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世界の移動・パーソナル通信T&S

2002年9月号(通巻162号)

世界のニュース

 市場・企業

■競争が進展する米国移動体市場−その2(注)

 FCCは2002年6月13日、商用無線通信サービス(CMRS:Commercial Mobile Radio Service)市場での競争状況について第7次報告書を発表した。それによれば、2001年においてはCMRS市場で引き続き競争が一層進展し、技術革新も進み、消費者料金も低下し、そしてサービスの多様化も進んだとしている。本稿では移動データ(mobile data)に関する主要な動向を取り上げる。本年度の報告章では、移動データ市場で加入者数とテクノロジーの両面での急激な成長と、革新的な目新しいサービスの出現、さらには移動音声と移動データの一体化がさらに進みつつあることを指摘している。

(注)「競争が進展する米国移動体市場-その1」は、2002年8月号を参照のこと。

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■出揃う、米国主要携帯電話事業者6社のワイヤレス・データ・サービス
〜FOMAデータサービスとの比較を試みる〜

 本年に入り、米国主要モバイル・オペレータが次々に2.5G技術などによるワイヤレス・データサービスを開始した。スプリントPCSも8月12日、「PCS Vision」の名称でサービス開始し、その結果主要6社のサービスが出揃った。なお、米国におけるワイヤレス・データサービスは、ノートPCまたはPDAからの接続をベースとしており、日本のiモード、EZWeb、J-Skyなどとは利用の形態が異なり、携帯電話単体としての利用は数少ない。このような背景から各社ともに、メガバイト単位の料金プランを採っているが、そのプライスは各社の戦略により、次の表のようにまちまちである。
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■仏移動体各事業者の2.5Gサービス展開の現況

 仏オレンジ(仏移動体通信市場シェア第1位)は、2002年5月30日に、WAP接続月額定額制サービス開始と同時にGPRS通信サービスの提供を開始している(InfoCom移動・パーソナル通信ニューズレター7月号P36参照)。SFR(仏移動体市場シェア第2位)もマス向けGPRSの定額制での提供を開始させ、また、ブイグテレコム(仏移動体市場シェア第3位)でもデータ通信料金を安価に利用可能とするプランに関するキャンペーンを期間限定で実施しており、さらに2003年春には、GPRS上でのiモード・サービスを提供する予定である。本稿では、フランスの各事業者のGPRSプランについて概観した。
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■ブルー、分割売却後に消滅へ

 欧州委員会は2002年8月5日、イタリア第4の移動体通信事業者ブルーの資本譲渡計画を条件付きで承認した。同社の資産は他の移動体通信事業者に売却され、その後テレコム・イタリアが買収する。この買収に伴いブルーは消滅することになる。なお、ブルーの株主は既に同社の分割売却および株の売却などにかかる費用約3億の出資について承認しており、同社労組も同月8日にテレコム・イタリアの買収案に合意した。
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■KTF、データ通信サービスが好調

 韓国第2位の携帯電話事業者であるKTFは2002年8月、2002年上半期の決算について発表した。KTFは前年上半期末からの1年間で加入者が5%増加し、1,013万加入に達したが、前年同期比で携帯電話サービスでの収益は10%増、営業利益は46%増を達成している。とくにデータARPUが前年同期の1,652ウォンから今期は2,564ウォンへと、50%以上も伸びていることは注目に値する。2002年6月のデータARPUは2,695ウォンであり、これはトータルのARPUの9.1%を占める。このデータ通信収入の好調さは、cdma2000 1xサービス(以下1xと表記)の順調な普及と、コンテンツ・サービス「マジック・エヌ・マルチパック」の成功によるものであり、KTFは若年層にターゲットを絞ってサービスを提供してきたことを強調している。
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■MMS、最適な課金方法とは?

 香港はアジアの中で一番早くMMS(Multimedia Message Service)を導入した。世界で最初にMMSを導入したノルウェーに次ぐ2番目となっている。MMSは、現在の第2世代携帯電話のキラー・アプリケーションとなったSMS(Short Message Service)の次世代版として大きく期待されている。しかしながら、MMSはSMSよりも複雑なサービスであるため、その課金方法の設定が難しい。現在、モバイル・テレコム・オペレーターは、各社異なる課金方法を設定しており、何が最適な課金方法なのかが模索されている。第2.5世代MMSを成功させるためには、第2世代で大成功を収めたSMSに習った料金設定をするのが好ましいのだろう。現在、香港の2つのモバイル・テレコム・オペレーターは全く異なる課金方法を設定している。どちらの課金方法が消費者に受け入れられるのかが2002年下半期において注目される点である。
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