2022.10.13 ITトレンド全般

世界の街角から:アメリカの大自然に触れる旅 ~グランドサークルをめぐる【後編】~

これまでに筆者が元気をもらった旅はたくさんありますが、その中の一つを「アメリカの大自然に触れる旅~グランドサークルをめぐる~」と題して紹介しております。本号では「InfoCom T&S World Trend Report」第401号(2022年9月号)の前編に続き、後編をお届けします。自由に旅を楽しめるようになった時の参考にしていただければ幸いです。

【前編】

  • ラスベガス
  1. ザイオン国立公園
  2. ブライスキャニオン国立公園 
  3. キャニオンランズ国立公園
  4. アーチーズ国立公園

 

【後編】

  1. モニュメントバレー
  2. レイクパウエル
  3. レインボーブリッジ国定公園
  4. ホースシューベンド
  5. アンテロープキャニオン
  6. グランドキャニオン国立公園

グランドサークルとは(前編の再掲)

1872年、アメリカ合衆国第18代大統領ユリシーズ・S・グラントが「イエローストーン国立公園法」に署名し、世界で初めて「国立公園」という制度が成立しました。先祖から受け継いだ自然をそのままに極力人の手を加えずに保護し、子孫に残していくことが目的です。1916年には「風景、自然、史跡、および野生動物を保存すること」を目的に国立公園局が創設され、以後すべての国立公園、多くの国定記念物、その他様々な自然保護物と歴史的遺産を管理しています。その制度のおかげで、見るものを魅了する大自然が400近くほぼそのままの状態で残されています。

そのような大自然が比較的まとまって存在する地域があります。アメリカ西部ユタ州とアリゾナ州の州境にあるレイクパウエルという巨大な人工湖を中心に描いた半径 230キロメートルの円(サークル)に囲まれたエリアです。「グランドサークル」と呼ばれるそのエリアには8の国立公園、16の国定公園、19の国立モニュメントや州立公園、その他多くの自然景観が含まれており、それらの大自然をまとめて見ることができるため世界屈指の観光スポットとなっています(図1)。

それでは次節以降でグランドサークルの大自然(後編)を紹介していきます。

【図1】グランドサークル

図1】グランドサークル
(出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Grand_Circle_Map.jpg)

5. モニュメントバレー

モニュメントバレーはラスベガスから東へ約700km、車で約6時間半の距離にあります。アメリカ南西部、ユタ州南端とアリゾナ州北端が接する辺りです。

モニュメントバレー一帯には、14世紀頃までにアメリカ先住民であるナバホ族が定住するようになったと言われています。ナバホ族は1863~66年にアメリカ政府による強制収容を受けてこの地を追われましたが、1868年に保留地として認められて帰還し、現在は準自治領(部族に一定の自治権が認められた保留地)「ナバホネイション」を管理・運営しています。ナバホネイションの面積は北海道と同じくらいの広大さで、今回紹介するモニュメントバレーやアンテロープキャニオンはこの地域に含まれ、それらはトライバルパーク(部族公園)に指定されています。

モニュメントバレーの景観は、スペイン語でテーブルを意味する卓状地「メサ」や、メサがより浸食されて尖った、フランス語で小さな丘を意味する岩山「ビュート」が点在しているのが特徴で、記念碑(モニュメント)が並んでいるように見えることからこの名前がついたそうです。またアメリカの原風景とも呼ばれています。メサやビュートは、大地が長い時間をかけて水や風の浸食を受けたことで形成されました。ビジターセンターの展望台からは、有名な景観である3つのビュートが並ぶ姿を一望できます。3つのビュートのうち、向かって左と中央のビュートは手袋(Mitten)の形に見えることからミトンビュートと呼ばれています(写真1)。

【写真1】ビジターセンター展望台からの景色

【写真1】ビジターセンター展望台からの景色
(出典:文中掲載の写真はすべて筆者撮影)

ビジターセンターでは、ナバホ族の歴史に関する情報を得ることができます。モニュメントバレーは古来からナバホ族の聖地であり、彼らはアメリカ政府からの度重なる国立公園化の申し入れも頑なに断り続けています。

ビュートやメサを間近に見たい場合はガイドツアーに参加するのがおすすめです。ガイドツアーは全長約27kmの観光用道路であるバレードライブをバンで回り、それぞれのビューポイントでバンを停めて観光させてくれます。ビュートやメサの高さは約100~300mもあり、間近で見るとその大きさに圧倒されます(写真2)。

【写真2】間近で見るメサ

【写真2】間近で見るメサ

ガイドツアーに参加しなくても自分の車でバレードライブを回ることは可能ですが、未舗装道路のため、レンタカーの場合は故障や破損を被っても保険の補償対象外になってしまうのでおすすめしません。

1900年代以降、モニュメントバレーは様々な映画の舞台となったことで広く知られるようになりました。なかでも、ジョン・フォード監督による西部劇『駅馬車』(1939年)が有名です。筆者は体験していませんが、乗馬体験もできますので、映画の主人公になった気分を味わえると思います。他にも、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(1990年)で、マイケル・J・フォックス演じる主人公マーティが1885年に到着するなり先住民に追いかけられる場面で使われたり、『フォレスト・ガンプ』(1994年)で、トム・ハンクス演じる主人公フォレストが突然走るのをやめる場面で、モニュメントバレーへと真っすぐ伸びる163号線(写真3)が使われたりしたことでさらに有名になりました。

【写真3】モニュメントバレーに伸びる163号線

【写真3】モニュメントバレーに伸びる163号線

6. レイクパウエル

レイクパウエルはラスベガスから約500km、車で約4時間半の距離にあります。アリゾナ州とユタ州にまたがる全米で2番目に大きな人工湖です。最大長は約300km(東京~名古屋間くらい)、面積は約2,500k㎡(神奈川県くらい)、最大貯水量は約30k㎥(琵琶湖に匹敵)で、満水にするのに17年もかかったそうです(図2)。

【図2】レイクパウエルの地図

【図2】レイクパウエルの地図
(出典:https://commons.wikimedia.org/
wiki/File:Lake_Powell_Map.jpg)

1956年アメリカ政府は、周辺都市の電力不足および水不足を危惧し、コロラド川と狭い渓谷というこの土地の立地に目をつけ、コロラド川を堰き止めるグレンキャニオンダムの建設に着工しました(1966年完成)。それに伴ってできたのがレイクパウエルです。この湖とダムは、今ではアリゾナ州、ユタ州、ネバダ州、およびカリフォルニア州に欠かせない電力・水の供給源になっています。

この一帯はグレンキャニオン国定レクリエーション地域として管理されており、ボート遊び、釣り、水上スキー、ハイキング、キャンプなど様々なレクリエーションが楽しめるため、年間約200万人の旅行者が訪れます。

空と水と岩山が織りなすレイクパウエルの景色はとても幻想的でした。映画『猿の惑星』(1968年)の冒頭、宇宙船がとある惑星の湖上へ不時着水する場面としてこの場所が使われたのも頷けます(写真4)。

【写真4】レイクパウエル

【写真4】レイクパウエル

7. レインボーブリッジ国定公園

レインボーブリッジ国定公園は、グレンキャニオン国定レクリエーション地域の中にあります。その公園の目玉が世界最大級の自然の橋(ナチュラルブリッジ)であるレインボーブリッジです。高さ71m、幅84m、頂上部の厚さ13mの巨大な橋で、2億年以上前にできた岩壁が氷河の融解水によって浸食されてできたそうです。

その存在が世に知られるようになったのは1900年代に入り探検隊が発見してからだそうです。レイクパウエルができるまでは、レインボーブリッジに行くには危険な渓谷を1週間程度かけて歩くしかなかったそうですが、レイクパウエルができてからは水路で近づけるようになり、今では旅行者はボートツアーで日帰りで見に行くことができます。

レインボーブリッジへのボートツアーは、レイクパウエル観光拠点のペイジ(Page)という町にあるワーウィープマリーナ(Wahweap Marina)から出発します(写真5)。筆者が乗ったボートは30名乗りで1階が冷房の効いた客室、2階がオープンデッキでした(写真6)。2階のオープンデッキは日差しが強いですが、開放感を存分に味わえます。レインボーブリッジへのトレイルの出発点であるブリッジキャニオン桟橋まで約2時間半(約80km)レイクパウエルを奥へ進みますが、ボートから眺める景色も壮観でした(写真7、8)。また船内では軽食が出され、水、コーヒー、レモネードが飲み放題でした(写真9、10)。

【写真5】ワーウィープマリーナ

【写真5】ワーウィープマリーナ

【写真6】ツアーボート

【写真6】ツアーボート

【写真7】ボートからの景色

【写真7】ボートからの景色

【写真8】ボートからの景色

【写真8】ボートからの景色

【写真9】ボートで出された軽食

【写真9】ボートで出された軽食

【写真10】ボートのドリンクサーバー

【写真10】ボートのドリンクサーバー

ボートがブリッジキャニオン桟橋(写真11)に着いたら、そこからレインボーブリッジまで20分程度(約1.6Km)のトレイルを歩きます。そのトレイルはほぼ平坦で歩きやすいですが、日差しを遮るものは全くありませんので帽子等を用意するのが良いです。トレイルの途中で時々レインボーブリッジの一部が見え、どんどん期待が高まります(写真12)。そしてその全景が見えた時、虹が架かったかのような造形と大きさに感動しました(写真13)。

【写真11】ブリッジキャニオン桟橋

【写真11】ブリッジキャニオン桟橋

【写真12】レインボーブリッジへのトレイル

【写真12】レインボーブリッジへのトレイル

【写真13】レインボーブリッジ

【写真13】レインボーブリッジ

レインボーブリッジという名前の由来は、この土地の先住民たちが「石に変わった虹」と呼んで崇めていたからだそうです。ナバホ族を始めレインボーブリッジに関わる先住民たちにとってそれは今も神聖な信仰のモニュメントであり、くぐってはいけないそうです。アメリカ国立公園局は旅行者に対し、その神聖な場所に敬意を払うよう求めています。

8. ホースシューベンド

ホースシューベンドはレイクパウエル観光拠点の町ペイジの近く(距離にして約6kmの地点)にあります。以前筆者が訪れた時は入園料も駐車場代もかかりませんでしたが、最近は混雑緩和のため有料になったようです。

ホースシューベンド(Horseshoe Bend)は、コロラド川が大きく曲がり(Bend)ながら大地を浸食してできたスポットで、その形がまるで馬蹄(Horseshoe)のように見えることからこの名前がついたそうです。

駐車場からホースシューベンドまで、赤土の大地の上に作られたトレイルを約15分(1.2km)歩きます。往きはなだらかな下りで帰りはそれを登り返します。距離は短いですが砂地のトレイルなので少し体力を使います。また日差しを遮るものが全くなく、夏の昼間は40℃を超えることもある場所ですので、帽子や水分を用意しておいた方が良いと思います(写真14、15〔注〕今はトレイルが少し整備され写真と若干異なるようです)。

【写真14】ホースシューベンドトレイルの出発地点

【写真14】ホースシューベンドトレイルの出発地点

【写真15】ホースシューベンドトレイル

【写真15】ホースシューベンドトレイル

ホースシューベンドを間近で見るとそのスケールの大きさと、自然の力の偉大さに圧倒されます(写真16)。崖の高さは約300mで端に近づくと足がすくみます。以前は写真のとおり柵などは一切ありませんでしたが、転落事故が絶えないため、今は一部に柵が設けられたようです。しかしながら柵があるのは一部のようですので、転落しないように引き続き注意が必要だと思います。筆者が訪れた時は多くの旅行者が這いつくばって崖の端から下を覗いており、筆者もそれに倣いましたが、あまりの高さに吸い込まれそうな感覚を覚えました。とても印象深い体験でした。

【写真16】ホースシューベンド

【写真16】ホースシューベンド

9. アンテロープキャニオン

アンテロープキャニオンは前述のペイジの町から車で約15分(約10km)の距離にあります。ナバホネイションの中にあり、アンテロープキャニオンの名前の由来は、先住民がアンテロープ(ウシ科の偶蹄類の総称で、インパラ、ガゼル、スプリングボックなどが含まれます)を追いかけている時にこの渓谷を見つけたからだと言われています。

アンテロープキャニオンは、その土地の砂岩を鉄砲水が浸食してできたスロットキャニオン(幅の狭い渓谷)です。上流で降った雨が集まって鉄砲水となってこの土地を通過する際、砂岩の隙間に流れ込んで岩を削り、通路のような空間を作り上げました。水が削った岩肌には、波のような模様が残っていますが、とても滑らかですべすべしています。渓谷の内部では天井の隙間から差し込む光がやわらかくその岩肌を照らし、とても神秘的で荘厳な雰囲気を醸し出していました。

観光エリアはアッパーアンテロープキャニオン(以下、「アッパー」)とロウアーアンテロープキャニオン(以下、「ロウアー」)の2カ所に分かれています。アッパーとロウアーの違いは、アッパーは地上から真っすぐ渓谷に入って比較的広めの平坦な通路を進むのに対し、ロウアーは地下へ降りて洞窟のような狭い通路を進むことです。どちらもおすすめですが、もしどちらかを選ぶのであれば太陽光が差し込みやすく通路も平坦なアッパーをおすすめします。

アッパーはガイドツアーでしか見に行くことができません。少し離れた場所から座席がついたトラックで送迎してもらいます(写真17)。アッパーの入り口は地上にそびえる岩山の大きな割れ目で、その割れ目は鉄砲水の通り道です(写真18)。内部では神秘的な光景に心を奪われます(写真19、20)。ガイドツアーは送迎も含めて約2時間でした。

【写真17】アッパーのガイドツアートラック

【写真17】アッパーのガイドツアートラック

【写真18】アッパーの入り口

【写真18】アッパーの入り口

【写真19】アッパーの内部

【写真19】アッパーの内部

【写真20】アッパーの内部

【写真20】アッパーの内部

ロウアーはガイド付きか自身で自由に回るか選択できます。筆者は自身で自由に回りましたが、特に不便はありませんでした。ロウアーの入り口は地上の割れ目で、人一人分くらいの狭さです(写真21)。そこから鉄製の階段で30mくらい下ります(写真22)。内部はアッパーと同様に神秘的ですが、こちらは通路が狭く上り下りがあって、まるで洞窟を探検しているようでとても楽しかったです(写真23)。筆者は1時間くらいで地上に戻ってきました。

【写真21】ロウアーの入り口

【写真21】ロウアーの入り口

【写真22】ロウアーを降りる階段

【写真22】ロウアーを降りる階段

【写真23】ロウアーの内部

【写真23】ロウアーの内部

アンテロープキャニオンはその神秘的な景色から多くの撮影で使われています。例えば、ブリトニー・スピアーズのヒット曲「I'm Not A Girl, Not Yet A Woman」(2002)のプロモーションビデオでアッパーが使われています。またこのプロモーションビデオではレイクパウエルも色々な角度で観ることができますので、興味のある方はぜひご覧ください。

アンテロープキャニオン観光は歩きやすい靴と汚れても良い服装が望ましいと思います。また砂埃が舞うため鼻や口を塞ぐもの(マスクやハンカチ等)があると良いです。もちろん夏場は日除け対策と水分補給をお忘れなく。

それからアンテロープキャニオンはその場所が晴れていても上流で雨が降った時には閉鎖されます。過去に旅行者が鉄砲水の犠牲になった事故があったそうですが、その日もキャニオンは晴れていたそうです。

10. グランドキャニオン国立公園

最後に紹介するグランドキャニオン国立公園はラスベガスから約450km、車で約4時間半の距離にある世界最大級の大渓谷を有する国立公園です。アリゾナ州の北部に位置します。コロラド川が長い時間をかけて大地を浸食し、雄大な大渓谷を作り上げました。標高約2,000mの高地にあり、面積は約4,900㎢(福岡県くらい)、最大長は約450km(東京~大阪間くらい)、断崖の平均の深さは約1,200m(最深部は1,800m)、最大幅は6~30kmとなっています。20億年前からの地層の積み重なりが露出しているそうで、地球の歴史を刻み続けている価値と雄大な景観から1919年に国立公園に指定され、その後1979年にユネスコ世界自然遺産にも登録されました。

もちろん今も浸食が進んでいますが、そのスピードは100年でわずか2cm程度と言われており、途方もない時間をかけて今の景観ができあがっていることが分かります。遥か先の未来にはモニュメントバレーのような平坦な地形になるのではと言われています。

グランドキャニオンにはアメリカ国内はもとより全世界から年間約400万人の旅行者が訪れるそうです。サウスリム(南壁)とノースリム(北壁)の2つのエリアがありますが、旅行者の多くは旅行者向けの施設が整っているサウスリムを訪れます。筆者も訪れたのはサウスリムです。サウスリムとノースリムの直線距離はわずか16kmですので、折角だからノースリムも見たいと思われるかもしれませんが、行き来するのは容易ではありません。橋はありませんので、車の場合公園の外をぐるっと遠回りしなければならず、その距離は約350km(車で約3時間半)もありますので時間がない場合はあきらめざるを得ません。但しノースリムは、サウスリムとはまた一味違った景色が広がっている上に、旅行者がとても少なくゆっくりできるそうなので、次回はぜひ訪れてみたいです。

サウスリムにはたくさんのビューポイントがありますが、主なビューポイントは、デザートビュー(Desert View)、マーサーポイント(Mather point)、ヤバパイポイント(Yavapai point)、ホピポイント(Hopi point)の4つです。サウスリム観光の拠点であるグランドキャニオンビレッジからの距離は、一番遠いデザートビューまで車で約30分、他の3つは車で5~10分程度です。それぞれ違った景色が楽しめますので、お気に入りのポイントを探してみてはいかがでしょうか(写真24)。

【写真24】マーサーポイントからの景色

【写真24】マーサーポイントからの景色

グランドキャニオンを訪れたらぜひ夕暮れと日の出を見ていただきたいです。夕暮れ時は日が傾くにつれて渓谷全体がどんどん赤く深く染まっていきます。言葉で言い表せないくらいの美しさでした。日の出時も、ノースリムの地平線から徐々に朝日が昇り、モノクロの渓谷が徐々に色を帯びてくる様は感動的でした(写真25)。夕暮れ時も日の出時も多くの旅行者がビューポイントに集まりますが、公園の外にあるホテルからその時間に合わせて来園する場合などは、公園の入場ゲートが渋滞しますので時間に余裕をもって向かうのが良いと思います。

【写真25】徐々に朝日に照らされる グランドキャニオン

【写真25】徐々に朝日に照らされるグランドキャニオン

さいごに(翻訳アプリ)

大自然に触れることは旅の醍醐味だと思いますが、あわせて人との触れ合いも旅の醍醐味のひとつだと思います。人との触れ合いを通じて文化や考え方の違いに気づかされ、自分を見つめ直すきっかけになると思いますし、もっとシンプルなところでは、人の温かさに触れて心が和むことも多いと思います。見知らぬ土地を旅すれば多少の不安や不便を感じるものですが、そういう時にはそこにいる人たちが「どうかしましたか?」「Are you OK?」と声をかけてくれます。筆者がアメリカを旅した時もたくさんの人に声をかけてもらいました。そして筆者に言葉が伝わりづらいと分かると、話すスピードを遅くしてくれたり、ジェスチャーを交えたりして何とか伝えようと努力してくれる人が多かったです。そしてそれをきっかけに会話が生まれることがたくさんありました。そんなささいなやり取りが楽しかった旅の記憶として今も残っています。

これまでのアメリカ旅行では、もっと英語が話せたら良かったのにと思うことがたくさんありましたが、今はICTがその願いをサポートしてくれる時代になったと思います。手軽なところでは、翻訳アプリを使えば、旅行中に必要と思われるコミュニケーションは十分とれると思います。多くの翻訳アプリでは、日本語を話せばそれを外国語に翻訳して発音してくれますし(もちろんその逆もできます)、文字をカメラで撮影すれば翻訳して日本語で表記してくれます。

コロナ禍が終わって自由に旅ができるようになったら、翻訳アプリを使って、これまでよりもっとたくさんの人たちとコミュニケーションをしたいと思っています。読者の皆様もご興味があればぜひお試しください。

※この記事は会員サービス「InfoCom T&S」より一部無料で公開しているものです。



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