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2012年10月18日掲載 |
2012年10月1日、インドの通信事業者Vodafone Indiaが緊急時の輸血サービス登録サービスを開始した。輸血提供者の検索と輸血提供者としての登録が可能である。IndianBlooddonors.comと提携してサービスを提供する。 インドにおける輸血での課題:文化・社会的問題2012年10月1日、インドの通信事業者Vodafone Indiaが緊急時の輸血サービス登録サービスを開始した。輸血提供者の検索と輸血提供者としての登録が可能である。IndianBlooddonors.comと提携しインドではまだ輸血に対する下記のような課題が残っている。 (1)輸血によるHIV感染が多く安全ではない (2)同性愛者からの輸血を受け付けない習慣が根強い (3)異なるカーストからの輸血を受け付けない習慣が根強い SMSによる輸血情報サービスにおける課題今度は、携帯電話SMS(ショートメッセージ)を活用した輸血情報サービス側の課題を見ていきたい。 インドだけでなく新興国においては、携帯電話はプリペイド方式が主流である。インドにおいても90%以上がプリペイドである。そして1人で何枚ものSIMカードを保有しており、その都度必要に応じて使い分けを行っている。プリペイドなので、必要な時に使いたい分だけチャージして利用するので、基本料金がかかることがないので1人で複数枚持っている。そのため、ほとんどの国において携帯電話普及率が100%を超過している。通信事業者も利用者獲得に向けて様々なキャンペーンなどを行い、利用者はその度に新しいSIMカードを購入する。つまり新しい番号を入手することになる。1人が複数のSIMカードを保有しているということは、1人が複数の電話番号を保有しているということである。2012年9月時点で、インドでの携帯電話加入者数は約9億2,200万である。 携帯電話が普及し、1人で複数の電話番号を保有するようになると、利用者に善意があって輸血サービスに登録したとしても、実際に血液を必要な人がいた場合、その人とコンタクトすることができなくなってしまうことがある。登録した時の番号のSIMカードがどれだかわからなくなってしまったり、その番号は番号ポータビリティで違う事業者のものになっていて、輸血サービス提供のメッセージが送信されないこともある。 輸血に対する偏見が根強く残るインドにおいて、携帯電話のSMSを活用した新たな輸血登録サービスが登場したことによって簡単にドナーになることが可能になった。 一方で、インドにおける携帯電話の爆発的な急増に伴った「連絡先不明の状態」が血液提供時の足枷にならないような運用と登録者の自覚に期待したい。 【参考動画】 輸血をしても体力が落ちないことを訴求するインドの広告 (参考) インド:携帯電話SMSを活用した輸血情報提供サービス *本情報は2012年10月3日時点のものである。 |
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