2018年12月21日掲載 ITトレンド全般 ICR研究員の眼

HACCPのインパクト



HACCPとは、1960年代の米国で、宇宙食の安全性を確保するために開発された食品衛生管理の方式で、「Hazard Analysis Critical Control Point」の頭文字をとったものだ。日本語では「危害分析重要管理点」と呼ばれる。

2018年、規模にかかわらず全ての食品事業者にHACCP導入を義務付ける、食品衛生法改正法案が可決、6月に公布された。食品事業者は遅くとも2020年6月までに、「HACCPに基づく衛生管理」または「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を導入することが義務付けられた。背景にはオリンピック/パラリンピックの実施がある。

食品衛生管理に関し、従来方式とHACCP方式の違いをわかりやすくいうと、従来方式は、抜き取り検査等で、最終製品に対し規定した基準を満たしているかを検査、安全性を確認するものだ。一方、HACCP方式は、食品を製造する各工程において危害要因を分析、重要工程を重点管理することで、最終製品が安全であることを示すものだ。言ってみれば「結果管理」から「プロセス管理」ということになる。

これは町の飲食店も対象となる。大規模食品製造事業者であれば、特に問題はないであろうが、小規模な事業者が、例えば温度管理や記録をするとなると、その手間は大変なものだろう。

導入にあたっては、導入整備にかかる資金もそうだが、導入後のモニタリングや記録管理コストも課題となる。しかし、こうした点は、ICTによる省力化が図れりうるものだ。

もう2018年も終わりに近づき、HACCP導入期限まで一年半ほどとなった。そこに向けて各種ICTソリューションが活用され、万全な体制で2020年6月のオリンピック/パラリンピックを迎えられることが望まれる。

 

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