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2014年9月17日掲載 |
中国の重慶市で2014年9月、中国初の「歩きスマホ専用レーン」が設置されたと報じられた(※1)。アメリカの首都ワシントンでは2014年7月にテレビ番組の実験で「歩きスマホ専用レーン」が設置されたことがある(参考:ワシントンDCでの「歩きスマホ」レーン:テレビ番組での試み。 「歩きスマホ」に迷惑している住民からのクレームがあった重慶市は、このアメリカでの番組の実験にヒントを得て「歩きスマホ専用レーン」を設置した。レーンが設置されたのは重慶市の人気の観光スポット「洋人通り」で、レーンの全長は50メートル、幅3メートルである。2レーンに分かれており、1つが携帯電話、スマホ利用者専用の「歩きスマホ専用レーン」で、もう1つが「歩きスマホ禁止レーン」である。重慶市では今後、レーンの増設は検討していないとのことだ。 中国の携帯電話出荷台数のうち90%以上がスマートフォンである。2014年第2四半期(4〜6月)での中国ではスマートフォンが1億台以上出荷された。特にXiaomi、Coolpadといった地場のメーカーの台頭が著しい。重慶だけでなく北京や上海のような大都市では若者らを中心に、ほぼ全員がスマートフォンを利用している。この増加傾向は今後も続く見込みで、中国のスマートフォン利用者は年内に5億人を突破する予定である。 このように急速に拡大するスマートフォンの普及に伴って、人々は常にスマートフォンがないと不安に陥るのは世界共通であり、中国でも「歩きスマホ」をしている人がたくさんいる。 「歩きスマホ」の問題は日本でも現在進行形の課題の1つであるが、このような「歩きスマホ」が世界中で問題になっており、アメリカでは罰金を導入したり、トライアルで「専用レーン」を設置するなどの動きは一部見られた(参考:フィラデルフィア「歩きスマホ」専用道路「e-lane」の試み)。日本を含め、世界中の多く地域では、まだポスターなどによる「注意喚起」に留まっており、「専用レーン」の実用化は進んでなかったが、「歩きスマホ禁止レーン」を実際の通りで採用し、設置してしまうところが中国らしい。 「歩きスマホレーン」に慣れない一部の市民は、まだ困惑している人もいるとのことだが、このような「歩きスマホ専用レーン」が日常の風景になるのも近いかもしれない。今後は「歩きスマホ禁止レーン」で「歩きスマホ」をしている人を取り締まるようになるのだろうか。「専用レーン」が設置された以上、「歩きスマホ」は、専用レーンで行うことがルール化されるので、中国人の「歩きスマホ」のモラルも問われることになる。 (参考)重慶市に設置された「歩きスマホ専用レーン」 ![]() (出典:China Daily) ![]() (出典:China Daily) ![]() (出典:China Daily) ![]() (出典:China Daily) ![]() (出典:Mexin.co) *本情報は2014年9月15日時点のものである。 ※1 15 Sep 2014, “Smartphone sidewalk: Idea puts cell phone addicts in special lane” |
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