2018年10月9日掲載 ITトレンド全般 ICR研究員の眼

ドイツ通信大手2社が5G展開で提携、目的はコスト削減。



ドイツの大手通信事業者2社の提携話です。ドイツテレコム(DT)とテレフォニカ・ジャーマニー(西テレフォニカのドイツ法人)が、提携関係の拡大で合意、というニュース。長期的に、テレフォニカの5,000ある基地局をDTの光ファイバーで結ぶ考えです。
一言でいえば、「5G網の整備費用を安くあげるために、ライバルの光ファイバーを使いますよ」です。
https://www.telekom.com/en/media/media-information/archive/cooperation-network-expansion-telefonica-deutschland-544482

両社は2011年に提携しており、今回はそれを5G網にも拡張するという話。当のDTは、固定通信事業を営む一方で、モバイル通信の事業部門(T-Mobileブランド)も持っています。

この動きの背景には、5G網展開で欧州の通信事業者が置かれている現状があります。
 ・5G網はできるだけ安く整備したい
 ・でも、5G網の中継回線のための光ファイバーが足りない

両社は近々予定されている5G向け周波数オークションを控えており、DTにとっては光ファイバー貸しの収入分を、テレフォニカにとっては敷設コスト削減分を5G基地局設置に振り向ける、という投資余力改善のアピールになります。

昨今、急速に5G整備を進めている米国や中国と比べると、欧州は投資余力面の厳しさが露呈しています。欧州を牽引する立場のドイツですらこのような状況です。国内のモバイル通信事業をめぐる議論にあたっては、こうした各国間の5Gインフラ構築競争という面をよく考えたいところです。

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