2010年1月号（通巻250号）

■世界の論調：タイで3G免許オークション実施に先立ち、政府系事業者TOTが3Gサービスを開始

本誌2009年3月号（「タイで3G免許付与に向けた動きが活発化」）において、タイでこれまで延期が繰り返されてきた3G免許オークションが2009年第3四半期にも開催される可能性が高まったことを伝えた。しかしながら結局、政局の混乱等により同期における実施は再び見送られた。こうした最中、政府系事業者TOT^（注1）は2009年12月、3G免許オークションの実施に先立ち3Gサービスを開始した。本稿では、TOTによる3Gサービスの開始状況および今後の展望、またオークション実施を阻む背景等について、各方面の論調記事を交え解説する。

（注1）1954年に設立された国営の固定通信事業者。2002年に株式会社化されたが現状も政府の持株比率が100％を占める。携 帯電話事業については、TOT本体がアナログ方式（NMT−450）、また同社の携帯電話子会社のThai Mobileがバ ンコク首都圏でGSM方式のサービスを提供している。2社の合計市場シェアは0.1％未満。