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ユーザーの求める電子マネー(2)

(1999.11)


〜前回までの記事〜

  • チャージまで
    • なんで24時間じゃないの?
    • お店にチャージ機を!
    • レジでチャージを!(デビット、クレジットとの融合)
    • 現金でチャージできるように!
    • チャージ上限をもっと高くしてほしい!
    • 預金残高を表示してくれると便利なのですが。
    • このままチャージ手数料なしでやって欲しい。
    • チャージ用公衆電話の画面をもっと見やすく!
  • リアルで使うまで
    • ポイント・割引・プレゼント大歓迎!現金よりもお得にして!
    • もっと目立ってよ!不安じゃん!
    • チャージ機に「加盟店ガイド機能」があると便利なのですが。
    • レジでかなり手間取っているような・・・。
    • 見やすい決済端末を
    • その場でメリットを実感したい
    • 熱心に使えば報われるようなサービスが欲しい
    • ペーパーレスも可能では?
  • バーチャルで使うまで
    • なんでこんなにごちゃごちゃしているの?
    • 電子マネーで買うのに会員登録は必要なのか?
〜次回の予定〜
  • さらなる機能・サービス追加の要望


チャージまで
なんで24時間じゃないの?
 銀行に設置されているチャージ機は銀行の開店時間しか使えないのは仕方ないにしても、公衆電話やバーチャルでのチャージはぜひ24時間にして欲しい!
 チャージするのを忘れて使えなかった、というのがあった。(銀行口座に入金するのを忘れてチャージができなかったというのもあるが、ここの議論ではないので省略する)
参考まで、公衆電話およびバーチャルでのチャージ時間をまとめてみると、以下の通り。
 ぜひ「いつでもチャージ」ができるようになってほしい。

表1:公衆電話およびバーチャルでのチャージ可能時間(1999.11.1現在)

お店にチャージ機を!
 お店にこそ、チャージ機を設置しておいてもらいたい。チャージが一番必要な場所は、電子マネーを使うところなのだ。チャージのためにわざわざ銀行に行かなければならないというのは手間である。
 チャージ機をお店に設置するのが難しいなら、チャージ可能な公衆電話をもっと増やして欲しい。または、今後コンビニ等に設置されるようになるATMにもチャージ機能を持たせてほしい。
 ぜひ「どこでもチャージ」ができるようにしてほしい。 

レジでチャージを!(デビット、クレジットとの融合)
 最も望ましいのは、レジでチャージができることである。スーパーキャッシュで支払おうとしたとき残金が不足していたら、その場でチャージできれば便利である。さらに、銀行口座も残高不足だったら、クレジットでチャージできるようにしてほしい。これはつまり、スーパーキャッシュとデビットカードとクレジットカードとの融合である。(ただし、デビットやクレジットをそのまま使わず、わざわざ電子マネーにチャージするには、それなりのメリットがあることが前提である。)
 ぜひ「どれでもチャージ」ができるようにしてもらいたい。

現金でチャージできるように!
 電子マネーが現金よりメリットがある場合、なるべく現金よりも電子マネーを使いたいと思う。しかし、現金が手元にあっても、わざわざスーパーキャッシュ用の口座に入金してからチャージしなければならない。これは手間である。また、スーパーキャッシュ用ではない別の口座にお金がある場合も、一旦おろして入金するか、振り込んでからチャージしなければならず、さらに手間がかかる。
 スーパーキャッシュもVISA Cashのように使いきり型があれば現金で購入するということができるが、それが無いのであれば、せめて現金を直接スーパーキャッシュにチャージできるようにしてほしい。
 この現金チャージも、銀行に設置したチャージ機のみでなく街頭の自動販売機等でも行えるようにしてほしい。  ぜひ「なんでもチャージ」ができるようにしてほしい。

チャージ上限をもっと高くしてほしい!
 スーパーキャッシュの上限は10万円である。これでは足りない。電子マネーを「鍵付き財布」として考えた場合、もっと高額もチャージできるようにしてほしい。特に最近の利用キャンペーンのようにプレゼントがもらえるときはなおさらである。  上限を高くすると、紛失・盗難の場合のユーザーのリスクを考慮してのことかも知れないが、それは自己責任の範疇ではないか。しかも、カードにパスワードでロックをかけるなどの対処も可能であろう(→鍵付き財布としての電子マネー)。さらに、事故(物理的・ソフト的)により価値が消滅した場合の保障といった発行側のリスクも考えられるが、これはチャージの上限額に頼らずに安全性を高めるようにしてほしい。
 また、この上限はあらかじめ決めるのではなく、ユーザーが自由に設定変更できるようにしてほしい。それぞれの人によりまたは状況により設定したい上限額は異なるだろう。
 ぜひ「いくらでもチャージ」ができるようにしてほしい。

預金残高を表示してくれると便利なのですが。
 いつも不思議に思うのだが、チャージをする時にスーパーキャッシュ用の口座残高が表示されない。これではいくらまでチャージできるのか、わからない。結局、うろ覚えのまま少なめ(やり直すのは面倒なので)にチャージすることになる。
 ぜひ「うろ覚えでもチャージ」ができるようにしてほしい。 

このままチャージ手数料なしでやって欲しい。
 現在、夜間であってもチャージ手数料はない。つまり、夜間においては現金を引き出すよりもスーパーキャッシュにチャージしたほうが得であるということである。このメリットは、一時的なキャンペーンでのプレゼントを除けば、現金よりも得をする唯一の点なのではなかろうか。このメリットは今後も継続してほしい。
 ぜひ「得々チャージ」ができるようにしてほしい。

チャージ用公衆電話の画面をもっと見やすく!
 スーパーキャッシュチャージ用の公衆電話の画面が見づらい。ただでさえお金を扱うという神経を使う作業をしているのであり、もう少し見やすい画面であれば疲れも軽減されると思う。特に背の高い人はかがまないとよく見ることができないので苦労する。
 ぜひ「楽々チャージ」ができるようにしてほしい。
リアルで使うまで
ポイント・割引・プレゼント大歓迎!現金よりもお得にして!
 利用キャンペーンで行ったようなポイントやプレゼントは大歓迎である。そもそも、スーパーキャッシュが現金よりもメリットがなかったら、なかなかスーパーキャッシュを使おうという気にはならない。
 ただ、これも一時的なキャンペーンではなく、スーパーキャッシュという仕組みの中に恒常的に組み込まれたものとなってほしい。例えば、お店でポイント還元サービスを行っている場合、スーパーキャッシュを使った場合のポイント率が現金で購入するより高率であれば積極的にスーパーキャッシュを使いたいと思うので、その可能性をぜひ追求してほしい。 

もっと目立ってよ!不安じゃん!
 VISA Cashはレジのところだけでなく、店頭の看板にもシールを貼っている。デビットカードは店頭にのぼり旗、店内にポスター、しかも店内放送でガンガンやっているお店もある。スーパーキャッシュもあれくらいやってもいいと思うのだが。
 実際、加盟店ガイドを見て入ったお店で、「ここって何も掲示していないけど、本当に使えるんだろうなぁ」と不安になってしまうところがある。
 一般に、安心して使えるためには、「どこでも、何にでも、いつでも、どれでも」使えることが望ましい。つまり、どの店でも、どの商品にも、いつでも、どの電子マネーでも使えるというのを実現してほしい。

チャージ機に「加盟店ガイド機能」があると便利なのですが。
 電子マネー実験の場合、その地域の全てのお店が加盟していればともかく、現状では「加盟店ガイドブック」がないと動きがとれない。しかしながら、常に持ち歩いているわけではなく、しばしば忘れる。従ってスーパーキャッシュを使いたいと思っても、どのお店が使えるのかわからず、結局使えないお店で買い物したり、以前行ってスーパーキャッシュが使えたお店にまた行く、ということになる。
 ぜひ、「加盟店ガイドブック」を持たずに新宿に来てしまっても、どのお店が加盟店であるかを知ることができるようにしてほしい。例えば、チャージ機に「加盟店ガイド機能」があり、その付近の希望するカテゴリーの加盟店を検索・表示したり地図をプリントアウトすることができるようにしてほしい。

レジでかなり手間取っているような・・・。
 なんだかレジの決済端末が使いにくそうである。特に利用明細の紙が詰まったり、なくなって交換したりするときなど、店員さんはマニュアルと格闘している。しかも、見たところボタンと手順がいっぱいありそうで、操作ミスを招きやすそうである。
 このようなのを見ていると、お客が並んでいるレジでは電子マネーを使うのに気が引ける。店員の不慣れが原因と言ってしまえばそれまでだが、もっと操作簡単な機器にしたり、わかりやすいマニュアルを用意することはできないのか。
 例えば、お客に出す小さな端末には料金表示のディスプレイと「OK」ボタン以外は必要ないのではないか。なのに数字ボタンやキャンセルボタンなどがあり、お客のほうでもどれを押したらいいのか混乱する。そもそも、利用明細がしっかり残るのなら、お客にOKボタンを押させる必要も無いのではないか。現金で買う時はOKボタンなど押さないのだから。このような運用方法・手順についてももっとスムーズに行えるように改善してほしい。

見やすい決済端末を
 とにかく決済端末の料金表示のディスプレイが小さくて見づらい。お店の人に料金を確認してくださいと言われてもよく見えない。渋谷のVISA Cashでもそうだが、あれでは覗き込んで目を凝らさないとわからない。
 また、お客が料金を確認しない方式のお店もあるが、電子マネーからいくら落とされるかがその時にはわからず(支払い後にレシートで確認するなど)、不安感が付きまとう。
 最近コンビニにあるような大きなカラー液晶のディスプレイを採用できないものか。あれに広告でも表示するようにすれば、それもまたよいビジネスになるとは思うのだが。
 実現するにはPOSとの連動や新端末の開発等の課題があると思われるが、お客が電子マネーの利用に安心感を持てるようにしてほしい。

その場でメリットを実感したい
 やはり「次もまた使いたい」と思えるようなものであってほしい。それは割り引き販売や、スーパーキャッシュでしか買えない、または優先販売される商品がある、などである。つまり、「その場でメリットを実感」することができるようにしてほしい。

熱心に使えば報われるようなサービスが欲しい
 さらに「もっと使いたい」と思わせるようなものであってほしい。それはポイント方式や抽選プレゼント、などである。熱心に使えばその分報われるようにしてほしい。

ペーパーレスも可能では?
 スーパーキャッシュを利用するとご利用明細書をいつももらうが、あれは本当に必要なのだろうか。せっかくカードにメモリーがあるのだから、そこに記録させ、後でも容易に見ることができるようになっているなら、ペーパーレスも可能なのではなかろうか。管理の手間やごみの削減、資源の節約のためにもペーパーレスでやれるようにしてほしい。
バーチャルで使うまで
なんでこんなにごちゃごちゃしているの?
 一つのバーチャルモールの中で、その電子マネーが使えるお店と使えないお店が混在していた。また、一つのお店の中で、その電子マネーで買える商品と買えない商品が混在していた。またあるお店では全ての商品に対して使えるのだが、その説明がなく不安に思ったが、バーチャルなのでその場で店員さんに聞くということもできなかった。
 これらのことは電子マネーそのもののことではないが、電子マネーがバーチャルショップでの決済手段として期待されているところから、このようなお店の環境整備も電子マネーの普及のためには必要なことと思う。
 そもそも、バーチャル・ショップにおける支払方法・手順の統一化は図れないものだろうか。ぜひバーチャル空間の整備をしてほしい。

電子マネーで買うのに会員登録は必要なのか?
 以前から疑問に思っていたことなのだが、電子マネーで購入するのになぜ会員登録をしなければならないのか。クレジットカードとは違ってその場で決済が完了するので、会員登録など行う必要はないのではないか。おまけに、バーチャルショップの中には何日か後でIDとパスワードが送られて来る、というものもあり、買いたいその時に買うことができない。とてもスムーズな買い物とは言えない。
 また、購入した商品の送付先についても、将来的には電子マネーのICメモリに記録された住所氏名データをバーチャルショップに送るということで、住所氏名の記入の手間も省けるのではないか。
 ぜひ、ふらりと立ち寄って手軽に購入できるようにしてほしい。

次回(第3回)へ続く…

(マーケティング・EC研究グループ 藤生 崇則)
e-mail:fujiu@icr.co.jp

(入稿:1999.11)

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