InfoCom ICT経済報告(No.71)
2022年03月07日更新
株式会社情報通信総合研究所
「InfoCom ICT経済報告」No.71を公開しました。
2021年7-9月期のICT経済概況は、以下をご覧ください。
全文は無料でダウンロードしていただけます。
情報通信総合研究所では、ICT産業が国内マクロ経済および諸産業に与える影響を把握するために「ICT関連経済指標」を作成し、これを用いた分析成果「InfoCom ICT経済報告」を公表しています。
2021年7-9月期のICT経済概況(前年同期比)
2021年7-9月期のICT経済は前年同期比4.9%増と4四半期連続でプラス成長になり、増加幅は縮小した(前期比4.9ポイント減)。ICTサービスが同0.3%増と2期連続で増加し、ICT財は同20.7%増と4期連続で増加した。
需要サイドについては、ICT消費は23期ぶりに減少に転じた。スマートフォン等の通信・通話使用料は減少に転じ、パソコンは減少幅が縮小した。一方、ICT設備投資(民需)は電子計算機等が増加に転じ、3期ぶりに増加に転じた。ICT輸出は4期連続で増加した。半導体不足による供給制約はあるものの、新型コロナ禍からの海外需要の回復、企業や消費者のデジタル化、5Gを背景にした世界的な半導体需要の増加をうけ、半導体等電子部品の増加幅は拡大した。ICT輸入も4期連続で増加した。国内企業や消費者のデジタル化を背景に半導体等電子部品の増加幅が拡大した。
今期のICT経済は、消費を除きプラス成長を維持した。ICT消費は主に、スマートフォン等の通信・通話使用料が減少したことが背景にある。これは、新たに登場した安価な料金プランの浸透により一人当たり売上高が減少したことによるもので、実質ベースではプラスを維持している点には注意を要する。4月から9月末までは新型コロナの感染拡大で大都市圏では緊急事態宣言が発出されている中で、半導体不足による供給制約も加わったが、ICT関連分野においては、生産、サービスともに増加を維持した。プラス要因として、巣ごもり消費の継続、ニューノーマル定着に向けたデジタル化の推進や、世界的な半導体需要の高まりによる輸出の増加が見られる。一方、世界的な半導体不足による供給制約、それによるサプライチェーンの混乱はリスク要因だ。
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