優良通信事業者のランク
コミュニケーションズ・インターナショナル誌98年1月号所載の「高得点者:50大キャリアー」は、世界の通信事業者について1996年業績に基づきトップ50社をランク付けしており、そのうち上位25社を整理したのが表3である。
順位は、ネットワーク生産性(一加入回線当たり収入年額、単位US$)、経済貢献率(GDP成長率と収入増加率の比率)、労働生産性(従業員一人当り収入年額、単位1000US$)を合成した収入指数と、ネットワーク近代化率(ディジタル化率)、信頼性(100回線当たり障害数)、ネットワーク効率(従業員一人当り回線数)を合成した技術効率を平均した複合指数によっている。指数は専門家3名のパネルによりデルファイ式で作成したとしているが、詳細は明らかではない。加入者の有無により、NTTやベル系地方持株会社を含み、AT&TやC&Wを含んでいない。
トップは驚いたことにGTEとオランダ旧PTTの同順で、第2位NTT、香港テレコム、スプリント、イスラエル旧PTTと続いている。ベル系が総じて高順位で、経済貢献率のトップはテレフォニカ、生産性のトップはスプリントとなると、グローバル化とかニュービジネスと言っても、結局は市内は独占的、国内長距離で頑張り携帯電話も伸ばしているのが今の優良会社と言うことになる。同誌の分析は、NTTの高順位は相互接続料金 が不当に高いから、また、ヨーロッパ系が技術効率に強くアメリカ系が収入指数に強 いとしているが、それほど有意には思えない。既にSBC(11位)がPacific Telesis(18位)を買収し、Bell Atlantic(17位)のNynex(20位)買収も承認済みなので、こうしたランキングにもメガコンペティションの影響は出始めていることに留意すべきであろう。表1,2と表3を比べると、現時点ユーザ満足と企業性は両立してないと感じる。
(注) 26位以下はTelstra, Belgacom, Telmex, Telecom(アルゼンチン), Telefonica(同左), DeutscheTelekom, Telebras(フラジル), Korea Telecom, Portugal Telecom, Telekom Malaysia, DGT(中国), Telekom(南ア), OTE(ギリシア), Telekomインドネシア), TOT(タイ), MTNL(インド), SPT Telecom(チェコ), Turk Telekom(トルコ), CANTV(ベネズエラ), DOT(インド), ARENTO(エジプト), TCI(イラン), Telekom Polska(ポーランド), BTC(ブルガリア), Ukrainian Telecom
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