InfoCom Economic Study Discussion Paper(No.25)
2024年07月12日更新
株式会社情報通信総合研究所
「InfoCom Economic Study Discussion Paper」No.25を公開しました。
中国における金融包摂の経済効果に関する研究
―デジタル金融を含めた指数作成と31省のパネルデータ分析―
朱咏蓮、篠﨑彰彦、小野﨑彩子
本稿は、中国における金融包摂の現状を包括的に把握すべく、従来型金融とデジタル金融のそれぞれについて2011年から2020年までの指数を作成した上で、中国31省のパネルデータ分析を行い、金融包摂の経済効果を明らかにしたものである。その結果、次の5点が明らかになった。第1に、中国における金融包摂の平均水準は全般に向上していること、第2に、31省の格差をみると、従来型金融包摂は格差が緩やかに縮小しているのに対して、デジタル金融包摂は、特に2010年代前半に格差が急速に縮小していること、第3に、31省別のパネルデータ分析により、従来型金融包摂と経済成長の間に有意な関係性はみられないこと、その一方で、第4に、デジタル金融包摂と経済成長との間には有意に正の関係があること、第5に、地域別にみると、経済発展水準が相対的に低い西部と中部
地域がデジタル金融包摂と経済成長の影響度が大きいこと、が明らかになった。
[キーワード]
金融包摂、デジタル金融、フィンテック
〜InfoCom Economic Study Discussion Paperとは〜
情報経済に関する幅広い領域の調査・研究について、時宜を得た問題提起と活発な議論の喚起を目的に、広く情報通信分野に関する学術研究の成果の一部を公開しています。
InfoCom Economic Study Discussion Paperについて詳しくはこちら
- 関連する研究員
- 手嶋 彩子
プロジェクトに関するご相談や
ICRのサービスに関するご質問など
お気軽にお問い合わせください。