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2011年5月11日掲載

2011年東日本大震災デジタルアーカイブ:ハーバード大学の取組み

グローバル研究グループ 佐藤 仁
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 2011年3月11日発生した東日本大震災時およびその後のデジタル情報を保管することを目的として、ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所が中心となって「Digital Archive of Japan's 2011 Disasters(2011年東日本大震災デジタルアーカイブ)」を設立した。

 2011年3月11日の東日本大震災は後年の歴史上にも残ることだろう。その時のオンラインでの情報発信、やり取り、デジタル記録がアーカイブとして保管されることになる。

 同サイトでは、震災時および震災後のデジタル情報を日本語、英語だけでなく中国語、韓国語および世界中からの情報も収集しデジタルアーカイブとして保管する。
同研究所では、「この情報をできるだけ広く公開し、震災とその後の経過を長期にわたって分析できるよう関与していきたい」とコメントしている。

 ユーザは、Web上またはメールにて情報を送付することができる。
Webでは、デジタルアーカイブへの収録を推薦できるオンライン資料のURLをWeb上から送信することができる。メールでは、震災に関連する電子メールでの連絡(例えば、日本の被災地にいる人々が交換していた情報など)をメールで提供できる。その場合、文脈がわかるような情報(例えば、誰がいつどこでその記録を作ったか、など)を出来るだけ多く含めてほしいとのこと。

 この取組が日本の大学や関係機関でなく、アメリカのハーバード大学で実施されることも注目に値する。

 現在もまだ続いている震災後のデジタル情報でのやり取りがデジタルアーカイブとして後年の歴史資料として分析され、ハーバード大学に保管され世界に公開されることになる。膨大な情報量になることだろう。それらの情報を収集し、繋ぎ合わせる努力をしているハーバード大学に敬意を表したい。これは歴史的なライフログになるだろう。今後、東日本大震災のデジタルアーカイブが世界で分析され、有効活用されていくことに期待したい。
我々はまさに歴史の証人になろうとしているのだ。

 最後になりましたが、今回の被災に遭われた方々には心より御見舞申し上げます。また被災地の早急な復興を祈願します。

本情報は、2011年5月6日現在のものである。

(参考サイト)
Digital Archive of Japan's 2011 Disasters
アーカイブ
ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所

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