デジタル・トランスフォーメーションは、クラウドやIoT、AI、ビッグデータ等の新しいデジタル技術を活用して、既存の業務プロセスやビジネスモデルに新たな価値を創出して変革していくという考え方です。
最近では耳にする事が多くなってきたように感じます。 デジタル・トランスフォーメーションは、自社はもとより顧客企業の成長にも貢献することが期待されることから、企業の成長戦略の一つに位置付けられることが多くなっています。
業績発表時に「デジタル」を取り上げる企業も年々増加しており、デジタル・トランスフォーメーションに対する企業の意識が高まっていると言えます。(業績発表時に「digital」を掲げる企業数:2010年:437社、2014年1081社、2017年:1798社、Gartner)。
変革の気運が高まる一方、デジタル・トランスフォーメーションの旗振り役を担う企業のCIO(情報戦略責任者)にとって悩みもあり、導入のバリア(障害)になるものとして、CIOの46%が「社内カルチャー」を挙げています。 GartnerがCIO向けを対象に開催したシンポジウム「Gartner Symposium ITXPO」(10月14~18日、米フロリダで開催)では「社内カルチャーの改革」が提案されました。障害としてのカルチャーを変革のチャンスに変えるため、固定化した社内カルチャーに切り込むという意味で、「カルチャー・ハックス(Culture Hacks)」と銘打ち10項目を示しています。
~10個のカルチャー・ハックス~
- 新しい戦略に沿った打合せだけを実施
- 失敗の奨励(失敗から学び、失敗を共有)
- 48時間以内の意思決定
- 部下の決定に応える
- 古い価値観や慣習を手放すワークショップの開催
- 部下からの困難な疑問を受けて立つ
- 困難な質問に対する答えを創りだしていく
- 状況報告目的の打合せの廃止
- 優れたアイデアを持つ社員に対しては、やらせて任せる
- カルチャー・ハッカソン大会を開催する
AIの導入によって失業するのではないかという漠然とした不安があり、新しい技術や手法に苦手意識や抵抗感を持つ人がいることは想像に難くありません。
そのような懸念や不安を払しょくするために上記の10項目が考えられました。社内での立場は区々であっても見る人毎に極めて身近に感じるものもあるでしょう。
デジタル・トランスフォーメーションは壮大な計画に見えますが、その担い手は一人一人の社員です。仕事のやり方や考え方などを見直すことから変化の一歩は始まるのではないでしょうか。
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