2018年11月27日掲載 InfoCom T&S World Trend Report

世界の街角から:インドネシア ~仏教とヒンドゥー遺跡が隣り合う古都ジョグジャカルタ


【写真1】ボロブドゥール遺跡 (出典:文中掲載の写真はすべて筆者撮影

旅の準備

10月末、今回はジャカルタで母校アジア地区同窓会兼ビジネスフェアがあるということで、初のインドネシア行きを決心した。公式の予定は金曜土曜の2日間だけだったが、折角なのでもう1日休みを取り前入りしてぶらぶら観光することとした。さて、飛行機のチケットは押さえたもののジャカルタはこれまで自発的に行こうと思ったことがない場所だったので、行くのを決めたのはいいが、どこを観光してよいやら全く分からない。そこで、インドネシアを良く知る複数の知人に聞いてみたところ、「ジャカルタは単なる都会で何も見るものないよ」とか、「金持ちは歩いて5分のところでも車で移動する」とか、折角の観光意欲をものの見事に抹殺するような返事ばかり返ってきた。そんな中、かろうじて「ジョグジャカルタだったらまだ見るものあるけど」というコメントを貰ったので、その「ジョグジャカルタ」とやらを調べてみると、飛行機でジャカルタから1時間ほどで風光明媚なところがあることが分かり、初インドネシアの初日はジャカルタではなくジョグジャカルタで過ごすことにした。

ジャカルタ空港到着

ジャカルタ空港には羽田発のANA深夜便で早朝4時半過ぎに到着。入国審査もスムーズで無事にゲートを抜けた。ここからは国内線ターミナルまで移動してガルーダ航空でジョグジャカルタ空港へ向かう。今回の旅は国際線アクセスと国内線をバラバラで買ったので、乗り継ぎは自力でやらないといけない。ところが到着後の国内線ターミナルへの移動方法が分からない。散々迷った挙句、タクシーの手配会社のカウンターでひまそうにしている人にターミナルへの行き方を聞くと、「OK, OK. I can take care」という片言の英語と250,000ルピアという恐ろしい桁の数字を出される。「え、お金いるの?ルピア両替前で現金がない」と言うと、すかさず「20ドル」と言われる。「なんで国内線乗り換えに20ドルも払わなあかんねん!」とそこを後にし、途方にくれていると、今度はSilver Birdというやや高級なタクシーの配車係のお兄ちゃんがよってきて、「タクシーか?」と聞くので、「国内線ターミナルに行きたいだけなんだけど」と伝えると、笑顔で、目の前の真新しい建物を指さして「スカイシャトルで行けるよ」との回答。「お金いる?」と聞いたら「無料だよ」とのこと。安堵し、国内線ターミナルへ移動。お蔭で20ドルぼられずに済んだ。その時、タクシー乗るなら絶対Silver Birdと心に決めた。

ジョグジャカルタ到着

ガルーダ航空で無事到着したジョグジャカルタ空港はどことなく田舎くささが残る南の島の空港という感じ。とりあえずホテルへと向かわないといけないのだが、空港のタクシーはどれがまともなタクシーか分からない。そこで、事前に調べて準備していたインドネシア版UBERの「Grab」というサービスにトライした。見事マッチングしたが、間もなくドライバーより「空港の敷地まで入れない」との連絡があった。Grabのメッセージング機能には翻訳機能が付いているので、何となくは意思疎通が可能なのが助かるが、ドライバーからのメッセージの中身が「有名な家具屋の前にいる」だった。これではお手上げ。諦めて、適当にその辺のタクシー屋だというお兄さんと交渉し、80,000ルピア(約600円)で乗ることに決め、ホテルに向かうことした。

ホテルが安い

ジョグジャカルタはホテルが安い。言葉の通じない知らない土地ではホテルはライフラインそのものと自分は思っているので、やや贅沢にも5つ星級のYogyakarta Marriot Hotelに宿泊。ここはExpediaを通じて予約したのだが、1泊朝食付きで7,000円程度と安く、非常に満足度が高い。ホテルの部屋に荷物を置いて、ロビーで昼食代わりのビールで喉を潤しながらこれからの行動を考える。ジョグジャカルタには見たいものが二つあった。一つは仏教遺跡のボロブドゥール寺院(Borobudur Temple)そして、もう一つはヒンドゥー教遺跡であるパランバナン寺院(Parambanan Temple)。世界最大のイスラム教国に二つの巨大な仏教遺跡とヒンドゥー教遺跡があるのは興味深い。とりあえず無理せず1日ずつ訪れることにした。

世界最大の石造仏教遺跡ボロブドゥール

ボロブドゥールはホテルから車で1時間程度。先ほど苦戦した配車サービスGrabもホテル前なら難なく乗車可能。ちなみにGrabはクレジットカードでも支払いが可能だが、基本は降車時に現金にて支払う。この遺跡は8世紀後半から9世紀前半にかけて建立されたとされる世界最大級の仏教遺跡だ。近くの火山の噴火で1,000年以上灰の下に埋もれて、忘れ去られていたものを1814年に英国人が発見し、発掘、修復されて今にいたる。1991年には世界文化遺産にも登録されている。入場料は外国人価格が設定されていて確か25ドルくらいだった。入場ゲートのあたりで「ガイドは?」と声を掛けられ、日本語ガイドが1時間半で150,000ルピア(約1,000円)。気に入らなければお代はいただかないと言うのでお願いすることにした。

圧巻の景色

結果的にはガイドさんをお願いして大正解。遺跡の歴史だけでなく、レリーフに刻まれているストーリーの意味を丁寧に教えてくれるので非常に良く理解ができた。そして、仏教寺院なのにヒンドゥー教の神が飾られていることで、この時代は違う宗教が仲良く建造に関わったことを教えられた。ここの楽しみ方として夜明け前に遺跡に上り、朝もやの中に浮かぶ幻想的な姿を見るというのがあるらしい。そういう雰囲気を楽しむのいいが、昼間に来てこうしてしっかり教えてもらう方が筆者には向いているなと思った。

ボロブドゥール遺跡からの眺め

【写真2】ボロブドゥール遺跡からの眺め

仏教遺跡ボロブドゥール寺院にみられるヒンドゥー教の神様

【写真3】仏教遺跡ボロブドゥール寺院にみられるヒンドゥー教の神様

新鮮な道中の景色

移動中の景色からも目が離せない。バイクで行きかう人々、渋滞、マイクロバスのようなところから覗く顔。始めて訪れる国は観光地だけでなくすべてが新鮮で、何とも言えない国の若さ、活力を感じる。

ジョグジャカルタの渋滞

【写真4】ジョグジャカルタの渋滞

目抜き通りMalioboro

一通りの観光を終え、ボロブドゥールを後に街に戻る。夕食をとりに観光冊子にのっていたMalioboroという賑やかそうな商店が並ぶところに行ってみた。通常の店舗の前に屋台が並び、日暮れになると空きスペースにシートと簡易なテーブルが並べられ庶民の外食スペースとなる。屋台ではインドネシア風の焼き鳥のほか、日本のたこやきも見つけることができ、食欲がそそられた。しかし、日本を出発直前に行った散髪屋で聞いた「いやー、行く前から脅すわけではないですけど、私の友達も先日インドネシアに行って、アタりましてねー。あ、食中毒です。三日三晩苦しんだらしいっすよ」という言葉を思い出し。やはり、こぎれいなモールの中で食べることにした。何を食べようか考えたがインドネシアの料理と言えば結局「ナシゴレン」しか知らないので、とりあえず注文。無難に美味しかった。

Malioboroのたこ焼き屋さん

【写真5】Malioboroのたこ焼き屋さん

ナシゴレン

【写真6】お約束のナシゴレン

翌日は午後3時のフライトでジャカルタに戻らないといけないため、午前中だけの観光。ホテルから車で20分程度の距離で行けるパランバナン寺院にターゲットを絞った。こちらも入場料は25ドルくらい。同じく英語ガイドさんが100,000ルピア(約800円弱)だと言うのでお願いした。パランバナンは9世紀ごろに建てられたとされており、その後複数の大地震で崩壊状態であったが、日本の資金援助も経て現在の姿となった。天に燃え上がる炎のような各建造物にはヒンドゥー教の神々が祀られている。ここでも色々な説明をしてもらいつつ2時間程度見学した後、Grabで急いでホテルに戻る。寺院の駐車場にはGrab専用の乗車場が設けられていた。

パランバナン寺院

【写真7】パランバナン寺院

パランバナン寺院の駐車場にあったGrab専用乗り場

【写真8】パランバナン寺院の駐車場にあったGrab専用乗り場

そしてジャカルタへ

ホテルに戻ると急いで着替え。そこからは三たびGrabを使い、道すがらの街の景色を惜しみつつ空港へ。こうして、1泊2日の慌ただしくも風光明媚なジョグジャカルタの旅を終えた。

街中いたるところでみられる簡易な食堂

【写真9】街中いたるところでみられる簡易な食堂

3人乗りのバイク

【写真10】たくましい3人乗りのバイク

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