2023.7.7 5G/6G イベントレポート

MWC2023:5Gの収益化に向けて通信事業者等が連携

5Gの収益化に向けて

モバイル業界団体GSMAは、2023年2月のMWCバルセロナで、「Open Gatewayイニシアチブ」を発表した。[1] Open Gateway は、開発者などに、通信事業者各社のネットワークへの共通的なアクセスを提供するAPIフレームワークであり、現在、世界中のモバイル接続の約60% を占める約30社の通信事業者がサポートしている。日本の通信事業者としては、KDDIが参画している。本イニシアチブは、SIM swap、Quality On Demand、Device statusなど、8つのネットワークAPIで開始した。

欧州などの通信事業者は、これまでに大規模なネットワーク投資を行ってきたが、その収益化が困難な状況にある。そのため、本APIを通じて、ネットワーク機能を開発者などに開放することで、デジタルサービスやアプリの開発を促進し、5Gの収益向上を目指す。

通信事業者間の協業

先般のMWCバルセロナでは、通信事業者間の協業推進に関する発表もみられた。

シンガポールSingtelと韓国KTは、MWCの基調講演で、共通プラットフォームを活用して、ネットワーク、ITインフラ、デジタルサービスソリューションをグローバルに提供することを発表。[2] 両社は、データセンター、MEC、デジタルロジスティクス、データサービスの4分野で協業するとしている。

KTは Singtelが構築した「Paragon」(法人向けの5G、MEC/クラウド、サービスオーケストレーションの単一プラットフォーム)を活用し、韓国の企業にサービスを提供するとともに、SingtelとKTが協力し、グローバル展開を図る。デジタルロジスティクスの分野においては、KTのAIソリューションと、Singtelの地図・交通データおよびITソリューションを活用する。KTのCEOであるHyuen-Mo Ku氏は、「Singtelとのコラボレーションが革新的な顧客体験を生み出し、グローバル市場での市場競争力を強化すると確信している」と述べた。

Open Gatewayイニシアチブの拡大

GSMAは、2023年6月のMWC上海に際して、中国の通信事業者China Mobile、China Telecom、China UnicomがOpen Gatewayに参加することを発表した。[3] GSMAのDirector GeneralであるMats Granryd氏は、「本イニシアチブにより、5G接続からさらなる価値が生み出され、それが世界経済に流れ込み、将来の投資が強化され、すべての人に接続による変革的なメリットがもたらされるだろう」と述べた。2023年2月に、8件のネットワークAPIで開始した本取り組みは、既に23件に拡大しているという。

通信事業者や関連プレイヤー各社は、グローバル市場を見据えて、それぞれの強みを活かした、多様なデジタルサービス、ソリューションを顧客に提供するために、連携を強化している。

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清水 郁雄 (Ikuo Shimizu)の記事

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