トレンド情報 トレンド情報 -トピックス[1997年]<国内情報>
マルチメディアの利用規制の在り方を考える(2)


4.法規制等のルールが存在しないアプリケーション

4-1 オンライン決済と電子マネー

4-1-1 ショッピング経験とオンライン決済ニーズ [Go Fig.]
  • インターネット等によるオンラインショッピングの経験者は3割強。通信販売を利用せず、オンラインショッピングのみの利用者は1割である。経験者の8割弱が、これからの社会ではオンライン決済が必要だとしている。
  • ハッカー等によるデータの 悪用を6割の人が懸念しているが、購買記録が残る、買うときに自分の名前がわかってしまう、といったプライバシーに関する懸念は1割程度と低率である。
  • オンラインショッピング未経験者の9割以上が今後利用したい(13%)、もしくはキュリティ等が整えば利用したい(80%)としている。

4-1-2 電子マネーの必要性と役割
(1)検討の現状と課題
  • 最近ネットワーク上の新たな決済方法として電子マネーが注目されており、現在法的な位置づけ、セキュリティの確立等、様々な角度から検討されている。
  • これは電子情報にお金と同じ価値を持たせて支払等に使用するもので、海外では、モデックスやe-キャッシュ等のシステムが試行されているが、その主たるテーマの一つに、オンラインで流れる情報の悪用で詐欺や無断使用が起こらないようにすることや、購買履歴等の個人情報が漏洩する可能性からのプライバシーの保護がある。

(2)調査結果の特徴[Go Fig.]
  • 電子マネーについては、大体知っている(78%)もしくは聞いたことがある(20%)で大半を占める。
  • 9割が電子マネーを必要だとしているが、そのうち3割強が自分は利用しない(24%)あるいは必要ない(9%)としている。
  • 電子マネーにどのような役割を期待するかについては、支払手段の多様化を期待する人が3/4、分割性を期待する人が6割あるが、匿名性や譲渡性を期待する人各々3割前後と、比較的低率である。

4-2 テレビ会議システムの取締役会への利用
(1)現状
  • 最近、テレビ会議システムの価格低下と、企業における出張費節約の気運が相まって、テレビ会議システムを導入する企業が増えているが、このテレビ会議システムを取締役会に利用することについては、果たしてテレビ会議によって行われる取締役会が法定(商法)の正規な取締役会と認められるのか否かという懸念がある。
  • 法務省の見解では「十分な双方向性が確保されていれば」認められるということであるが、現在のところ必ずしもその技術的基準は明らかではない。

(2)調査結果の特徴[Go Fig.]
  • 全面的に導入してよい(39%)及び一部導入してよい(47%)をあわせて9割弱あり、導入反対は4%と低い。
  • 有効な取締役会のための技術基準の明確化は、法改正(50%)によるべきとする回答が政府による基準作成(22%)の回答を大幅に上まわっている。
  • 技術基準以外に、システムの性能向上、低価格化・ランニングコストの低廉化を条件とする考えも各々半数前後を占めている。

4-3 インターネットのわいせつ情報等の規制
(1)問題の所在
  • 情報発信・情報収集の有効な手段としてインターネットの利用者が急増しているが、その一方で、ホームページを利用したわいせつ情報の提供や、他人をひぼうする行為など新たな問題が発生している.
  • 特にわいせつ情報に対しては、青少年保護の観点等から何らかの規制を必要とする、との意見が出ており、すでに一部の国では規制が行われている事例もある。他方、表現の自由や通信の秘密を侵害する危険性があることなどを理由として、規制に反対する意見もあり、慎重な検討が必要とされている.

(2)調査結果の特徴[Go Fig.]
a.規制の必要性
  • なんらかの規制を考えるべきと考える人が45%に対し、規制すべきでないと考える人が48%と、ほぼ半々で意見が分かれているが、規制反対派が若干上回っている。
  • 規制すべきとの回答のなかでは、業界団体等による自主規制(全体の2割強)が最も多く、IP事業者等による自主規制が続いており(全体の14%)、国による規制は全体の1割弱、規制が必要だとする人の2割強と低率であり、極力国の関与を避けようとする考えがうかがえる。

b.規制方法等

  • 規制すべきと考える人の規制方法は、倫理網領やガイドラインの作成が6割で最も多く、審査機関によるチェック(40%)がこれに続く。
  • 法律の整備及び格付けソフト等の利用が3割強と同率である。

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