2019年3月5日掲載 ICT利活用 地方創生 ICR研究員の眼

観光×ICT NTTグループが琉球大学で寄附講座



情報通信総合研究所では2019年2月12日〜15日の4日間、NTTグループにおける取り組みのひとつとして、琉球大学(沖縄県中頭郡西原町)において「情報と観光政策」をテーマとした集中講座(寄附講座)を開講した。

この寄附講座が目指すもの

沖縄県においては観光分野に関するICT活用が始まっているが、観光統計やビッグデータの活用はまだ十分に進んでおらず、効果的な観光政策施策実施のためにもICTの更なる活用が必要な状況だ。一方、大学教育においても最新の取組を学ぶ必要性が高まっているものの、通常の授業では実践を学ぶ場がない、専任の教員がいないという問題があるという。

そこで今回、沖縄全島接続アプリ共同実証実験への参画をはじめ、沖縄市のICT利活用事業に関するコンサルティング、沖縄県のインバウンド関連情報の調査等、沖縄における観光×ICT利活用に関して長年携わった経験と実績を生かし、NTTグループ各社をはじめ琉球大学国際地域創造学部の下地芳郎教授、NTT西日本沖縄支店の島田勝也氏との連携のもと、弊社が代表幹事として本寄附講座を実現することとなった。

琉球大学国際地域創造学部 NTT寄附講座

【写真1】琉球大学国際地域創造学部の学生に向けて実施。
NTTグループを総動員してのオムニバス形式による寄附講座は初の試み

これまでの知見と経験を沖縄にフィードバック

event-201902_4企画者のひとり、弊社の三浦大典上席主任研究員は今回の取り組みを、「当社も、もちろんNTTグループとしても重要なテーマである『観光×ICT』において、これまで培って来た知見と経験を講義という形で観光立県である沖縄にフィードバックすることが第一の目的」と言い、「2020を目前に控え、さらなる成長が期待されている観光市場において、どのようにICTを活用していくのか、さらに考えなくてはならないと思います。」と、今後への思いも語った。

今回受講したのは国際地域創造学部で観光政策論を履修している学生で、NTTブロードバンドプラットフォームの南川夏雄社長、NTTドコモ沖縄振興推進室の中嶋貴久担当部長、NTT西日本の井口法文担当部長、大部隆二担当課長、同沖縄支店 玉城重憲沖縄振興推進室長、そして前述の三浦大典上席主任研究員、松原徳和主任研究員、鹿戸敬介主任研究員らが講師となり、

  1. ICT活用に関する専門知識を学ぶ
  2. ICTの活用事例を通した沖縄県における効果的な観光政策立案方法を学ぶ
  3. ビッグデータ活用事例やデータ分析を実際に行うことで問題予測、原因究明、対策考案する問題解決力を身につける

を目標に、4日間15講義を受講してもらった。

分析・考察に取り組む学生たち

【写真2】Wi-Fi等のログデータを用いた動線可視化ツールを活用して分析・考察に取り組む学生たち

動線可視化ツールを使った演習も

最終日に行った演習では、NTTブロードバンドプラットフォームの提供により、パソコンに表示されたWi-Fi等のログデータを用いた動線可視化ツールを実際に自分たちで動かしながら分析し、与えられた課題への提言について話し合ってもらった。授業の最後にはグループ毎の発表に対して専門家からのフィードバックを受けるなど、普段の授業にはない体験を通じて学生たちの好奇心が掻き立てられたようだ。「ぜひ地元でこの分析をやってみたい」や、「ただの座学だけでなくビッグデータを活用した分析・考察では、目的にあった分析やデータの扱い方を実感できた」という学生の声もあった。

グループに分かれた演習

【写真3】グループに分かれた演習は学生にとって実践に触れる機会となった

ICTの先端技術に「ロマンを感じる」

講座の最後に紹介したICTの先端技術の映像では、「未来の映像にワクワクした」、「これまで夢物語だと思っていた世界が案外現実にできそう」、「ロマンを感じる」という、未来に期待を寄せるコメントのほか、AIについては、一般的に“AIが人間の仕事を奪う”と危惧する声が多い中で、「AIに使われるのではなく、使う側としての視点を養うことが我々世代に求められている」や、「AIの分析に基づく結果に頼りすぎず自分たちが持つ新奇的なアイデアや奇抜が考えなど、インスピレーションも失ってはいけない。」といった、AIに対する人間のあるべき姿への思いも寄せられた。

今回のようなNTTグループを総動員してのオムニバス形式による寄附講座は初の試みでもあり、グループ一体となって実施し、学生の方々と共に学んでいくことは、私たちにとっても大変意義のある4日間となった。

三浦大典上席主任研究員も、「我々にとっても様々な気づきを得る貴重な機会になりました。琉球大学と下地先生に御礼申し上げます。また、受講してくださった学生の皆さんにも感謝しています。この寄附講座が何かの役に立つようであれば、企画者の一人として嬉しいです。」と感想を述べた。

◆◇◆

最後に、本寄附講座に快く協力してくださったNTTグループ各社にも御礼申し上げます。皆様の協力がなければ、これほどまでに充実した講座にはなりませんでした。ありがとうございました。

NTTグループ寄附講座「情報と観光政策」概要

開催期間:2019年2月12日〜15日(4日間)
開催場所:琉球大学(沖縄県中頭郡西原町)
受講対象:国際地域創造学部で観光政策論を履修している学生
講座内容 各90分、全15講義:

  • 沖縄のICT現状
  • ビッグデータの概要と活用
  • 県内でのICT利活用事例
  • 観光分野におけるモバイル活用事例
  • 5G時代の観光振興
  • Wi-Fiログ(履歴)分析事例紹介
  • 演習(学生による分析)
  • ICT先端技術(AI、IoT、ビッグデータ/導入事例)

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