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2012年1月17日掲載 |
昨年6月に「フェイスブック」(以下FB)の利用を始めて半年が経ちました(前回の記事(「フェイスブック」を始めた「ガラケー人間」)。その後の動向について続編ということで利用体験をお伝えしたいと思います。 前回の報告の締めくくりとして「日本では高度経済成長に伴う「共同体」の崩壊で、孤立化が社会問題になっていますが、ソーシャルネットワークサービス(SNS)はバーチャルでの共同体復活の動きであり、これがリアルと結びつくことにより新たな「共同体」形成の可能性を秘めているものと思われます。」と結びましたが、この半年で新たな共同体形成の動きが出てきましたので、そのこともお伝えしたと思います。 現在の私の友達登録はこの半年で倍になり120人です。FB友達の多くは現在の仕事関係者ですが、なかには大学時代の友人、かつての海外勤務時代の関係者などがいます。 「フェイスブック」の光と影この半年、FBを利用した感想です。光と影、良い点と問題点です。 (良い点)
(問題点)
このような長所、短所はFB利用者の置かれている環境によって異なると思います。FBの友達のなかには国会議員もいますが、「辻立ち」に代わる極めて有効な発信手段だと思います。現在、企業によっては会社や製品をPRする有効なツールとして積極的に活用する会社と、先ほど挙げた「公私の混同」を問題視して利用を禁止する会社で対応が両極端に分かれているのではないでしょうか。 今後どうなる「フェイスブック」ビジネスの世界でもFBを含むSNSの活用が広まってきています。「就活」に加え「ソー活」という新語が登場しましたが、ソーシャルネットワークを使って就職活動をすることを指します。FBは実名登録ですから、自分の出身大学、専門、クラブ活動歴などを登録すれば、就職希望先の会社の先輩、人事担当者が有望人材の発掘がし易くなるとともに、学生も自分を会社に売り込める可能性が高まります。 FBの利用者数が1億5千万人近くに達する米国ではFBが一つの社会インフラになっています。例えばコールセンターでは問い合わせ顧客のFBやツイッタ―情報が瞬時に画面表示され、オペレーターが的確な商品を勧奨するなど売上げを伸ばす販売ツールに活用されています。また、今後は「ビッグデータ」ということでSNS情報から得られる膨大なデータを収集・分析してマーケティングに利用しょうとする企業が出てくるでしょう。 最初に「共同体」の復活の可能性に触れましたが、最近のニュースからいくつかの事例を紹介したと思います。1月9日の日経新聞に載った「C世代駆ける」シリーズの〜孤族から「Co族」〜の記事です。このなかで長崎の対馬に移住した若者5人の紹介です。彼らはFBやツイッタ―で島の特産品やイベントをどんどん紹介し「対馬を世界に発信する」夢を持っています。対馬は日本人の若者が減少し、韓国からの観光客や資本が投下され、「韓国の島」の様相を呈していることが心配されましたが、このような活動により「共同体」が復活することが期待されます。また、徳島県では農産物の生産、加工、流通に携わる若者が意見交換のためFBを昨春立ち上げたところ30人から昨秋には100人に仲間が拡がったという紹介がありました。昨年のテレビ番組で都会の「無縁社会の孤独死」がクローズアップされましたが、FBによるCo-working、Collaborationの「Co」が今後、消費やビジネスのキーワードになると記事は結んでいます。 FBなどSNSによる情報入手、発信が盛んになれば必ずしも住み易いとはいえない都会に暮らす必要はなく、地方へ移住する人が増える可能性があります。高度成長が生み出した過度の首都圏一極集中、田舎の過疎化が是正されて、都会、地方のバランスのとれた社会作りに繋がる可能性があります。少し飛躍するかもしれませんが、地方における共同体復活により少子高齢化などの日本が抱える社会問題の解決の糸口になるかもしれません。 |
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