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2011年7月14日掲載 |
2011年7月12日、UAEに本拠地を置くEtisalatグループのタンザニア子会社「Zantel」がアフリカで初の商用NFCサービス「Touch and GO」を開始すると発表した。 Zantelでは、モバイル送金サービスとして「zPesa」を提供している。今回のNFCを活用した「Touch and GO」はアフリカ初の商用NFCサービスとして注目される。 今回のタンザニアZantelでの商用NFCサービスは、Etisalatグループが展開する中東、アフリカ、アジア18カ国の中でも初めてである。 タンザニアZantelのユーザの多くは既にモバイル送金サービスとして「zPesa」を利用している。アフリカではケニアの「M-Pesa」に代表されるようにモバイル送金は非常に一般的なサービスとして人々の生活のインフラの一部となっている。 NFCは現在世界的にトライアルや商用化が推進されている。 また今回のNFC導入では、誰でも簡単に利用できるインターフェースの携帯電話で買い物ができることによって、特にルーラルエリアでの消費者リテラシーや教育的な啓蒙効果と、地方での新たな起業も期待できると考えている。 アフリカではまだまだ露天商が多い。「Touch and GO」サービスの普及には、それらの店でも本格的な利用できるようになることが大きなカギになるであろう。 今回のNFCサービスに向けて、Etisalatは、Oberthur Technologiesとマスターカードと提携している。 Oberthur TechnologiesのNFC対応SIMを活用する。さらには商用サービスに向けて技術に精通したアントレプレナーや大学の学生とも協力している。 アフリカで初めてのモバイルペイメントによる商用NFCサービスである。しかし先述のようにアフリカのような新興国には、まだ露天商が非常に多い。モバイル送金が一般化しているから意外にすぐに受け入れられるかもしれない。「benefit from being able to leapfrog legacy systems and can directly adopt NFC」とプレスでも述べているように、人々の使い勝手がよく、利用できる店舗が多ければ、普及速度は速いかもしれない。 最後にタンザニアの携帯電話事情について簡単に明記する。
(主要携帯電話事業者)
今後、タンザニアで携帯電話を活用したモバイルペイメントがどこまで成長するか注目していきたい。また今回のタンザニアでのNFCサービスを皮切りに、アフリカや新興国でNFCによるモバイルペイメントがモバイル送金のように一般の人々の生活インフラとなり、経済発展とデジタルデバイドの解消に繋がることを期待したい。近いうちにアフリカの露天商でもモバイルペイメントで買い物ができる日がやってくるのだろう。 【参考動画:タンザニアの携帯電話事情についてのBBCレポート】 【参考動画:Zantelのテレビ広告(今回のNFCとは関係ない)】 本情報は2011年7月14日現在のものである。 |
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