中国ではスマホを活用した出前(フードデリバリー)が盛んである。どうして盛んなのか、中国出身の人に聞いてみた。そもそもの話として、中国では歴史的にフードデリバリーが普通のことなのだという。
高校生でも昼食は学校のカフェテリアを利用したりお弁当を持っていくのではなく、出前を頼むのが普通であったとのこと。以前は電話をかけて頼んでいたものが、今はスマホのプラットフォームを利用する形になり、より簡単で便利になったということだ。
スマホのフードデリバリープラットフォームも御多分に漏れずBAT (バイドゥ、アリババ、テンセント)が覇権争いを続けている。美団点評はテンセント、餓了麼(ウオラマ)はアリババ、百度外売はバイドゥといった具合だ。この内、百度外売は、2017年12月にウオラマに買収され、現在は美団点評とウオラマの争いが続いている。
アリババは元々ウオラマに出資していたが、2018年4月にアリババに完全買収された。買収額は推定95億ドル(約1兆円)。これは中国のインターネット業界において史上最大規模となった。
聞けばこの「ウオラマ」は「お腹空いてる?」という意味だという。昼食時、日本のオフィス街では、安くて美味しい店にビジネスパーソンたちが安列をなしている。スマホでのフードデリバリーが普及すれば、この光景も変わるのだろう。
果たして「お腹空いている」ビジネスパーソンたちを満たしてくれる、日本のウオラマはどこになるのだろうか。
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滝田 辰夫(退職)の記事
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