IoTとセンサの技術の進歩という技術的な側面や、生産性の向上や付加価値向上等課題可決ニーズの高まりを背景に、通信事業者やベンダーに限らず、多くの事業者がIoTビジネスの展開を進めています。
一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)では、「IoTのソリューション・機器市場の動向[1]」を2018年6月に公表しています。調査対象は、IoT化の進展に沿った新たな対象市場(IoT事業のソリューションや機器、通信キャリアが提供するサービス)(図表①のグループA)です。
図表① IoT機器の調査対象
IoT化の進展に沿った新たな対象市場である「グループA」は2兆6,288億円の市場規模があり、「グループB」と合わせると、「IoT化によって伸びる分野(=ICT企業の事業となるIoT市場規模」は5兆2,130億円となり、今後も伸びる分野で占められていることが示されています(従来の通信機器市場「グループC」も加えると5兆7,541億円)。
このうち、ソリューションレイヤでは、市場規模ではスマートファクトリーが4,365億円と最も大きく、増加傾向が高いカテゴリです。次いで、コネクティッドカーやセキュリティが含まれる業種横断が3,927億円の市場規模です。同様に増加傾向が高い見通しです。
最近の動向をみると、小売業の省力化や人的資源の再配分を狙いにしたIoT活用、医療・ヘルスケア分野でのIoT活用、海運や造船行向けの船舶IoT、物流業向けのIoTソリューション、AIスピーカー含めたホームIoT等対象分野の広がりや当該分野での活用の進展がみられ、その活用領域も集めたデータを分析して、売上高増加、生産性向上等課題解決に活かすという方向性にあります。
この調査は継続していく予定であり、今後の市場拡大の動向が期待されます。
なお、「IoTのソリューション・機器市場の動向 」については、CIAJ調査統計セミナーとしてCEATECで10月17日15時から予定されています[2]。
[1]https://www.ciaj.or.jp/news/press_releases/pressreleases_past_issue/pressrelease2018/3470.html
[2]https://regist.ceatec.com/?act=Conferences&func=Detailed&event_id=7&conference_id=555&mode=iframe
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