ホーム > Global Perspective >
Global Perspective 2011
2011年7月15日掲載

リトアニア:OmnitelによるNFCモバイルペイメント「Mokipay」〜"EuroBasket2011"に向けて

グローバル研究グループ 佐藤 仁
[tweet]

 2011年7月8日、リトアニアの通信事業者OmnitelがNFCによるモバイルペイメントの商用化サービスを2011年8月1日から開始すると発表した。
Mokipayが開発したNFCサービスで、まずはOmnitelユーザから利用できる。Mokipayは既に首都ヴィリニュスやカウナスなどでカフェ、クラブ、レストランを中心にリトアニア全土で2,000以上のモバイルペイメント対応リーダーライターを設置している。

 リトアニアではまだNFC対応の携帯電話も少ないことからMokipayではNFCチップ搭載のスティッカー(シール)も用意し、それを携帯電話に貼り付けて利用することも可能にした。WPKI (wireless public key infrastructure)技術を活用し、Mokipayのシステム側でスティッカーを認識したらユーザのSIMカードとリンクされ決済が可能となる。
決済にはMokipayのアカウントが利用されクレジットカードまたは銀行から入金される。このMokipayアカウントは携帯電話のユーザのアカウントとは別である。将来的にはユーザ利便性のために入金の統一化を検討しているとのこと。

 8月31日から、リトアニアでは「EuroBasket2011(ヨーロッパ男子バスケット大会)」が開催される。欧州や世界から集まるファンや選手、報道陣に対してもリトアニアでの商用化モバイルペイメントのアピールになる。また海外からの訪問者にもモバイルペイメントを利用してもらうことを計画している。そのため、リトアニアのアンドリウス・クビリウス首相も多くの報道陣を集めてモバイルペイメントでコーヒーを買い、リトアニアだけでなく世界に向けてアピールした。(下記動画参照)

 リトアニアの携帯電話事情について簡単に明記する。
2011年3月現在、携帯電話加入者約473万人。加入率約145.5%。一人で複数のSIMを持っている人が多い。

【リトアニア概要】
首都:ヴィリニュス
人口:約325万人
面積:65,200km²
GDP:552億ドル(一人当たりGDP:16,529ドル)
言語リトアニア語

(主要携帯電話事業者)

  1. Omnitel:シェア約42.7%
  2. Tele2 (Lithuania):シェア約35.2%
  3. Bite Lithuania:シェア約22%

EuroBasket2011というバスケットの大会を前にして、バスケットだけでなくテクノロジー分野でもリトアニアの国家の威信をかけたモバイルペイメントの取組ともいえる。アンドリウス・クビリウス首相は、インタビューで以下のように述べている。今後のリトアニアでのモバイルペイメントに注目していきたい。

"We are the leading nation in basketball. I hope we will shortly prove this once again. We are also leaders in the fields of some technologies. The presented innovations both to the whole world and to ourselves prove that Lithuania is a successful country"
(Prime Minister Andrius Kubilius

【参考動画:MokiPay紹介ビデオ(2011年)】

【参考動画:Mokipayを利用するアンドリウス・クビリウス首相やEuroBasket2011関係者(2011年)】

*本情報は2011年7月15日時点のものである。

▲このページのトップへ
InfoComニューズレター
Copyright© 情報通信総合研究所. 当サイト内に掲載されたすべての内容について、無断転載、複製、複写、盗用を禁じます。
InfoComニューズレターを書籍・雑誌等でご紹介いただく場合は、あらかじめ編集室へご連絡ください。