2022.7.14 メディア2030 ICR研究員の眼

NetflixはMicrosoftを広告ビジネスのパートナーとして選定

Andrés Rodríguez from Pixabay

 2022年7月14日、NetflixがMicrosoftをグローバルアドバタイジングテクノロジーセールスパートナー(global advertising technology and sales partner)に選定したことを発表した。Netflixは長らく広告付きプランを導入しない方針を取ってきた。しかし、2022年4月の決算発表時に、同社CEOのリード・ヘイスティングス氏は、Netflixの契約者数減少やアカウントシェアなどの影響について言及し、同社が広告付き低価格プランを導入する可能性を示した。Microsoftとの提携はその実現への大きな一歩となる。

 Netflixの広告ビジネスへの言及以降、GoogleやNBCUniversalなどが同社のパートナーとなる可能性が報じられていたが、最終的にはMicrosoftが選定された。NetflixはMicrosoftを広告ビジネスパートナーとした理由は、新たな広告サービスを作るNetflixのニーズにMicrosoftが応える能力を持っていることやMicrosoftが提供するテクノロジーやセールスにおけるイノベーションへの柔軟性、強固な(Netflix会員のための)プライバシー保護にあると述べた。また、Netflixは広告付き低価格プラン導入の長期的な目的は、顧客への更なる選択肢の提示に加え、広告主へのリニアTVブランドを超える広告体験の提供であると明かした。

 米国ではSVODサービスの広告付き低価格プラン導入の動きが昨今目立っている。HBO MaxやParamount+、Discovery+などが広告なしプランに加え、広告付き低価格プランを提供しているが、Disney+も2022年内に米国、2023年には世界で同様の広告付きプランを導入する計画だ。
調査会社NPDによると、米国の消費者はSVODを解約する理由として、見たいコンテンツがないことや料金が高いことを挙げる傾向があるため、近年、プランの値上げが続くSVODサービスにおいては、何らかの対策を打たなければ解約者が更に増加するだろう。Netflixはコンテンツ制作力と広告付き低価格プランの導入により、契約者のリテンションと新たな契約者の獲得を目指す。

Netflixのプレスリリース
https://about.netflix.com/en/news/netflix-partners-with-microsoft 
Microsoftのプレスリリース
https://blogs.microsoft.com/blog/2022/07/13/netflix-names-microsoft-as-partner-for-new-consumer-subscription-plan/

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