックス、アメリカでモバイル決済開始

グローバル研究グループ 佐藤 仁
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 2011年1月19日、米国スターバックスはユーザがスマートフォンを利用して代金を支払うことができるサービス「Starbucks Card Mobile App」を全米の店舗で開始すると発表した。

 同社は、シアトル、ニューヨーク、シリコンバレーの一部の店舗で2009年9月からトライアルを実施していた。今後は全米6,800店のスターバックスショップおよび大手ディスカウントストアTarget内にある1,000店以上のショップで利用可能となる。

 ユーザーはiPhone、iPod Touchまたは16機種のBlackberry端末に専用アプリケーションを無料でをダウンロードして利用する。NFC対応端末である必要はない。
そして、アプリケーションをインストールした端末上に表示されるバーコードをレジに設置されたスキャナーにかざすと、利用者のスターバックス・アカウントから代金が引き落とされるという仕組みである。(下記動画参照)

 このサービスは米国スターバックスのスターバックス・カードと連動しており、ユーザーはポイントの確認、クレジットカードからの入金、残高確認ができる。iPhoneではPayPalも利用できる。

 同社によると、米国スターバックスの利用者の3分の1以上はスマートフォンを所有しており、そのうちほぼ4分の3はiPhoneまたはBlackberryとのこと。
また、5回に1回の支払いはスターバックス・カードで行われており、2010年にカードに入金された金額は、2009年から21%増加して約15億ドルに達したとのことである。なお、Android端末用のアプリは現在開発中だという。WindowsPhoneについては未定とのこと。
 調査会社comScoreによると2010年11月に米国のスマートフォン販売において、Android端末販売数がiPhoneを抜き2位になったから、Android対応は急務となるだろう。(スマートフォンOS販売台数比率:Blackberry 33%、Android26%、iOS25%)
 アプリケーションが利用可能な端末は限定されているがNFC対応端末である必要はないこと、アメリカのスターバックスユーザーの利用している多くのスマートフォンに対応していること、リアルに利用できる店舗だけで全米に7,800店舗以上あることから普及のスピードも速いのではないだろうか。

 このシステムは現在のところアメリカのスターバックスのみで利用可能である。日本のスターバックスでは利用できない。日本のスターバックスにもスターバックス・カードというプリペイドカードはあるが、これも日本でしか利用できない。
スターバックスは2011年1月現在、世界35カ国で展開している。2011年1月13日には、ついにインドへの進出に向けて、インドタタグループ傘下のタタ・コーヒーと提携を発表したばかりだ。

 今後は全世界のスターバックスで携帯電話を用いての支払いが利用できるようになってもらいたい。スターバックスは欧州の一部の国では反グローバリズムの象徴とされることもあるが、世界中でどこでも安心して利用できる。為替や商習慣、システムが異なるから簡単にはいかないだろうが、全世界のスターバックスで共通のアプリケーションを利用しての携帯電話で支払いができるようになれば利便性も高いだろう。

 余談だが、2011年1月5日スターバックスは新しいロゴを発表した。(下記動画参照)

【参考動画:Starbucks Card Mobile利用シーン(商用後)】

【参考動画:Starbucks Card Mobile利用シーン(トライアル時の2009年9月)】

【参考動画:Starbucks 新ロゴ】

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