ICT関連経済指標テクニカルペーパー(25−1) | 情報通信総合研究所:ICR
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ICT関連経済指標テクニカルペーパー(25−1)

2025年06月03日更新
株式会社情報通信総合研究所

No.25-1(2025年5月)
No.25-1(2025年5月)

「ICT関連経済指標テクニカルペーパー」No.25-1を公開しました。

 

データセンターの電力消費に関する考察
―生成AIを中心とした新たな需要を踏まえて―

 

株式会社情報通信総合研究所
九州大学篠﨑彰彦研究室

 

スマートフォンやクラウドサービスの普及によってそれらの利活用を支えるデータセンターの需要も増加している。また、生成AI関連サービスの普及も相まってデータセンターの需要はさらに拡大すると見込まれている(総務省[2024])。需要の拡大はポジティブに捉えられる一方、いくつかの懸念も浮上している。

その一つがデータセンターの電力消費量の増加であり、IEA(International Energy Agency、国際エネルギー機関)は、全世界のデータセンターによる電力消費量が2022年の460TWhから2026年には1,000TWhを超える規模まで増加する可能性があるとの見通しを示している(IEA[2024])。これは日本全体の電力消費量(900TWh程度)を上回る規模であり、データセンターのエネルギー消費の急増を緩和するためには、最新の技術活用と政策が重要になると提言がなされている。国内では、経済産業省・総務省「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合 中間とりまとめ3.0」において、データセンターが東京・大阪圏に8割程度集中しているという現状を踏まえ、レジリエンス強化、エネルギー・通信の確保という点でデータセンターの分散立地に向けた政策的支援策を早急に検討するべきと提言がなされている 。既に関連する取組として、「データセンター地方拠点整備事業費補助金」事業が実施されており、令和5年度事業ではソフトバンク株式会社が北海道苫小牧市に建設するデータセンターが採択されている 。同建設計画では、将来的に敷地面積が国内最大規模の70万平方メートル、受電容量300MW(およそ2.5TWh)超まで拡大すると見込んでおり、電力については、北海道内の再生可能エネルギーを100%利用する地産地消型のグリーンデータセンターを目指している 。

このようにデータセンターの電力消費については国内外で関心が高まっており、本稿では、既存の先行研究を整理するとともに、生成AIで注目が高まっている処理装置(CPU、GPU)の比較を踏まえて簡単な考察を行う。

 

〜ICT関連経済指標テクニカルペーパーとは〜

テクニカルペーパーは内部及び会員向け資料ですが、社会的に有用性が高いと考えられるものについては、多くの研究者・分析者に利用していただくために、無料で一部公表しております。

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