InfoCom Economic Study Discussion Paper(No.26) | 情報通信総合研究所:ICR
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InfoCom Economic Study Discussion Paper(No.26)

2025年03月28日更新
株式会社情報通信総合研究所

No.26(2025年3月)
No.26(2025年3月)

「InfoCom Economic Study Discussion Paper」No.26を公開しました。

 

日本の地域銀行再編に関する研究
―資産規模および再編の有無と収益力の関係に関する実証分析―

 

秋山尚輝、小玉哲也、鷲尾哲

 

本稿では、地域の資金供給に大きな役割を果たしていながら、貸出環境の悪化により再編を 余儀なくされている地域銀行に対して、再編を通じて目指すべき資産規模や今後とるべき 経営戦略を提案することを目的として、1地域銀行の資産規模や再編の有無と売上高経常 利益率の関係分析、2収益力が高い銀行の経営戦略のケーススタディを行った。資産規模に ついては、実証分析を通じて 18.87 兆円の資産規模において最も売上高経常利益率が高くな ることが確認された。また、過去 5 年以内の合併・経営統合が収益力に影響を及ぼさないの に対し、ファイナンシャルグループ(FG)化が収益力に対して有意に正の影響を与えた可 能性が示された。ケーススタディでは、高い収益力を誇る地域銀行が、独自の収益源を持っ ていることや他行に先んじて DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる ことが確認できた。特に、DX や業務多角化は近年の地域銀行における経営戦略のトレンドとなっており、今後多くの地域銀行でこれらの経営戦略がとられることが予想される。また、 2021 年の銀行法改正を契機に地域銀行の FG 化や買収を通じた業務多角化が進展しており、 これは FG 化による業務多角化が収益力を高めるという本稿の分析に一致する動きだと考 えられる。

 

[キーワード]地域銀行、回帰分析、資産規模、DX

 

〜InfoCom Economic Study Discussion Paperとは〜

情報経済に関する幅広い領域の調査・研究について、時宜を得た問題提起と活発な議論の喚起を目的に、広く情報通信分野に関する学術研究の成果の一部を公開しています。

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