2018年11月26日掲載 ICT利活用 ITトレンド全般 地方創生 ICR研究員の眼

超小型モビリティHa:moで豊田市の観光をしてみた



 紅葉の美しい観光シーズンである今、ふと遠出したくなったので、前から気になっていた近未来型モビリティの先駆的取り組みが行われている愛知県豊田市に日帰りで行ってきた。主たる目的は数年前から当地で提供されている「Ha:mo(ハーモ) 」という名前の超小型電気自動車(EV)シェアリングを自分で運転してみることだが、トヨタ自動車のお膝元、豊田市には一度も行ったことがないので短時間ではあるもののちょっと一回りしてみたいと思っていた。そのような軽い訪問にはこのEV利用が最適だ。三連休直前の木曜日にネットの「Ha:mo RIDE」というサイトで一人乗りの車種を予約(二人乗りもある)。アプリで会員登録してスマホで簡単に利用できる方法のほかに、特に登録が不要の「ビジタープラン」がある。その中には豊田市内の複数の観光モデルコースが設定されていて、それに合わせて周遊する4時間、2時間コースなどがある。筆者はそのモデルコースのうち、4時間コースの「とよた歴史散策・松平プラン」を予約した。4時間コースで3,000円とお手頃な値段だ。徳川家康の始祖・松平家の発祥の地が豊田市にあるとは恥ずかしながら全く知らなかった。家康が浸かったという産湯の跡もあった。そのほかにも市内中心部からそう遠くないところに風光明媚な渓谷(写真)DSC_1568など、企業城下町であること以外に、意外にも観光資源があることが分かった。豊田市駅前の観光案内所に同居しているHa:moの受付カウンターの方に聞いたところでは、豊田市内で超小型EVは50台以上各主要スポットに配備されており、平日にはトヨタに勤める社員が駅から工場までこのEVでチョイ乗り利用するケースも少なくないらしい。

さて、30分ほど運転方法(普通運転免許が必要)や注意事項についての説明を受けたあと、「初EV」を楽しんだ。フル充電で往復50kmくらいは走れるとのことだが、時速40km以上出したり、坂道が続いたりすると電池の消耗が早くなるという話だったので、安全運転かつスピード抑え目で運転したDSC_1578。貸出時にカーナビ代わりのタブレットを借りたので、それが案内する観光コースのナビのとおりに行けばよいということだったが、途中で道には何度か迷ってしまった。ただ、車体はバイクよりちょっと広いくらいの幅なので、狭い道で対向車に出会ってもそれほど緊張することなく行き違いもできるなど運転は楽だ。スピード40kmくらいで走っていると、通常の道路では筆者の後ろに車が並んでしまい、路肩に何度か停車して先に行ってもらうくらいの配慮は必要だったが、自分のクルマではいつも60km出しているようなところでも、このクルマだと運転が優しくなるような気がする。あと、山間部で結構坂道を登ったせいか、電池の減りが思ったより早く、最後の方は警告ランプが鳴ったりして、リモートで運転状況をチェックしているらしい受付カウンターの方から「大丈夫ですか」という電話をもらったりした。その緊張感を緩和するためにも、Ha:mo用の急速充電器がもっと市内随所にあるといいのかもしれない。

豊田市では行政が企業とのタイアップでこのHa:mo RIDEを提供しているほかにも、次世代の環境技術を集約した日本初めての地区として様々な取り組み(とよたエコフルタウン)を行っており、今回周遊したコースの最後はそのエコフルタウンという施設に立ち寄る形になっている(ここで充電が可能)。豊田市は市街地だけでなく、広大な山間地帯も抱えており、おそらく山間部では超高齢社会が抱えるモビリティの問題も顕在化しているに違いない。エコフルタウンでは超小型EV以外の各種モビリティも展示されていたが、そのような地域ではこの軽く乗れる様々なモビリティが課題解決の一端として貢献する可能性がある。ちなみに、Ha:moは今では豊田市以外にも、東京ではカーシェアのTimes Car PLUSとの提携で都心部で簡単に利用できるほか、沖縄、出雲、萩などの観光地でも行政とのタイアップで提供されている。スピードが遅めで狭い道でも入りやすい超小型EVを運転して、違った目線で街を見てみるのはなかなか楽しいし、その街の良い点や課題なども見えてくるような気がする。みなさんもお試しになっていはいかがだろうか。

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